講演情報
[27-P-P2Q1-01]外部と連携した自立(自律)支援の取り組みの振り返り~やりがいUPを図る人材育成70:20:10~
兵庫県 ○上田 章弘1, 鎌田 大啓2 (1.介護老人保健施設恵泉, 2.株式会社TRAPE)
【はじめに】
VUCA時代と呼ばれ、先行き不透明で将来の予測が困難な状態である昨今、ワークライフバランス向上などを掲げ2018年に働き方改革関連法案が成立・交付された。同年、「チャレンジ2025」と銘打ち、職員がやりがいを持って働き続けられるような職場を作っていくため、外部と連携した自立支援の取り組みを開始した。6年半の実践を振り返り、実践の具体的内容とポイントについて若干の考察を加え報告する。
【目的】
人材育成において、実務経験からの学び(70%)、他者からの学び(20%)、研修・座学からの学び(10%)という比率で学習を進めるロミンガー社の70:20:10モデルを活用することが効果的であると報告されている。今回、外部と連携した自立支援の取り組みを実践し、70:20:10での学習効果を実感した。職員への意識調査を踏まえ取り組みを振り返り、成功の誘因を探ることで今後の人材育成の一助としたい。
【方法】
第1期:学び直し期
株式会社TRAPE(トラピ)にコンサルティングを依頼し、自立支援の基礎を学習するプログラムである『自立支援型思考リーダー育成プロジェクト』を開始した。法人内で選定したコアメンバーを対象とした研修6回、一般職員を対象とした研修6回の計12回の研修を実施し、介護保険の中心的概念である「自立支援」の本質についてしっかりと学び直した。
第2期:コーチングサービス導入期
TRAPEのオンライン人材開発型のコーチングサービス「club TRAPE」をスタートさせ、より実践的に対話を通じて学びを深めた。また年3回「Keisenセミナー」を開催し職員のアップデートを行った。法人内では主体的に自立支援を推進させるチームとして『生活期リハビリテーション推進チーム』を発足し、法人の自立支援の考え方をまとめた虎の巻を発刊し全職員に配布した。この期間は特にマネジメント層の育成に注視し、実践を積み重ねながらファシリテーターからフィードバックを受け、成功体験を得ることで自信を深めることにつなげた。
第3期:実践反復期
「club TRAPE」終了と同時に生活期リハビリテーションマネジメントシートの作成を開始し、利用者としっかり向き合い「think‐action‐learn」を繰り返し、利用者が自分にとって意味のあるwell-beingな日常生活を取り戻すことを徹底して追及し、臨床実践を可視化した。「Keisenセミナー」では、実践経験を語り合い、ディスカッションする中でさらに学びを深めた。
第4期:自走移行期
コンサルティング終了に向け、継続して取り組みを行っていくため組織の再編成を行った。現状の課題や今後の展望などを話し合い、新たに推進チームを立ち上げメンバーの選定を行った。中途採用者向けにも研修を導入し、組織の考え方をインストールする場を幅広く設けた。コンサルティング終了後に職員に取り組みに関する意識調査を実施した。
【結果】
結果、「取り組んで良かったか」非常に良かった+良かった90.8%、「やりがいにつながっているか」非常につながっている+つながっている75%、「専門性の向上につながっているか」非常につながっている+つながっている81.6%、「仕事の楽しさにつながっているか」非常につながっている+つながっている67.1%、「成長につながっているか」非常につながっている+つながっている82.9%、「利用者に効果はあるか」とても効果がある+効果がある92.1%といった満足度の高い回答であった。理由として、「スキルUPにつながった」「多職種での実践が良かった」「利用者の変化をとらえることができた」「考え方が変化した」「関わりの根拠をもつことにつながった」「働きやすい職場になった」「しっかりと利用者に向き合えるようになった」「考える習慣がついた」といった意見が多かった。
【考察】
職員の満足度が向上した理由は70:20:10モデルの学び方を効率的に活用できたことにあると考える。研修・座学での学びについて、初めて耳にするような横文字の単語などもあり理解が難しく感じる内容も自分たちの言葉として虎の巻にまとめ、我がこと化することで研修内容が机上の空論ではなくより身近なものとなり、主体性や責任感をもって能動的に行動することにつながり、共通言語で話せる環境は多職種間の対話機会を増大させ、更なる学びにつながったと考えられる。他者からの学びに関しては、「club TRAPE」で法人外の多職種と意見交換し、セミナーや事例報告会等で法人内の他施設職員と意見交換するなどさまざまな属性の人と対話する経験により、思考が固定化せず視座がひろがり、専門性のパラドックスに陥らず柔軟性が増したと考えられる。実務経験の学びとしては、事例演習で学びを深めたことを日常業務の中で徹底的に繰り返し行ったことにあると考える。本人の想いの聴き取りやchatworkを使用して情報共有を徹底し、行動の意味を深堀して考えることを習慣化させたことが、職員の行動変容につながり「考えること」「対話すること」が楽しいと感じるようになり、やりがいへとつながっていったのではないかと考える。
【まとめ】
本報告では、自立支援の取り組みで職員のやりがいがUPした成功の誘因を探り人材育成の一助とすることを目的とした。「取り組みの我がこと化」「多職種との対話」「実践の習慣化」が『一人ひとりのwell-beingを高めるための答えなき深堀り思考』という新しい価値観や行動様式を創り職場を活性化させ、職員のやりがいの向上につながった。今後さらに法人一体となり実践を深め、多くの人のwell-beingを取り戻すことに寄与したいと考える。最後に株式会社TRAPEの鎌田さんはじめ本取り組みにご協力いただいた全ての皆様に感謝いたします。
VUCA時代と呼ばれ、先行き不透明で将来の予測が困難な状態である昨今、ワークライフバランス向上などを掲げ2018年に働き方改革関連法案が成立・交付された。同年、「チャレンジ2025」と銘打ち、職員がやりがいを持って働き続けられるような職場を作っていくため、外部と連携した自立支援の取り組みを開始した。6年半の実践を振り返り、実践の具体的内容とポイントについて若干の考察を加え報告する。
【目的】
人材育成において、実務経験からの学び(70%)、他者からの学び(20%)、研修・座学からの学び(10%)という比率で学習を進めるロミンガー社の70:20:10モデルを活用することが効果的であると報告されている。今回、外部と連携した自立支援の取り組みを実践し、70:20:10での学習効果を実感した。職員への意識調査を踏まえ取り組みを振り返り、成功の誘因を探ることで今後の人材育成の一助としたい。
【方法】
第1期:学び直し期
株式会社TRAPE(トラピ)にコンサルティングを依頼し、自立支援の基礎を学習するプログラムである『自立支援型思考リーダー育成プロジェクト』を開始した。法人内で選定したコアメンバーを対象とした研修6回、一般職員を対象とした研修6回の計12回の研修を実施し、介護保険の中心的概念である「自立支援」の本質についてしっかりと学び直した。
第2期:コーチングサービス導入期
TRAPEのオンライン人材開発型のコーチングサービス「club TRAPE」をスタートさせ、より実践的に対話を通じて学びを深めた。また年3回「Keisenセミナー」を開催し職員のアップデートを行った。法人内では主体的に自立支援を推進させるチームとして『生活期リハビリテーション推進チーム』を発足し、法人の自立支援の考え方をまとめた虎の巻を発刊し全職員に配布した。この期間は特にマネジメント層の育成に注視し、実践を積み重ねながらファシリテーターからフィードバックを受け、成功体験を得ることで自信を深めることにつなげた。
第3期:実践反復期
「club TRAPE」終了と同時に生活期リハビリテーションマネジメントシートの作成を開始し、利用者としっかり向き合い「think‐action‐learn」を繰り返し、利用者が自分にとって意味のあるwell-beingな日常生活を取り戻すことを徹底して追及し、臨床実践を可視化した。「Keisenセミナー」では、実践経験を語り合い、ディスカッションする中でさらに学びを深めた。
第4期:自走移行期
コンサルティング終了に向け、継続して取り組みを行っていくため組織の再編成を行った。現状の課題や今後の展望などを話し合い、新たに推進チームを立ち上げメンバーの選定を行った。中途採用者向けにも研修を導入し、組織の考え方をインストールする場を幅広く設けた。コンサルティング終了後に職員に取り組みに関する意識調査を実施した。
【結果】
結果、「取り組んで良かったか」非常に良かった+良かった90.8%、「やりがいにつながっているか」非常につながっている+つながっている75%、「専門性の向上につながっているか」非常につながっている+つながっている81.6%、「仕事の楽しさにつながっているか」非常につながっている+つながっている67.1%、「成長につながっているか」非常につながっている+つながっている82.9%、「利用者に効果はあるか」とても効果がある+効果がある92.1%といった満足度の高い回答であった。理由として、「スキルUPにつながった」「多職種での実践が良かった」「利用者の変化をとらえることができた」「考え方が変化した」「関わりの根拠をもつことにつながった」「働きやすい職場になった」「しっかりと利用者に向き合えるようになった」「考える習慣がついた」といった意見が多かった。
【考察】
職員の満足度が向上した理由は70:20:10モデルの学び方を効率的に活用できたことにあると考える。研修・座学での学びについて、初めて耳にするような横文字の単語などもあり理解が難しく感じる内容も自分たちの言葉として虎の巻にまとめ、我がこと化することで研修内容が机上の空論ではなくより身近なものとなり、主体性や責任感をもって能動的に行動することにつながり、共通言語で話せる環境は多職種間の対話機会を増大させ、更なる学びにつながったと考えられる。他者からの学びに関しては、「club TRAPE」で法人外の多職種と意見交換し、セミナーや事例報告会等で法人内の他施設職員と意見交換するなどさまざまな属性の人と対話する経験により、思考が固定化せず視座がひろがり、専門性のパラドックスに陥らず柔軟性が増したと考えられる。実務経験の学びとしては、事例演習で学びを深めたことを日常業務の中で徹底的に繰り返し行ったことにあると考える。本人の想いの聴き取りやchatworkを使用して情報共有を徹底し、行動の意味を深堀して考えることを習慣化させたことが、職員の行動変容につながり「考えること」「対話すること」が楽しいと感じるようになり、やりがいへとつながっていったのではないかと考える。
【まとめ】
本報告では、自立支援の取り組みで職員のやりがいがUPした成功の誘因を探り人材育成の一助とすることを目的とした。「取り組みの我がこと化」「多職種との対話」「実践の習慣化」が『一人ひとりのwell-beingを高めるための答えなき深堀り思考』という新しい価値観や行動様式を創り職場を活性化させ、職員のやりがいの向上につながった。今後さらに法人一体となり実践を深め、多くの人のwell-beingを取り戻すことに寄与したいと考える。最後に株式会社TRAPEの鎌田さんはじめ本取り組みにご協力いただいた全ての皆様に感謝いたします。
