講演情報
[28-O-H003-01]排泄ケアの見直しによる生産性向上の取り組み
広島県 ○チャン ティホアンアン (介護老人保健施設パナケイア)
【はじめに】
当施設では、多職種協動による委員会活動を通して、職場環境の改善や職員教育を目的とした取り組みを行っている。その中で私は排泄委員として、排泄ケアの質の向上を目的とした活動に取り組んできた。以前はパッドの重ね使いや濡れタオルによる拭き取りなどが主流であったが、入所者の皮膚に赤みやかぶれが頻発していた。オムツ交換の頻度を増やすなどの対応も試みたが、十分な改善は得られず、委員会に問題提起を行った。
【実施方法】
改善活動は以下のステップで実施した。
1.専門職(業者)による勉強会の実施
製品の種類、適切なオムツの当て方、皮膚保護の基本などを学び、全職員の知識レベルを統一
2.排泄アセスメントの実施
排泄委員だけでなく、各入所者の受け持ち職員がアセスメント表を作成。尿測・体位・皮膚状態・活動性・夜間の排尿傾向などを総合的に評価
3. 個別ケアの導入
評価に基づき、一人ひとりに適した製品・サイズ・使用時間帯を選定し、装着方法を職員間で共有
4. 実施後の検証と改善
使用状況を記録・観察し、問題があれば業者・委員会と連携し再選定。尿便意の訴えが困難な入所者については、皮膚状態の変化、交換時の状況(パッドの濡れ具合・漏れの有無)、夜間の睡眠状況などから間接的に快適性を評価
5. コスト意識の定着
過剰な製品使用を見直し、最適なコストパフォーマンスとなるよう意識付けを行う。
【結果】
・個別ケア導入後、皮膚トラブル件数が前月比で約30%減少
・夜間の交換回数を減らせたケースでは、安眠を妨げず睡眠の質向上に寄与
・交換回数が平均1.2回/日減少し、1人あたり1日3-5分の作業短縮
・製品の重ね使いを廃止することで、パッド使用枚数の削減につながり、コストも月単位で約10%減少
・受け持ち職員が中心となることで、アセスメント力が向上し、チーム全体でケアの共有ができた。
【考察】
従来の「パッドを厚く・多く当てる」排泄ケアを、「入所者個々の状態に合った適正な方法」へと転換したことは、入所者・職員双方にとって多くの利点をもたらした。特に、訴えの少ない寝たきりの方や認知症高齢者に対しては、皮膚状態や使用済みパッドの状態など「非言語的情報」を手がかりとした評価が重要だった。また、受け持ち職員がアセスメントを担ったことで、個別性の高い情報が得られやすくなり、職員全体に排泄ケアの重要性が浸透したことも大きな成果である。
コスト面においては、旧来の安価なオムツと比較して、新しい製品は一見コストが高く感じられるが、吸収力や通気性、装着のしやすさなどに優れており、結果的に交換回数の削減や皮膚トラブルの予防につながった。無駄な製品使用や頻回の交換による業務負担を考慮すれば、総合的なコストパフォーマンスはむしろ向上している。今後は「価格」だけでなく「利便性」や「生産性」も含めた視点で、ケア製品の選定を行う必要があると考える。
【まとめ】
今回の取り組みにより、以下の成果が得られた。
1. 全職員が関わる排泄アセスメント体制の構築
2. 入所者の状態に合わせた個別ケアの徹底
3. 皮膚トラブル・交換回数の減少による生産性向上
4. 無駄な製品使用の削減とコスト意識の定着
5. 寝たきり・認知症者への非言語的評価の重要性の認識
今後も継続的にアセスメントと改善を重ね、「誰でも、いつでも、どの利用者にも、同じ質のケアを提供できる」体制を目指していく。
当施設では、多職種協動による委員会活動を通して、職場環境の改善や職員教育を目的とした取り組みを行っている。その中で私は排泄委員として、排泄ケアの質の向上を目的とした活動に取り組んできた。以前はパッドの重ね使いや濡れタオルによる拭き取りなどが主流であったが、入所者の皮膚に赤みやかぶれが頻発していた。オムツ交換の頻度を増やすなどの対応も試みたが、十分な改善は得られず、委員会に問題提起を行った。
【実施方法】
改善活動は以下のステップで実施した。
1.専門職(業者)による勉強会の実施
製品の種類、適切なオムツの当て方、皮膚保護の基本などを学び、全職員の知識レベルを統一
2.排泄アセスメントの実施
排泄委員だけでなく、各入所者の受け持ち職員がアセスメント表を作成。尿測・体位・皮膚状態・活動性・夜間の排尿傾向などを総合的に評価
3. 個別ケアの導入
評価に基づき、一人ひとりに適した製品・サイズ・使用時間帯を選定し、装着方法を職員間で共有
4. 実施後の検証と改善
使用状況を記録・観察し、問題があれば業者・委員会と連携し再選定。尿便意の訴えが困難な入所者については、皮膚状態の変化、交換時の状況(パッドの濡れ具合・漏れの有無)、夜間の睡眠状況などから間接的に快適性を評価
5. コスト意識の定着
過剰な製品使用を見直し、最適なコストパフォーマンスとなるよう意識付けを行う。
【結果】
・個別ケア導入後、皮膚トラブル件数が前月比で約30%減少
・夜間の交換回数を減らせたケースでは、安眠を妨げず睡眠の質向上に寄与
・交換回数が平均1.2回/日減少し、1人あたり1日3-5分の作業短縮
・製品の重ね使いを廃止することで、パッド使用枚数の削減につながり、コストも月単位で約10%減少
・受け持ち職員が中心となることで、アセスメント力が向上し、チーム全体でケアの共有ができた。
【考察】
従来の「パッドを厚く・多く当てる」排泄ケアを、「入所者個々の状態に合った適正な方法」へと転換したことは、入所者・職員双方にとって多くの利点をもたらした。特に、訴えの少ない寝たきりの方や認知症高齢者に対しては、皮膚状態や使用済みパッドの状態など「非言語的情報」を手がかりとした評価が重要だった。また、受け持ち職員がアセスメントを担ったことで、個別性の高い情報が得られやすくなり、職員全体に排泄ケアの重要性が浸透したことも大きな成果である。
コスト面においては、旧来の安価なオムツと比較して、新しい製品は一見コストが高く感じられるが、吸収力や通気性、装着のしやすさなどに優れており、結果的に交換回数の削減や皮膚トラブルの予防につながった。無駄な製品使用や頻回の交換による業務負担を考慮すれば、総合的なコストパフォーマンスはむしろ向上している。今後は「価格」だけでなく「利便性」や「生産性」も含めた視点で、ケア製品の選定を行う必要があると考える。
【まとめ】
今回の取り組みにより、以下の成果が得られた。
1. 全職員が関わる排泄アセスメント体制の構築
2. 入所者の状態に合わせた個別ケアの徹底
3. 皮膚トラブル・交換回数の減少による生産性向上
4. 無駄な製品使用の削減とコスト意識の定着
5. 寝たきり・認知症者への非言語的評価の重要性の認識
今後も継続的にアセスメントと改善を重ね、「誰でも、いつでも、どの利用者にも、同じ質のケアを提供できる」体制を目指していく。
