講演情報

[28-O-Q002-05]継続!!超強化型!!!在宅復帰率50%以上維持し続ける為の取り組み

山形県 御船 有希, 出崎 哲平 (介護老人保健施設徳田山)
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【はじめに】令和4年から現在に至るまでの3年間、年間在宅復帰率50%以上、回転率20%以上を維持し、超強化型施設として運営している。当施設は、利用者や家族の希望、不安に向き合い、在宅復帰に向けた課題をクリアし施設一丸となって、在宅復帰支援に取り組んできた。令和4年から令和6年までの在宅復帰者数と退所先データを分析したところ、3年間で在宅復帰者は平均1.2名増加、在宅復帰率は4.2%減少していることが明らかになった。支援相談員と施設ケアマネとして、在宅復帰者数増加に達成感を得る一方、在宅復帰困難な利用者や家族への関わり方や予測できない入院または特養退所は、目に見えて在宅復帰率の低下につながる為、プレッシャーに感じることも多々あった。この発表では、当施設が置かれた地域特性、高齢化率、社会資源等の状況を踏まえ、見出した課題に向けて取り組んできたこととその成果を報告する。【考察】当施設は、市街地より離れた郊外に位置している。令和6年の酒田市の総人口は9万4659人で、高齢化率は36.5%。酒田市内の老健施設は5施設。特養は14施設。地域特性として、超高齢化社会にありながら、核家族化が進行しており、老々介護世帯や介護者不在の世帯が多いということが挙げられる。その為、老健を特養待機目的の受け皿施設という認識で相談に来るケースが多い。また、施設周辺の社会資源は、隣接している他法人の特養1施設のみ。併設病院はなく、有料老人ホームやグループホーム等も無いため、単独型の老健として成り立っている。年間平均13件の相談件数のほとんどが在宅復帰困難なケースである状況で、私たちは最初のインテークが重要と考え、入所相談時点から利用者や家族の考えている在宅復帰に対する思いや課題を聞きとった。また、老健の仕組みへの理解を求め、在宅復帰に向けた支援について説明をした。入所前の時点で、老健の仕組みへの理解を深め、在宅復帰に対する思いに寄り添い、具体的な支援方法を提示していくことで、入所後、利用者や家族とリハビリの成果を共有しあいながら、先の見える在宅復帰計画が実現できた。また、退所後、繰り返して入所できることを説明することで夏期入所や冬期入所の希望者が増えた。その結果、令和4年は年間80名、令和5年は86名、令和6年は88名と、在宅復帰者数は年々増加傾向にある。在宅復帰者増加に対して、令和4年から令和6年にかけて、在宅復帰率は減少傾向にある要因として、予測できない入院や特養への退所が考えられる。在宅復帰者を単月で多く設けても、予測できない入院や特養への退所が相次ぐと、あっという間に単月の在宅復帰率は50%を割ってしまう。特に特養退所の対象者は、要介護4・5の利用者が中心となるため、必然的に施設基準の要介護4・5の入所者割合も下がってしまう。入院退所については、常日頃から施設全体で転倒予防や脱水予防に努めたり、相談員とケアマネがこまめに体調把握をしたりしていても、予測することは難しかった。その為、入院件数に対して当月の在宅復帰数が何名いるか把握し、次月の在宅復帰者の数を増やせるか検討する等の調整をしたり、病院の相談員に連絡し、軽微な入院であれば1週間以内に再入所できるか確認したりした。しかし、退所扱いとならない入院1週間以内での再入所者は令和6年度で1件のみであった。特養退所については、入所者や家族、特養側に交渉が可能であった為、特養上位者が何名いるか把握し、当月の在宅復帰者数と対比して、特養退所者数を交渉により調整した。特養から毎月2・3件の実調が入っている現状があり、都度、入所判定会の結果報告や退所時期は余裕をもって知らせてほしいことを伝えた。特養退所が多い月は、内情を明らかに説明してから、翌月にしてもらえないか等の交渉をした。時には、早めに準備を進めて早急に退所できるように配慮し、特養相談員との関係構築を進め、円滑に交渉が進められるように努めた。ひとつの成功例として、在宅復帰を繰り返している利用者の方へ特養より入所の声がかかった際、施設ケアマネが家族と相談し、現段階で特養へ行くかリハビリを継続して在宅復帰を繰り返していくか意思確認をしたところ、「徳田山でリハビリを継続したい」と、利用者とその家族から老健入所継続の意向が聞かれ、現在も在宅支援を受けながら自宅復帰を継続しているケースがある。こうした取り組みの積み重ねを、支援相談員と施設ケアマネで情報共有し、年間で調整している在宅復帰者が何名か、特養上位者が何名か等を一覧で見られるようなリストを作成した。これに基づいて日々コミュニケーションをとりあい、総合的に入退所の調整を行うよう努めている。結果、2025年6月末時点において、在宅復帰者30名、在宅復帰率平均70.6%で調整することが出来た。【まとめ】超強化型老健として運営してきた3年間のデータを分析することで、今後も超強化型施設として運営していくために必要な課題が明確化された。支援相談員と施設ケアマネが、課題に対して対策を講じ、互いに在宅復帰予定者数や退所予定者数、在宅復帰支援の具体的な計画を情報共有しあうことで、「予定外の退所があっても乗り越えられる」という自信につながり、それがプレッシャーに負けない心を育て、今も在宅復帰維持に励むことができている。今後も、地域に根差した超強化型施設として運営できるよう努めていきたい。