講演情報

[28-O-D007-06]メラビアンの法則から考える認知症高齢者との関わり方名前を認識する為のコミュニケーションのあり方

山口県 倉元 清美 (老人保健施設温泉の里)
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【はじめに】
 認知症高齢者との関わりの中で、同じ職員の名前だけ覚えている。同じ関わり方をしているのに、何度も伝えても覚えてないことがある。そこに疑問を感じ、印象付ける方法、良いコミュニケーションの取り方を検証し報告する。
【目的】
 メラビアンの法則を認知症高齢者に当てはめて検証し、コミュニケーションの取り方を考え、職員のコミュニケーション能力の向上、接遇についての見直しを行う。
【期間】
 6月中旬~8月上旬
【対象者】
 要介護度3~4 認知症高齢者自立度2a~3b
 年齢89歳~100歳 性別 女性4名 男性1名
【方法】
 メラビアンの法則を用いて検証を行う。
 a.一定期間の声かけで名前と顔が認識できるか判定
 b.ユニフォームの色、メガネなどで顔が認識できるか判定
 c.顔写真での判定
 d.録音データの声での判定
 aからdを基準に職員の顔と名前が一致するか調べる
 1.6月17日~6月24日
  朝・夕自分の名前を伝え声かけ、時間経過ごとに名前を認識できるかを調べる
 2.6月25日~7月1日
  歩行会話やスキンシップ。目線を合わせたり行動を連動したりする
 3.7月中旬メアビアンの法則aからdを認識できるかを判定
【結果】
 検証期間中退所者があり、5名から3名となった。名前を覚えてもらえていたのは、3名中1名だった。声かけは1度ではなく、ゆっくり声の大きさにも注意し、2度声をかけることで伝わりやすかった。眼鏡をつけていることは、強く印象を残すことができていた。録音データの声だけは、認識が難しく、視覚と声だと認識できた。
【まとめ】
 メラビアンの法則は「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」の割合で判断に影響を与えるという事をアバート・メラビアンが発見し提唱されている。非言語的コミュニケーションを介して対話(表情、聴く姿勢、スキンシップ、視線を合わせるなど)は、言葉を用いるコミュニケーション以上に相手に意識を傾ける必要があると考える。しかし、相手に近づきすぎると圧迫感や緊張感を与えてしまうので適度な距離を保ってコミュニケーションをとることが大切である。認知症が進行すると自発的な会話もなく体調不良を訴える事も難しくなるが、非言語的コミュニケーションを介して話をする事により相手の思いが伝わりやすくなる。言動と行動に一貫性を持たせ、丁寧な声かけをすることにより、相手に安心感を与え、信頼関係を築く事ができると考える。今回の検証でより良いコミュニケーションを取り、認知症高齢者に寄り添って介護していきたいと思う。