講演情報
[28-O-A009-06]笑顔で「うんまいちゃー!!」~拒食からの全量摂取までの道のり~
富山県 ○一ノ谷 泉, 水上 穂高 (介護老人保健施設サンセリテ)
(はじめに)
当施設は、平成5年に開設され一般棟1・2階フロアにそれぞれ12名、50名、認知症専門棟3階フロアに50名の利用者が入所されている。通所リハビリの定員は20名であり、グループホームは18名の2ユニット併設している。
今回報告する事例は入所当初は自発性に乏しく、離床できず食思不振も強く、摂取量も少なかった。悲観的な言動も多く、介護にも非協力的であり、重度の褥瘡もみられた。その後、本人のペースに合わせて無理強いせずに介護を続けた結果、食事量も増加し、介護にも協力的になり、褥瘡も改善してきたので、その経過について報告する。
(事例紹介)
E氏:84歳 女性 要介護5
既往:アルツハイマー型認知症、低血圧、貧血
ADL状況(入所当初):障害高齢者の日常生活自立度:B2
認知症高齢者の日常生活自立度:4
長谷川式スケール:15点
MMST:21点
褥瘡の部位:仙骨部
(目的)
重度の褥瘡があり、食思不振も強く食事量も少なかったE氏に、生活リズムの改善、食事量の増加、褥瘡の改善をめざすことを目的として、支持的に無理強いせず介護を進めるように計画した。
(経過)
1週目
朝食は拒食。昼食は2割。夕食は5割。1日500ccを点滴した。褥瘡の状態について、大きさは4cm以上16cm未満。滲出液は中等量。深さは皮下組織まで損傷している。炎症・感染は、臨界的定着疑いで、創面にぬめりがあり、浸出液が多い。肉芽組織は、良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占めている。壊死組織はなかった。ポケットは、4cm以上16cm未満。褥瘡経過評価を使用して褥瘡の状態の評価は27点。発熱があり、仙骨部除圧のための体位交換枕をしていると、何度も「やめてほしい」とスタッフコール押して訴えた。体位交換枕を投げ捨てていることが多かったので、体位交換枕を中止して経過をみた。オムツの締め付けが気になり、スタッフコールを押し続けられたのでオムツのテープを緩めて本人の意思を尊重した。
2~3週目
朝食は拒食。昼食は3割。夕食は5割。1日500ccを点滴した。褥瘡の状態について、大きさは4cm以上16cm未満。滲出液は中等量。深さは皮下組織まで損傷している。炎症・感染は、臨界的定着疑いで、創面にぬめりがあり、浸出液が多い。肉芽組織は、良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占めている。壊死組織はなかった。ポケットは、4cm以上16cm未満。褥瘡経過評価を使用して、褥瘡の状態の評価は27点。
朝食の拒食が続いていた。家庭での朝食がパンとコーラだけという偏食だったために施設の朝食はいらないとのことであった。解熱してきて、昼食と夕食は離床して摂取していたが「食べさせてほしい」と言われた。そこで少しずつでも自己摂取を促すように対応した。また、本人も他利用者が摂取しているのをみて、自分で食べることへの意欲がみえてきた。食後すぐに居室に誘導した。
4~5週目
朝食は拒食。昼食は7割。夕食は8割。1日500ccを点滴した。摂取時にむせがみられ、ベット上で飲水している時、誤嚥したことがあった。本人はベット上での飲水をすると誤嚥するかもしれないと心配しており回診の際に、医師と看護師より、朝食も離床してみようと提案した。その次の日から、朝食も離床して食べることで、徐々に、離床リズムが定まってきて、全量食べられるようになった。
6週目以降
朝食は6割~8割。昼食は7割~10割。夕食は8割~10割。褥瘡の状態について、大きさは4cm未満で小さくはなってきたが、深さはある。滲出液は少量。深さは皮下組織を超える損傷している。炎症・感染は、局所の炎症徴候で、創周囲の発赤・腫脹・熱感・疼痛がある。肉芽組織は、良性肉芽が50%以上90%未満を占めている。壊死組織はない。ポケットは4cm未満。褥瘡経過評価を使用して、褥瘡の状態の評価は18点。飲水状況が改善し、ストロー付きマグカップから通常のマグカップで薄いトロミをつけて水分摂取することが可能になった。それに従って、離床してせんべいやクッキーなどのお菓子も食べられるようになった。息子さんの面会も1週間に1回のペースであった。笑顔をみせてくれることも増えた。
(考察)
入所当時は、食思不振で食事量もすくなく、介護抵抗もあった。離床時間が増え、食事量も増加したので褥瘡も改善し、令和7年7月現在は褥瘡の状態の評価は18点です。生活リズムが整い、笑顔もたくさん見せてくれ、冗談や職員を労う言葉をかけてくれるようになった。食事の時に「うんまいちゃー!!」と言ってくれたことが印象的であった。これからもE氏と密接に関わり、本人の意思を尊重して、食事摂取量をキープし離床時間も増やしていきたい。
当施設は、平成5年に開設され一般棟1・2階フロアにそれぞれ12名、50名、認知症専門棟3階フロアに50名の利用者が入所されている。通所リハビリの定員は20名であり、グループホームは18名の2ユニット併設している。
今回報告する事例は入所当初は自発性に乏しく、離床できず食思不振も強く、摂取量も少なかった。悲観的な言動も多く、介護にも非協力的であり、重度の褥瘡もみられた。その後、本人のペースに合わせて無理強いせずに介護を続けた結果、食事量も増加し、介護にも協力的になり、褥瘡も改善してきたので、その経過について報告する。
(事例紹介)
E氏:84歳 女性 要介護5
既往:アルツハイマー型認知症、低血圧、貧血
ADL状況(入所当初):障害高齢者の日常生活自立度:B2
認知症高齢者の日常生活自立度:4
長谷川式スケール:15点
MMST:21点
褥瘡の部位:仙骨部
(目的)
重度の褥瘡があり、食思不振も強く食事量も少なかったE氏に、生活リズムの改善、食事量の増加、褥瘡の改善をめざすことを目的として、支持的に無理強いせず介護を進めるように計画した。
(経過)
1週目
朝食は拒食。昼食は2割。夕食は5割。1日500ccを点滴した。褥瘡の状態について、大きさは4cm以上16cm未満。滲出液は中等量。深さは皮下組織まで損傷している。炎症・感染は、臨界的定着疑いで、創面にぬめりがあり、浸出液が多い。肉芽組織は、良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占めている。壊死組織はなかった。ポケットは、4cm以上16cm未満。褥瘡経過評価を使用して褥瘡の状態の評価は27点。発熱があり、仙骨部除圧のための体位交換枕をしていると、何度も「やめてほしい」とスタッフコール押して訴えた。体位交換枕を投げ捨てていることが多かったので、体位交換枕を中止して経過をみた。オムツの締め付けが気になり、スタッフコールを押し続けられたのでオムツのテープを緩めて本人の意思を尊重した。
2~3週目
朝食は拒食。昼食は3割。夕食は5割。1日500ccを点滴した。褥瘡の状態について、大きさは4cm以上16cm未満。滲出液は中等量。深さは皮下組織まで損傷している。炎症・感染は、臨界的定着疑いで、創面にぬめりがあり、浸出液が多い。肉芽組織は、良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占めている。壊死組織はなかった。ポケットは、4cm以上16cm未満。褥瘡経過評価を使用して、褥瘡の状態の評価は27点。
朝食の拒食が続いていた。家庭での朝食がパンとコーラだけという偏食だったために施設の朝食はいらないとのことであった。解熱してきて、昼食と夕食は離床して摂取していたが「食べさせてほしい」と言われた。そこで少しずつでも自己摂取を促すように対応した。また、本人も他利用者が摂取しているのをみて、自分で食べることへの意欲がみえてきた。食後すぐに居室に誘導した。
4~5週目
朝食は拒食。昼食は7割。夕食は8割。1日500ccを点滴した。摂取時にむせがみられ、ベット上で飲水している時、誤嚥したことがあった。本人はベット上での飲水をすると誤嚥するかもしれないと心配しており回診の際に、医師と看護師より、朝食も離床してみようと提案した。その次の日から、朝食も離床して食べることで、徐々に、離床リズムが定まってきて、全量食べられるようになった。
6週目以降
朝食は6割~8割。昼食は7割~10割。夕食は8割~10割。褥瘡の状態について、大きさは4cm未満で小さくはなってきたが、深さはある。滲出液は少量。深さは皮下組織を超える損傷している。炎症・感染は、局所の炎症徴候で、創周囲の発赤・腫脹・熱感・疼痛がある。肉芽組織は、良性肉芽が50%以上90%未満を占めている。壊死組織はない。ポケットは4cm未満。褥瘡経過評価を使用して、褥瘡の状態の評価は18点。飲水状況が改善し、ストロー付きマグカップから通常のマグカップで薄いトロミをつけて水分摂取することが可能になった。それに従って、離床してせんべいやクッキーなどのお菓子も食べられるようになった。息子さんの面会も1週間に1回のペースであった。笑顔をみせてくれることも増えた。
(考察)
入所当時は、食思不振で食事量もすくなく、介護抵抗もあった。離床時間が増え、食事量も増加したので褥瘡も改善し、令和7年7月現在は褥瘡の状態の評価は18点です。生活リズムが整い、笑顔もたくさん見せてくれ、冗談や職員を労う言葉をかけてくれるようになった。食事の時に「うんまいちゃー!!」と言ってくれたことが印象的であった。これからもE氏と密接に関わり、本人の意思を尊重して、食事摂取量をキープし離床時間も増やしていきたい。
