講演情報
[28-O-C005-01]より良い人生の最後を迎えるために私たちができること
佐賀県 ○宮城島 茉莉子, 瀧 こず恵, 本村 俊之, 木下 竜太郎 (老人保健施設きりん)
【はじめに】
介護老人施設は介護を要する高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すため多職種が連携して医療、看護、介護、リハビリテーションを提供する施設としてスタートした。しかし現在では社会的・身体的な理由で在宅復帰することがかなわず、施設で最期の時を迎えることも少なくない。今回私たちは今後も増えてくる“看取り”について改めて考察しその中で看取りに関するパンフレットを作成したので報告する。
【背景】
近年当施設では年間16人程の看取りを行っており、リハビリを行うも家庭の事情や本人の病状により在宅復帰がかなわず長期にわたる入所ののち施設で最期を迎えるケースが増えてきている。そのような状況の中で改めて入所者の看取りを振り返えると、本当に入所者と家族が納得のいく看取りが出来ているのか?“死”に対して家族との信頼関係が築けているか?スタッフ間での看取りに対する共通認識が出来ているのかという疑問が生じた。今回“看取り”について改めて考えることで、最期を迎えるまでに家族やスタッフ間でどのようなコミュニケーションとアプローチをすれば、よりよい“看取り”を提供できるのかを検討した。
【パンフレット作製】
スタッフ間で看取りについて共通認識が持てること、また家族にも看取りについてイメージがしやすいように“きりんで最期を迎えるために”というパンフレットを作成した。パンフレットの内容は、看取りについて死期が近づいているときの身体の変化、最期の時が近づいた時の対応、終活としての準備などをわかりやすく記載した。
【看取りの説明】
対象:食事量の減少や体重の減少、頻回の感染を繰り返し状態悪化をされている入所者や癌などで看取りを希望されて入所した人で3か月毎に行われるサービス担当者会議や入所時にすでに施設医より看取りについての話が行われている入所者とその家族。
説明の実際:サービス担当者会議後や家族面会時に、看護師や介護士、ケアマネジャーがパンフレットを使って看取りについて説明。その時に家族の希望や本人の希望を汲み取る。看取りに入ったら面会に来られない時もLINEを使って日々の様子を連絡することにした。
【家族の反応】
入所時及びサービス担当者会議(3か月毎)ですべての入所者家族に対しておおむねの看取りに関する話が施設医からされているためパンフレットの受け入れ自体は良好であった。パンフレットを渡して実際に文章化された内容を読まれ「心の準備は少しずつしているつもり」、「亡くなった時の着物も準備しています」「毎回面会に来られない時も連絡があってありがたい」など前向きな意見が多く聞かれた。
以前では対応に苦慮していた遠縁のキーパーソンも葬儀場を事前予約したりしたため亡くなった後もスムーズにお見送りすることができた。
施設からお見送りをする際に多くの家族が笑顔で出ていかれることが印象的だった。
【考察】
今回“看取り”を再考することで様々問題が浮き上がり、特にスタッフも含め入所者家族でも“死”に際してどような経過をとるのか、また看取りはどのような形で行いたいのかをある程度統一するツールとしてパンフレット作製は有効であった。
現時点ではパンフレットを使った看取りの説明の時間を明確には決めていないが、入所後比較的早期から介入することでもっと家族とのコミュニケーションがとれ、いずれ必ず訪れる死に対して前向きな対応ができるのではないかと考えている。しかし施設での最期を望まない家族や、死を受け入れられない家族に対しての説明はタイミングも含めて難しく今後どのようにしていくのか検討する必要性がある。
看取りの説明があった後多くの家族が面会や差し入れなどを行ってよい時間を個室で過ごされたこと、スタッフとのより良好なコミュニケーションを取れたことが笑顔で退所することに繋がったと思われた。
看取りとは直接関係ないが、お見送りの時間を夜間に亡くなっても日中に変更し、スタッフ一同でお見送りするようにしたことが家族の笑顔にもつながったのではないだろうか。
今後もより良い看取りが行えるように、入所に関わるすべてのスタッフが家族への声掛けや精神的なサポート、また亡くなる本人への身体的・精神的対応を含めた研修を行うべきだと考えている。まずは年に数回程度それまでに当施設で経験した看取りを振り返り、活発な意見を交わすことでより良い対応ができるようになるのではないか。
【まとめ】
今後も老健で人生の最期を迎える入所者は増加していくであろう。その中で私達は“死”や“看取り”に対する家族の理解の違いや、最期を迎えるまでにどのようなコミュニケーションやアプローチをすれば、より良い看取りを提供できるのかを考えなくてはいけない。今回作成したパンフレットというツールは、“看取り”や“死”に関して家族に対しても職員に対しても統一したイメージを持つことができ、残された時間を満足度の高い介護や面会の時間に変えることができた。“看取り”とは重要なお別れの儀式でありこれからも満足度の高い看取りができるように努力していきたい。
介護老人施設は介護を要する高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すため多職種が連携して医療、看護、介護、リハビリテーションを提供する施設としてスタートした。しかし現在では社会的・身体的な理由で在宅復帰することがかなわず、施設で最期の時を迎えることも少なくない。今回私たちは今後も増えてくる“看取り”について改めて考察しその中で看取りに関するパンフレットを作成したので報告する。
【背景】
近年当施設では年間16人程の看取りを行っており、リハビリを行うも家庭の事情や本人の病状により在宅復帰がかなわず長期にわたる入所ののち施設で最期を迎えるケースが増えてきている。そのような状況の中で改めて入所者の看取りを振り返えると、本当に入所者と家族が納得のいく看取りが出来ているのか?“死”に対して家族との信頼関係が築けているか?スタッフ間での看取りに対する共通認識が出来ているのかという疑問が生じた。今回“看取り”について改めて考えることで、最期を迎えるまでに家族やスタッフ間でどのようなコミュニケーションとアプローチをすれば、よりよい“看取り”を提供できるのかを検討した。
【パンフレット作製】
スタッフ間で看取りについて共通認識が持てること、また家族にも看取りについてイメージがしやすいように“きりんで最期を迎えるために”というパンフレットを作成した。パンフレットの内容は、看取りについて死期が近づいているときの身体の変化、最期の時が近づいた時の対応、終活としての準備などをわかりやすく記載した。
【看取りの説明】
対象:食事量の減少や体重の減少、頻回の感染を繰り返し状態悪化をされている入所者や癌などで看取りを希望されて入所した人で3か月毎に行われるサービス担当者会議や入所時にすでに施設医より看取りについての話が行われている入所者とその家族。
説明の実際:サービス担当者会議後や家族面会時に、看護師や介護士、ケアマネジャーがパンフレットを使って看取りについて説明。その時に家族の希望や本人の希望を汲み取る。看取りに入ったら面会に来られない時もLINEを使って日々の様子を連絡することにした。
【家族の反応】
入所時及びサービス担当者会議(3か月毎)ですべての入所者家族に対しておおむねの看取りに関する話が施設医からされているためパンフレットの受け入れ自体は良好であった。パンフレットを渡して実際に文章化された内容を読まれ「心の準備は少しずつしているつもり」、「亡くなった時の着物も準備しています」「毎回面会に来られない時も連絡があってありがたい」など前向きな意見が多く聞かれた。
以前では対応に苦慮していた遠縁のキーパーソンも葬儀場を事前予約したりしたため亡くなった後もスムーズにお見送りすることができた。
施設からお見送りをする際に多くの家族が笑顔で出ていかれることが印象的だった。
【考察】
今回“看取り”を再考することで様々問題が浮き上がり、特にスタッフも含め入所者家族でも“死”に際してどような経過をとるのか、また看取りはどのような形で行いたいのかをある程度統一するツールとしてパンフレット作製は有効であった。
現時点ではパンフレットを使った看取りの説明の時間を明確には決めていないが、入所後比較的早期から介入することでもっと家族とのコミュニケーションがとれ、いずれ必ず訪れる死に対して前向きな対応ができるのではないかと考えている。しかし施設での最期を望まない家族や、死を受け入れられない家族に対しての説明はタイミングも含めて難しく今後どのようにしていくのか検討する必要性がある。
看取りの説明があった後多くの家族が面会や差し入れなどを行ってよい時間を個室で過ごされたこと、スタッフとのより良好なコミュニケーションを取れたことが笑顔で退所することに繋がったと思われた。
看取りとは直接関係ないが、お見送りの時間を夜間に亡くなっても日中に変更し、スタッフ一同でお見送りするようにしたことが家族の笑顔にもつながったのではないだろうか。
今後もより良い看取りが行えるように、入所に関わるすべてのスタッフが家族への声掛けや精神的なサポート、また亡くなる本人への身体的・精神的対応を含めた研修を行うべきだと考えている。まずは年に数回程度それまでに当施設で経験した看取りを振り返り、活発な意見を交わすことでより良い対応ができるようになるのではないか。
【まとめ】
今後も老健で人生の最期を迎える入所者は増加していくであろう。その中で私達は“死”や“看取り”に対する家族の理解の違いや、最期を迎えるまでにどのようなコミュニケーションやアプローチをすれば、より良い看取りを提供できるのかを考えなくてはいけない。今回作成したパンフレットというツールは、“看取り”や“死”に関して家族に対しても職員に対しても統一したイメージを持つことができ、残された時間を満足度の高い介護や面会の時間に変えることができた。“看取り”とは重要なお別れの儀式でありこれからも満足度の高い看取りができるように努力していきたい。
