講演情報
[28-O-H004-05]排泄ケアの質向上を目指して
神奈川県 ○松田 由衣 (医療法人社団協友会 介護老人保健施設ハートケア左近山)
ハートケア左近山
○中林 未央(介)・橋本 由美子(介)・松田 由衣(介)
はじめに
1階では、ほとんどの利用者がリハビリパンツ・オムツ・パッドを使用している。サイズの選定は、『見た目』や『入所時に使用していたものを継続使用』するなど、基準が曖昧であった。また、尿漏れの心配から大きめのパッドを使用したり、一度に複数枚のパッドを使用することがあった。その為、吸収可能量の半分に満たないパッドを捨てることも多々あり、使い過ぎているように感じていた。
昨年度よりオムツメーカーによる勉強会が実施され、高齢者の排泄の特徴や、施設で使用しているリハビリパンツ・オムツ・パッドの特徴について学ぶ機会があった。しかしながら、その内容が実際のケアに活かせていないと感じ、今回の研究に取り組むことにしたためここに報告する。
【研究目的】
1.職員全体の排泄ケアに関する意識向上及び排泄技術の向上
2.誰でも利用者個々に合ったオムツ・パッドを選定できる
3.利用者の変化に合わせて定期的なパッドカンファレンスを実施し、適切に変更・検討ができるようになる
【研究方法】
研究期間:2024年8月1日~12月31日
対象者:1階 介護職員
研究方法
1.勉強会の実施
排泄に関するアンケート・小テストを実施し、結果に基づいた内容の勉強会をメーカーに依頼、実施する
2.パッド・オムツの選定
・利用者のウエスト・ヒップサイズを測定し、適切なリハビリパンツ、オムツを選定する
・パッド使用者の尿測を行い、適切なパッドを選定すると共にオムツの方の交換回数を検討、変更する
・実際に選定したリハビリパンツ・オムツ・パッドを使用し、前後での変化を観察する
3.パッドカンファレンスの実施
パッドカンファレンスの実施方法を周知し、定期的に実施する
【結果】
研究前は、リハビリパンツ・オムツのサイズの決め方は『見た目に合わせている』が57%、『入所時使用していたものを継続している』が14%だったが、研究後は『カンファレンスをして決めた』が54%となった。
パッドの種類の決め方は『本人の尿量に合わせている』が64%と割合が最も多かったが、尿測をしていると回答した職員はいなかった。研究後は『カンファレンスをして決めた』が50%となり、実際に尿測したという回答も見られた。
現在使用しているリハビリパンツ・オムツ・パッドが利用者にとって適切かといった質問には、『はい』が42%から92%に向上。研究後、排泄に対する意識が変わったかという質問には100%が『はい』と回答した。
小テストは下記の設問を研究前後に同じ内容で実施した。
・オムツのサイズはどこで測るか
・リハビリパンツのサイズはどこで測るか
・1日の排尿量はどれくらいか
・高齢者の1回分の排尿量は
・青パッドの吸収量は何mlか
結果、研究後は全ての正答率が上がり、中でもオムツやリハビリパンツのサイズ測定方法、パッド吸収率の正答率が上がった。
利用者のサイズ測定・尿測を行った結果、下記のように変更した。
リハビリパンツサイズ変更:28名中5名
オムツサイズ変更:24名中1名
パッドサイズ変更:
39名中 14名(日中)/16名(夜間)
オムツ交換回数:平均6回→4回
パッドカンファレンスに関しては定期的に実施するようになり、研究後は様々な職員からの提案が増え、変更の際にしっかりとした理由づけができるようになった。
当初は順調だったが、次第にオムツまで汚染することが多くなった利用者が見られるようになった。また、使用パッドを統一するためにパッド早見表を作成したが、選定したパッドと異なるパッドを使用する職員もおり、完全な統一には至らなかった。
【考察】
取り組みの中で尿測を行ったことで、利用者個々の排泄パターンや排尿量を把握でき、適切なパットを選定し使用することができた。勉強会で実技を含めたオムツの当て方を学び統一できたと推測され、職員の意識改革に繋がった。
パッド変更により漏れの見られた原因として(1)オムツ弄りにより漏れが生じた(2)季節やADLの変化により尿量が増えた(3)オムツの交換回数が減少し水様便の際に衣類まで汚染してしまった、といった点が考えられ、今後検討を重ねていく必要性がある。またパッドの使用統一ができなかった原因は(1)パッド早見表をパソコンで作成していたため、操作の苦手な職員が更新できなかった。(2)漏れの不安が解消されず、選定したものより大きいパッドを使用してしまう、といった点が挙げられる。
【結論】
今回の研究では職員の排泄ケアに関する意識や技術が向上し、目的は達成された。
しかし、時間の経過と共に知識が薄れ、継続できているとは言い難い状況にある。
今後の課題として、パッド変更後の再カンファレンスの定着や便失禁による尿漏れの対応等が挙げられる。
知識や技術の向上のためには継続的な取り組みを行っていくことが大切である。今後も定期的な勉強会の実施や、オムツの当て方、使用パッドの見直しを行い、職員全体の排泄ケアの知識・技術の向上を図っていきたい。
○中林 未央(介)・橋本 由美子(介)・松田 由衣(介)
はじめに
1階では、ほとんどの利用者がリハビリパンツ・オムツ・パッドを使用している。サイズの選定は、『見た目』や『入所時に使用していたものを継続使用』するなど、基準が曖昧であった。また、尿漏れの心配から大きめのパッドを使用したり、一度に複数枚のパッドを使用することがあった。その為、吸収可能量の半分に満たないパッドを捨てることも多々あり、使い過ぎているように感じていた。
昨年度よりオムツメーカーによる勉強会が実施され、高齢者の排泄の特徴や、施設で使用しているリハビリパンツ・オムツ・パッドの特徴について学ぶ機会があった。しかしながら、その内容が実際のケアに活かせていないと感じ、今回の研究に取り組むことにしたためここに報告する。
【研究目的】
1.職員全体の排泄ケアに関する意識向上及び排泄技術の向上
2.誰でも利用者個々に合ったオムツ・パッドを選定できる
3.利用者の変化に合わせて定期的なパッドカンファレンスを実施し、適切に変更・検討ができるようになる
【研究方法】
研究期間:2024年8月1日~12月31日
対象者:1階 介護職員
研究方法
1.勉強会の実施
排泄に関するアンケート・小テストを実施し、結果に基づいた内容の勉強会をメーカーに依頼、実施する
2.パッド・オムツの選定
・利用者のウエスト・ヒップサイズを測定し、適切なリハビリパンツ、オムツを選定する
・パッド使用者の尿測を行い、適切なパッドを選定すると共にオムツの方の交換回数を検討、変更する
・実際に選定したリハビリパンツ・オムツ・パッドを使用し、前後での変化を観察する
3.パッドカンファレンスの実施
パッドカンファレンスの実施方法を周知し、定期的に実施する
【結果】
研究前は、リハビリパンツ・オムツのサイズの決め方は『見た目に合わせている』が57%、『入所時使用していたものを継続している』が14%だったが、研究後は『カンファレンスをして決めた』が54%となった。
パッドの種類の決め方は『本人の尿量に合わせている』が64%と割合が最も多かったが、尿測をしていると回答した職員はいなかった。研究後は『カンファレンスをして決めた』が50%となり、実際に尿測したという回答も見られた。
現在使用しているリハビリパンツ・オムツ・パッドが利用者にとって適切かといった質問には、『はい』が42%から92%に向上。研究後、排泄に対する意識が変わったかという質問には100%が『はい』と回答した。
小テストは下記の設問を研究前後に同じ内容で実施した。
・オムツのサイズはどこで測るか
・リハビリパンツのサイズはどこで測るか
・1日の排尿量はどれくらいか
・高齢者の1回分の排尿量は
・青パッドの吸収量は何mlか
結果、研究後は全ての正答率が上がり、中でもオムツやリハビリパンツのサイズ測定方法、パッド吸収率の正答率が上がった。
利用者のサイズ測定・尿測を行った結果、下記のように変更した。
リハビリパンツサイズ変更:28名中5名
オムツサイズ変更:24名中1名
パッドサイズ変更:
39名中 14名(日中)/16名(夜間)
オムツ交換回数:平均6回→4回
パッドカンファレンスに関しては定期的に実施するようになり、研究後は様々な職員からの提案が増え、変更の際にしっかりとした理由づけができるようになった。
当初は順調だったが、次第にオムツまで汚染することが多くなった利用者が見られるようになった。また、使用パッドを統一するためにパッド早見表を作成したが、選定したパッドと異なるパッドを使用する職員もおり、完全な統一には至らなかった。
【考察】
取り組みの中で尿測を行ったことで、利用者個々の排泄パターンや排尿量を把握でき、適切なパットを選定し使用することができた。勉強会で実技を含めたオムツの当て方を学び統一できたと推測され、職員の意識改革に繋がった。
パッド変更により漏れの見られた原因として(1)オムツ弄りにより漏れが生じた(2)季節やADLの変化により尿量が増えた(3)オムツの交換回数が減少し水様便の際に衣類まで汚染してしまった、といった点が考えられ、今後検討を重ねていく必要性がある。またパッドの使用統一ができなかった原因は(1)パッド早見表をパソコンで作成していたため、操作の苦手な職員が更新できなかった。(2)漏れの不安が解消されず、選定したものより大きいパッドを使用してしまう、といった点が挙げられる。
【結論】
今回の研究では職員の排泄ケアに関する意識や技術が向上し、目的は達成された。
しかし、時間の経過と共に知識が薄れ、継続できているとは言い難い状況にある。
今後の課題として、パッド変更後の再カンファレンスの定着や便失禁による尿漏れの対応等が挙げられる。
知識や技術の向上のためには継続的な取り組みを行っていくことが大切である。今後も定期的な勉強会の実施や、オムツの当て方、使用パッドの見直しを行い、職員全体の排泄ケアの知識・技術の向上を図っていきたい。
