講演情報

[28-O-H003-04]経管栄養関連下痢とPHGGの有効性に関する報告さよなら流れるうんち・おかえり素敵なうんち

奈良県 岡本 恭子, 加藤 まゆみ, 丸岡 裕美, 下坂 美也, 緒賀 貴郁, 林 尚都 (介護老人保健施設 まきむく草庵)
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【はじめに】
当施設では現在、経管栄養の方が6名、その内5名は液体タイプ、1名は半固形タイプの流動食を使用している。排便状況においては下剤と浣腸を使用し下痢と便秘をくりかえし、特に朝方の下痢の発生時は、スキントラブルの原因にもなり、また、多忙な時間帯に衣類の更衣やシーツを交換する場面が発生し業務の負担を感じているスタッフもいる。
「PHGG」(部分加水分解グアーガムは高発酵性の水溶性食物繊維)の生理作用は多岐にわたり、腸内環境の改善、排便コントロール、血糖コントロールなどが報告されており※1、排便状況の改善ができるのではないかと思い、今回、PHGG配合の高濃度流動食に変更し、一定の効果がみられた為ここに報告する。
【目的】
当施設採用の高濃度流動食(液体)アイソカル2KNEO(400kcal/200ml)からPHGG配合の高濃度流動食アイソカルサポート(400kcal/267ml)に変更し、投与カロリーは変更前と同様とする。
高濃度流動食を変更後の排便状況の変化と波及効果を検証する。
【方法】
液体タイプ経管栄養対象者5名の排便回数、ブリストルスケール(以下BS)を用いた便性状や量の記録
排尿量の確認
下痢による衣類やシーツの交換頻度の確認
下剤や浣腸の処置の頻度
【調査期間】
10週間 (2025/4/21~2025/6/29)
【結果】
1)排便状況について5名の内4名は3週目からBS7(下痢)の回数が徐々に減少がみられ、BS5の回数が増加している。また、C氏、E氏については8週目からBS4の排便が見られている。D氏についてはBS6が増加しBS5も見られるが、BS7の頻度は変化が見られない。また、グラフには表示していないが、便の色について5名の方が概ねコロッケ様の色であった。今回は匂いに関しての記録はしていないが、以前の下痢の時には酸性の強い匂いを感じていたが、アイソカルサポートに変更後は匂いが気にならないように感じるとの報告がある。 
2)排尿量についてバルーンカテーテルを留置している4名の排尿量からわかったことは、BS7(下痢)の日の排尿量がそれ以外の日より減少しているというデータは示されなかったが、3名の方はBS7の減少とともに、全体的な排尿量が50ml~100mlの増加があったと考えられる。
3)下剤や処置の頻度について下剤の頻度に関しては流動食変更後も大きく変化はしていない。理由としては排便コントロールの下剤投与ルールの見直しをしていなかった為である。また、水様便から有形便に変化したことで便秘傾向になってきたため、座薬や浣腸などの処置の回数が増加したと考えられる。 
4)衣類やシーツ交換の頻度介護スタッフからの報告では、流動食変更後に下痢の頻度が減少したことで、衣類の汚染による更衣回数が減少、また、便の形状が有形になったことで、ふき取りが容易になり、排便処理の時間が短縮されたとのことで、業務負担が軽減されたと考えられる。
【まとめ】
今回PHGG配合の高濃度流動食に変更したことで、腸内環境が整えられ、便の性状が良くなり、下痢の回数が改善されたと考えられる。
また、下痢が解消され、排尿量も増加しているということは、腸管の水分調節が適切になったことを意味するのではないかと考える。
便性状が有形化されることで、ふき取りが容易になり、衣類やシーツの汚染が減少したことで業務負担が軽減されている。
これらのことから、経管栄養関連下痢に対してPHGG配合の栄養剤の使用が有効であったと考えられる。
しかし、今回の流動食変更に伴い、便性状が改善されない方もいたため、今後も看護師と連携し、栄養量や水分量を調節し、便性状の改善や下剤投与、処置等の排便コントロールの見直しも併せて検討する必要がある。

引用文献※1.サンファイバー|医療・介護従事者向けサイト「taiyo-medi.com」