講演情報
[28-O-P106-07]新人育成マニュアルの改善多様なキャリアを活かす柔軟な育成体制に向けて
埼玉県 ○山方 大輝, 豊田 康介 (介護老人保健施設 ケアステーション所沢)
【はじめに】
当施設は1995年7月1日に全国初の介護老人保健施設と保育園の併設施設として開設され、今年で30周年を迎えた、入所定員90名(2階41名、3階49名)の施設である。職員は新卒、経験者、未経験者など様々なキャリアの方々が在籍しており、近年では外国人スタッフも介護士として増加している。
【目的】
これまで入職者のキャリアに合わせた育成方法ではなく、どんなキャリアの方が入職しても同じ育成方法となっていた。また、外国人スタッフの雇用も多くなっている中で、多様な背景を持つスタッフに対応するため、様々なキャリアに合わせた指導方法の確立に向けて取り組んだ内容を報告する。
【育成方法】
育成方法については既存の育成マニュアルと今までの課題を踏まえ、「やって見せる」「説明する」「させてみる」「評価・指導」といった、実際の実務を通して教育・育成する方法手順のOJT方式を用いて実施した。
【マニュアル見直しの背景】
・新人指導については役職者がメインで行っており、不在時などは当日勤務の職員に依頼していたが、指導する職員によって違いが生じ、新人職員の目標や進捗が不明確となっていた。
・入職する職員には、経験者、未経験者など様々なキャリアの方が入職されるが、指導方法の基準が策定されておらず担当者の主観となってしまう事が多く、進捗の不安定さや、その時の様子に限っての評価となってしまう事があるため、個々の経験等に合わせた育成方法の確立が求められた。
・現場職員に対し新人職員の育成状況等の共有や育成計画の提示、説明が明確でなかった為に振り返りや評価が不安定であったため、指導担当者同士の情報共有や連携をより強化し、一貫性のある指導方法が必要だった。
・指導する職員が少数だった為、指導者が不在の場合でも、情報共有や進捗の見える化など、より明確な育成計画の構築が望まれた。
これらの課題から、様々なキャリアの職員や外国人材など、個々の多様性に合わせた指導が行えるよう、指導内容の標準化を図るだけでなく、新人職員の不安軽減と、キャリアに応じてより安心して学べる環境づくりのために、「新人職員が安心できる」「指導方法の見える化」「指導担当者の横のつながり」の必要性が明らかになり、多様性に合わせた指導方法の改善に向け、新しいマニュアルの見直しに至った。
【マニュアル見直しに向けた準備】
〇3ヶ月目標の導入
指導担当者が変わった場合に、進み具合等の確認が不明確になりやすく、個々に合わせた目標が設定されていなかったため、個々のキャリアに応じた進み具合や目標を明確にするために、指導職員・フロア職員と新人職員間で目標の見える化を図るために導入。
〇定期面談の実施の導入
面談の導入については情報共有が限られてしまう事があったため、業務の理解度や進め方など、現段階の目標に対する進捗の確認と、次回以降の助言や指導内容を確認し共有。また、仕事に関する悩みや不安について相談できる、相談しやすい関係性構築とコミュニケーションを図るために導入。
〇リーダー制度の導入
リーダー制度の導入については、指導者不在時に一貫性が保てない事があった事があった事と、新人職員にとっての相談役を増やし、話しやすい環境をさらに整えるため、指導体制の強化と多角的なアプローチに向け導入。
〇業務マニュアルの見直し
業務の全体像の把握とタイムスケジュールをより明確化し、新人・既存職員双方にわかりやすい内容への改善。
これらの準備により、目標設定と進行方向の明確化、多角的なアプローチと相談役が増える事での不安軽減。現状把握の可視化が実現した。
【マニュアル見直し後の結果】
導入後、新人職員と指導職員へアンケートを実施した。
〇アンケート結果
「マニュアル通りに動いてみて」
新人職員:・最初は利用者の名前や業務を覚えるのに焦りを感じる場面があったが、全体像が示してもらえたので、安心感があった。
・定期的に面談を行うことで振り返りができ、確認しながら覚えられた。
指導職員:・未経験者、経験者などキャリアによる個人差はあるが、業務の全体像がイメージできていない状態からスタートするよりは、教える側も安心感があった。
「振り返り」
新人職員:・3ヶ月という目標(目安)があり効率的に習得できた。段階的な指導順序(指導職員の見学→一緒に実施→指導職員に見てもらいながら実施→ひとりで実施)で次のステップに進みやすかった
指導職員:・日々のコミュニケーションを行うことで、理解度の擦り合わせができた。目標達成に向けた逆算思考の必要性を認識。わかりやすい伝え方など、その方に合わせながらの指導方法の見直しにもつながった
【まとめ】
新人育成マニュアルの見直しを行った事で、新人職員の目標の可視化や面談での進捗の振り返りが可能となり、新人と指導者間双方の認識の差を埋めることができた。様々なキャリアの職員に対し個々のペースに合わせた指導を行うことができ、指導する側も伝え方の工夫や気づきが増える等、スキルアップにもつながった。
今回の取り組みにより、多様な背景を持つ職員が共に成長できる環境づくりとなった。特に指導職員と新人職員の双方向のコミュニケーションを重視したことで、お互いの理解が深まり関係性の構築につながった。また、リーダー制度の導入により、指導新人職員の安心感にもつながった。
今後は外国人材の雇用も増加が予想されるため、言語や文化の違いを理解し、より実情に応じた育成方法となる様マニュアルの改善を継続的に行っていく。
この取り組みを通じて職員のスキルアップと多様なキャリアや背景を持つ職員が活躍できるような職場環境と育成マニュアルの構築を目指していきたい。
当施設は1995年7月1日に全国初の介護老人保健施設と保育園の併設施設として開設され、今年で30周年を迎えた、入所定員90名(2階41名、3階49名)の施設である。職員は新卒、経験者、未経験者など様々なキャリアの方々が在籍しており、近年では外国人スタッフも介護士として増加している。
【目的】
これまで入職者のキャリアに合わせた育成方法ではなく、どんなキャリアの方が入職しても同じ育成方法となっていた。また、外国人スタッフの雇用も多くなっている中で、多様な背景を持つスタッフに対応するため、様々なキャリアに合わせた指導方法の確立に向けて取り組んだ内容を報告する。
【育成方法】
育成方法については既存の育成マニュアルと今までの課題を踏まえ、「やって見せる」「説明する」「させてみる」「評価・指導」といった、実際の実務を通して教育・育成する方法手順のOJT方式を用いて実施した。
【マニュアル見直しの背景】
・新人指導については役職者がメインで行っており、不在時などは当日勤務の職員に依頼していたが、指導する職員によって違いが生じ、新人職員の目標や進捗が不明確となっていた。
・入職する職員には、経験者、未経験者など様々なキャリアの方が入職されるが、指導方法の基準が策定されておらず担当者の主観となってしまう事が多く、進捗の不安定さや、その時の様子に限っての評価となってしまう事があるため、個々の経験等に合わせた育成方法の確立が求められた。
・現場職員に対し新人職員の育成状況等の共有や育成計画の提示、説明が明確でなかった為に振り返りや評価が不安定であったため、指導担当者同士の情報共有や連携をより強化し、一貫性のある指導方法が必要だった。
・指導する職員が少数だった為、指導者が不在の場合でも、情報共有や進捗の見える化など、より明確な育成計画の構築が望まれた。
これらの課題から、様々なキャリアの職員や外国人材など、個々の多様性に合わせた指導が行えるよう、指導内容の標準化を図るだけでなく、新人職員の不安軽減と、キャリアに応じてより安心して学べる環境づくりのために、「新人職員が安心できる」「指導方法の見える化」「指導担当者の横のつながり」の必要性が明らかになり、多様性に合わせた指導方法の改善に向け、新しいマニュアルの見直しに至った。
【マニュアル見直しに向けた準備】
〇3ヶ月目標の導入
指導担当者が変わった場合に、進み具合等の確認が不明確になりやすく、個々に合わせた目標が設定されていなかったため、個々のキャリアに応じた進み具合や目標を明確にするために、指導職員・フロア職員と新人職員間で目標の見える化を図るために導入。
〇定期面談の実施の導入
面談の導入については情報共有が限られてしまう事があったため、業務の理解度や進め方など、現段階の目標に対する進捗の確認と、次回以降の助言や指導内容を確認し共有。また、仕事に関する悩みや不安について相談できる、相談しやすい関係性構築とコミュニケーションを図るために導入。
〇リーダー制度の導入
リーダー制度の導入については、指導者不在時に一貫性が保てない事があった事があった事と、新人職員にとっての相談役を増やし、話しやすい環境をさらに整えるため、指導体制の強化と多角的なアプローチに向け導入。
〇業務マニュアルの見直し
業務の全体像の把握とタイムスケジュールをより明確化し、新人・既存職員双方にわかりやすい内容への改善。
これらの準備により、目標設定と進行方向の明確化、多角的なアプローチと相談役が増える事での不安軽減。現状把握の可視化が実現した。
【マニュアル見直し後の結果】
導入後、新人職員と指導職員へアンケートを実施した。
〇アンケート結果
「マニュアル通りに動いてみて」
新人職員:・最初は利用者の名前や業務を覚えるのに焦りを感じる場面があったが、全体像が示してもらえたので、安心感があった。
・定期的に面談を行うことで振り返りができ、確認しながら覚えられた。
指導職員:・未経験者、経験者などキャリアによる個人差はあるが、業務の全体像がイメージできていない状態からスタートするよりは、教える側も安心感があった。
「振り返り」
新人職員:・3ヶ月という目標(目安)があり効率的に習得できた。段階的な指導順序(指導職員の見学→一緒に実施→指導職員に見てもらいながら実施→ひとりで実施)で次のステップに進みやすかった
指導職員:・日々のコミュニケーションを行うことで、理解度の擦り合わせができた。目標達成に向けた逆算思考の必要性を認識。わかりやすい伝え方など、その方に合わせながらの指導方法の見直しにもつながった
【まとめ】
新人育成マニュアルの見直しを行った事で、新人職員の目標の可視化や面談での進捗の振り返りが可能となり、新人と指導者間双方の認識の差を埋めることができた。様々なキャリアの職員に対し個々のペースに合わせた指導を行うことができ、指導する側も伝え方の工夫や気づきが増える等、スキルアップにもつながった。
今回の取り組みにより、多様な背景を持つ職員が共に成長できる環境づくりとなった。特に指導職員と新人職員の双方向のコミュニケーションを重視したことで、お互いの理解が深まり関係性の構築につながった。また、リーダー制度の導入により、指導新人職員の安心感にもつながった。
今後は外国人材の雇用も増加が予想されるため、言語や文化の違いを理解し、より実情に応じた育成方法となる様マニュアルの改善を継続的に行っていく。
この取り組みを通じて職員のスキルアップと多様なキャリアや背景を持つ職員が活躍できるような職場環境と育成マニュアルの構築を目指していきたい。
