講演情報

[28-O-H003-08]CST活動導入後の報告(1)~利用者と職員の視点~

神奈川県 日向 強, 鈴木 和子, 安山 千代子 (介護老人保健施設レストア横浜)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】
 排泄ケアの質向上を目指してCST活動導入した結果、利用者と職員にとっての価値を考える。
【取り組み内容】
 当施設の療養部では、利用者の方々の尊厳・自立・快適性・根拠あるケアを目的にコンチネンスケアを導入し、CST(コンチネンスサポートチーム)活動を2022年10月から開始した。その導入経緯を2023年の第34回全国介護老人保健施設大会で報告した。この発表の最後に、「コンチネンスケアで目指したい成果指標(4項目)」に向けて取り組む事を報告した。
 今回、当部署の約3年間の活動から、利用者の視点で「アセスメントに基づくケア、羞恥心に配慮したケア、快適性、睡眠の質の向上」について活動評価し利用者の方にとっての価値について考えた。また、職員(介護・看護)の視点で「アセスメントに基づくケア、問題発見・解決能力の向上、根拠に基づくケア、利用者中心の思考」について活動評価し職員にとっての価値について考えたので報告する。
 2022年7月から10月に各部署の委員を対象に、コンチネンスケア導入の経緯や目的、委員の役割や製品について、更にアセスメントから計画・実践・記録・評価方法などについて研修や演習が繰り返された。講義を通して委員自らが正しい知識を得て、更に部署に正確に説明できるように委員同士でプレゼンテーションを行い、部署での説明に当たった。おむつの当て方も繰り返し演習を受け委員同士での演習を行ってきた。こうして委員として教育や演習を受けて部署での推進役として取り組んできた。部署での経過報告や問題提議の場所としてCST会議があり、製品や当て方や、漏れなどの問題に関しては毎月実施されるCSTラウンドを活用して問題解決にあたってきた。
 この3年近い活動評価として、利用者の視点では「アセスメントに基づくケア」に対しては(アセスメント⇒パターン表⇒排泄観察実施表への記録⇒評価)というPDCAサイクルを回し根拠に基づいてケアが重要と考え取り組んできた。その中で職員からの抵抗が強かったのは、排泄観察実施表への記録であった。忙しいなかで排泄交換ごとに記録していくことが負担であるという意見が当初多く聞かれた。しかし、記録が自分たちの実践証明でありアセスメントの指標になることを繰り返し説明していき3か月後に理解を得られるようになった。また、CST会議でも記録の効率化に向けて検討が行われた。このPDCAサイクルを回していくことが個別性に繋がることも理解されてきた。アセスメントすることで個々の排泄パターンに応じた交換となり時間で交換していた時より羞恥心への配慮もできていた。また、インジケータで交換ラインが表示されることで不必要なおむつ確認が減り、これも羞恥心への配慮に繋がった。日中と夜間帯の尿量に応じたオムツ製品の選択で、夜間帯の安眠にも繋がった。快適性では、利用者の方から「動きやすい」「快適」という声を直接聞くこともあった。職員にとっても、当初は記録や製品の特長になじめず1~2か月は不満も聴かれていた。このことに対しては、繰り返し説明していくことや見直しなど行い理解を得られてきた。排泄を通して、慣習ではなく排泄観察実施表からアセスメントしていくことや尿量を実測して評価していくなど、職員の問題解決能力は向上していったと考える。排便量に応じた製品の選択などの力もついてきている。
 この3年近い活動を通して、CST活動は浸透し利用者の方や職員にとっての価値も得られ、CST導入の目的達成に向けて浸透していると考える。課題としては、記録漏れが多少あることと、尿漏れは手技が原因であるがサイズを変更してしまう傾向がある点である。今後も、課題解決に向けて取り組み、導入目的の浸透を図っていきたい。