講演情報
[28-O-H004-08]排泄ケアを通して寄り添った介護の実践
静岡県 ○有賀 大介 (焼津ケアセンター)
【はじめに】
一人ひとりに寄り添った介護とは、高齢者や障害を持つ方々の気持ちや状況を理解し、共感しながら、その人らしい生活をサポートすることである。今回の事例においては、排泄時に座位をとることが困難なため、自宅ではオムツでの排泄、さらに排泄回数を軽減するために食事や水分摂取量を減らしていた。このような状況の中で利用者の思いを受け止め、安心してトイレで排泄ができるように介護・リハビリ両面から利用者に寄り添い、実践したことを報告する。
【事例概要】
Aさん 79歳 女性 通所リハビリを利用。
既往歴:左変形性股関節症 左大腿骨転子下骨折 2型糖尿病 高血圧 乳癌
介護度:要介護3
寝たきり度:B2
認知度:自立
移動:車椅子(自走可)
移乗:見守り
排泄:尿便意あり リハビリパンツ+パット(通所利用時) 自宅ではオムツ使用 要着脱介助
利用日:3回/週
【介護の展開】
通所リハビリを利用時、Aさんに接していく中で、食事や水分を摂ることを自分で制限されている様子や、トイレ誘導の声掛けに拒否される様子が見られた。話を聞くと、「トイレに座れないから家ではオムツだし、回数が多くなると家族に迷惑をかけることになるから」ということが聞かれた。
リハビリにてトイレ動作を確認してみたところ、トイレでの移動の動作が不安定で介助を要すること、うまく便座に座れないことなどでトイレでの排泄に不安があり、拒否につながっていたのではないかと考えられた。職員間で話し合い『安心してトイレでの排泄ができる』という目標を立て、介護実践を行った。
1.トイレを気にせず食事・水分摂取をしていただくよう声かけを行い、トイレ誘導をする。
2.安全に便座に座り排泄ができるよう、2人体制での排泄介助を行う。
まず上記2点に重点を置き実施し、トイレでの排泄が介助でできるようになった。
職員がトイレ誘導の声をかけると、Aさんは笑顔をみせてくれるようになり、食事や水分摂取も気兼ねなく摂れるようになった。
トイレでの排泄時、股関節の可動域に制限があり、十分に足が曲がらず便器から尿が漏れてしまうことがあり、Aさんはトイレを汚してしまうことを気にされていた。そこで、家族に協力を依頼し、便器との間にパットを当て、漏れた尿をキャッチすることで、トイレを汚さずに排泄することができるようになった。
その後、リハビリを進めた結果、Aさんは排泄をほぼ自立して行えるようになり、自宅でもトイレを使用した排泄が可能となった。
【考察】
通所リハビリでは、毎日利用者と接することはなく、利用日のみとなるため継続したケアを行うことは難しい。しかし、利用者との会話からご本人の気持ちを受け止め、利用者ご本人、家族、職員間で共有したことで目標をたてることができた。介護実践の中で、まずは2人体制で介助を行い、安全に排泄ができる環境を整えることによってトイレでの排泄を促し、トイレで排泄できたという成功体験が不安を軽減し、安心感を与えることができた。また、便器からの尿もれを防ぐためにパットを使用するなどの工夫が、トイレを汚してしまうという不快感や羞恥心を取り除き、自分はできるといった自信につながったと考える。そしてその自信がリハビリの意欲につながり、自宅でも排泄の自立を達成することができた。一人ひとりに寄り添った介護は、高齢者の方々が、より自分らしく、尊厳を持って生活するために必要であり、介護士として常に相手の立場になって考え、誠意、優しさをもって接することが大切だと考える。
【おわりに】
通所リハビリでは自宅と施設の送迎があり、家族とのコミュニケーションがとりやすいといった特徴がある。利用者ご本人とご家族両方の気持ちを確認でき、自宅での様子もふまえて目標に合わせた対策を行うことができる。今後も利用者一人ひとりの気持ちに応えられるような寄り添う介護をしていきたい。
一人ひとりに寄り添った介護とは、高齢者や障害を持つ方々の気持ちや状況を理解し、共感しながら、その人らしい生活をサポートすることである。今回の事例においては、排泄時に座位をとることが困難なため、自宅ではオムツでの排泄、さらに排泄回数を軽減するために食事や水分摂取量を減らしていた。このような状況の中で利用者の思いを受け止め、安心してトイレで排泄ができるように介護・リハビリ両面から利用者に寄り添い、実践したことを報告する。
【事例概要】
Aさん 79歳 女性 通所リハビリを利用。
既往歴:左変形性股関節症 左大腿骨転子下骨折 2型糖尿病 高血圧 乳癌
介護度:要介護3
寝たきり度:B2
認知度:自立
移動:車椅子(自走可)
移乗:見守り
排泄:尿便意あり リハビリパンツ+パット(通所利用時) 自宅ではオムツ使用 要着脱介助
利用日:3回/週
【介護の展開】
通所リハビリを利用時、Aさんに接していく中で、食事や水分を摂ることを自分で制限されている様子や、トイレ誘導の声掛けに拒否される様子が見られた。話を聞くと、「トイレに座れないから家ではオムツだし、回数が多くなると家族に迷惑をかけることになるから」ということが聞かれた。
リハビリにてトイレ動作を確認してみたところ、トイレでの移動の動作が不安定で介助を要すること、うまく便座に座れないことなどでトイレでの排泄に不安があり、拒否につながっていたのではないかと考えられた。職員間で話し合い『安心してトイレでの排泄ができる』という目標を立て、介護実践を行った。
1.トイレを気にせず食事・水分摂取をしていただくよう声かけを行い、トイレ誘導をする。
2.安全に便座に座り排泄ができるよう、2人体制での排泄介助を行う。
まず上記2点に重点を置き実施し、トイレでの排泄が介助でできるようになった。
職員がトイレ誘導の声をかけると、Aさんは笑顔をみせてくれるようになり、食事や水分摂取も気兼ねなく摂れるようになった。
トイレでの排泄時、股関節の可動域に制限があり、十分に足が曲がらず便器から尿が漏れてしまうことがあり、Aさんはトイレを汚してしまうことを気にされていた。そこで、家族に協力を依頼し、便器との間にパットを当て、漏れた尿をキャッチすることで、トイレを汚さずに排泄することができるようになった。
その後、リハビリを進めた結果、Aさんは排泄をほぼ自立して行えるようになり、自宅でもトイレを使用した排泄が可能となった。
【考察】
通所リハビリでは、毎日利用者と接することはなく、利用日のみとなるため継続したケアを行うことは難しい。しかし、利用者との会話からご本人の気持ちを受け止め、利用者ご本人、家族、職員間で共有したことで目標をたてることができた。介護実践の中で、まずは2人体制で介助を行い、安全に排泄ができる環境を整えることによってトイレでの排泄を促し、トイレで排泄できたという成功体験が不安を軽減し、安心感を与えることができた。また、便器からの尿もれを防ぐためにパットを使用するなどの工夫が、トイレを汚してしまうという不快感や羞恥心を取り除き、自分はできるといった自信につながったと考える。そしてその自信がリハビリの意欲につながり、自宅でも排泄の自立を達成することができた。一人ひとりに寄り添った介護は、高齢者の方々が、より自分らしく、尊厳を持って生活するために必要であり、介護士として常に相手の立場になって考え、誠意、優しさをもって接することが大切だと考える。
【おわりに】
通所リハビリでは自宅と施設の送迎があり、家族とのコミュニケーションがとりやすいといった特徴がある。利用者ご本人とご家族両方の気持ちを確認でき、自宅での様子もふまえて目標に合わせた対策を行うことができる。今後も利用者一人ひとりの気持ちに応えられるような寄り添う介護をしていきたい。
