講演情報

[28-O-H001-05]「見える化でオムツゼロ!!」「DFreeと眠りスキャンを活用した夜間の排泄支援」

東京都 田代 純也, 福元 貴俊, 淡路 大貴, 川本 裕幸 (医療法人社団 健育会 介護老人保健施設 ライフサポートひなた)
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【はじめに】 当施設は1階が通所フロア、2階と3階が各フロア28名の合計56名の介護老人保健施設である。又、超強化型施設に分類されている。健育会グループでは排泄状態の改善に向けて全施設で取り組みを行っている。 排泄状態の改善に向けて取り組みは行っていたが、特に不定期な排泄や不穏時の頻回離床に対応するために、定時の巡視や声がけが行われているが、これが利用者の睡眠を妨げ、生活リズムの乱れや昼夜逆転を引き起こす要因となることも少なくない。そこで、当施設で運用開始したDFreeと眠りスキャンを使用してアプローチをしてみることにした。その結果、夜間のオムツを0にすることができた。ここに取り組み内容を報告する。【目的】夜間の排泄状態の改善【目標値】2025年6月時点での3階オムツ使用者0名と設定。2025年1月時点での3階の夜間オムツ使用者6名を対象に取り組みを始める。【方法】1 対象 入所ご利用者2 期間 2025年2月~2025年6月3 方法 (1)DFreeの使用エコー診断にも使われている超音波センサーを使用し、対象者の下腹部に装着、膀胱内の尿の溜まり具合をリアルタイムで計測し、10段階の数値で排尿のタイミングで事前に通知するデバイス。尿意を感じづらい方でもトイレでの排泄の回数を増加する事が出来て身体機能の維持や、QOLの向上に繋げる。(2)眠りスキャンの使用マットレスの下に設置したシート状のセンサーで、身体に何も装着することなく、利用者の体動(寝返り、呼吸、心拍、在離床など)を検知し、パソコンやタブレットに睡眠状態が映し出され、リアルタイムで把握できる見守り支援システム。利用者の生活リズムの改善や健康状態の把握が可能となる。測定したデータは睡眠日誌や呼吸日誌、心拍日誌として長期的に変動を記録、閲覧することが出来、体調変化の早期発見をすること可能となる。(3)毎月のフロア会議でのアセスメント会議の際の検討内容としては、1週間のDFreeと眠りスキャンのデータを基にフロア内でカンファレンス、アセスメントを行い、トイレ誘導時間、パットとアウターの見直しを行う。【結果】・2025年2月夜間オムツ使用者6名・2025年6月夜間オムツ使用者0名 目標達成(ケース1)日中希望時にトイレ誘導を行っており、バッド内失禁は無く、トイレでの自尿があるご利用者。夜間はオムツ使用、寝入ってしまうとパッド内失禁が多く見られて衣類汚染してしまう事もあった。1週間DFreeと眠りスキャンのデータを取り、胱内の尿の溜まり具合を把握、膀胱内の尿が溜まり、1番睡眠状態が浅くなるタイミングでトイレ誘導を行うことでトイレでの自尿を獲得することが出来、その後の睡眠状態にも影響することがなかった。徐々に自身でトイレを希望されるようになり、現在では失禁もなく、オムツから布パンツへの移行を達成した。(ケース2)日中定時でトイレ誘導を行っており、尿意が無くパッド内失禁がほとんどでトイレでの自尿がほぼ無かった方。夜間はオムツ使用、定時で交換を行っていたが尿量が多く、衣類汚染してしまう事もあった。1週間DFreeと眠りスキャンのデータを取り、胱内の尿の溜まり具合を把握、膀胱内の尿が溜まり、1番睡眠状態が浅くなるタイミングでトイレ誘導を行うことでトイレでの自尿を獲得した。その後の睡眠状態にも影響することなくオムツを外す事が出来た。【考察】 Dfreeと眠りスキャンの併用により、排泄と睡眠という異なる生理的活動を統合的にモニタリングし、個々のご利用者に最適なタイミングでのケア提供が可能となった。「最初は不安だったけど、オムツが無くなって気持ち良い。」「トイレに行けるようになって良かった。早くやれば良かった」とクレームにも繋がることなく、喜びの声も聞くことができており、オムツ使用時に聞かれていた、かゆみなどの皮膚トラブルも多数改善がみられた。自立支援と快適な生活の両面からのアプローチが重要で、ご利用者の排泄パターンを把握して適切なタイミングでの介助、排泄ケア用品を選択する事で排泄においてのQOL向上に繋げられた。また、毎月のフロア会議で検討をすることで、ご利用者がその人らしく生活していくためにはどうすれば良いか、スタッフから積極的な意見を聞くことができており、意識の向上にも繋がった。しかし、この取り組みに意欲的ではないご利用者に対するアプローチや正確なデータを取る上で、1人あたりのかかった時間を減らしていく事が今後の課題となった。 【まとめ】「DFree」「眠りスキャン」「チームアセスメント」の3要素を組み合わせることで、排泄支援の効果を最大限に高めることが可能であった。夜間のオムツ使用0人という目標も達成され、ご利用者の尊厳とQOLの向上に貢献できた。今後も本取り組みを継続・発展させながら、「その人らしい生活」の実現に向けた支援を強化していきたい。