講演情報
[28-O-R007-04]地域医療連携の要となる老健を目指して
宮城県 ○佐々木 美織, 長谷川 舞 (エバーグリーン・ヤギヤマ)
【はじめに】
近隣病院へ毎月訪問し対話をしていく中で、リハビリを希望しているが医療行為がネックとなり、受け入れ可能な施設が限られ困っているという声が各々から聞かれた。その現状を踏まえ、老健だからこそできる生活リハビリと医療ケアこそが当施設の強みとなれば、地域の人々が住み慣れた場所での生活を続けることに貢献できるのではないかと考えた。
【目的】
2018年の介護報酬改定より、超強化型老健施設として在宅復帰・在宅療養支援等指標を維持してきた。現在、当施設には経鼻経管栄養や点滴、酸素投与が必要な方など、医療依存度の高い利用者が入所している。要介護4.5の重症度は毎月45~50%を維持しており、ターミナルケアを開始した利用者は10名前後で推移している。急変リスクが高い利用者が多く入所しているものの、毎月の転院件数は昨年度で平均2名であり、在宅復帰率60%を維持することができている。
本研究では、超強化型老健となった2018年と昨年度の所定疾患施設療養費(以下、所定疾患)算定件数や救急病院からの受け入れ件数、ターミナルケア件数を比較し、現在では当たり前に重度者を受け入れることができるようになったその取り組みを報告する。
【方法】
近年、救急病院では入院期間が短くなっており、スピーディーな退院調整が必要なため、早急に受け入れ可能な施設を探すことが増えている。当施設では医療依存度の高い方や、ターミナルに近い方を受け入れるために、即日の受け入れをしている。そのスピードに気持ちが追いつかない利用者・家族の想いを汲み取り、安心して入所していただけるよう、継続が必要な医療行為や病状の見通しと、家族への説明の内容を確認し、面談を実施している。経鼻経管栄養や酸素投与、点滴等の医療行為が必要な利用者を毎月受け入れ、施設医師が施設内で内服薬変更調整や必要な治療を行っている。
入所当日には面談を実施し、病院からどのような説明を受けているか、家族の受け取り方を確認した上で、施設で何ができるか、どのように対応していくかを一つひとつ説明する。その後1~2週間を目安に面談し、経過報告や老健施設で様々な医療ケアができること、それによって治療だけではない、自宅に近い環境だからこそ生活の質を維持できることを説明し、再度意向を確認する。急変リスクが高くなる前から、少しずつ心の準備ができるよう、今後の人生をどこでどのように過ごしたいか、細目に面談を実施し、タイムリーに施設内治療や早期のターミナルケアを開始する。
さらに、紹介元の病院へ受け入れ後の治療内容や状態、在宅復帰に繋がった事例などの経過報告を行い、施設でできることを知ってもらい、困った時に相談しやすい顔の見える関係性が築けるよう努めている。
【結果】
2018年度と昨年度の所定疾患・救急病院からの受け入れ・ターミナルケア件数をそれぞれ比較し、所定疾患の件数は2018年度7件、昨年度14件、救急病院からの受け入れ件数は2018年度33件、昨年度48件、ターミナルケア件数は2018年度10件、昨年度27件となっており、全項目において増加していることがわかった。特に、所定疾患とターミナルケア件数については、2倍以上の数値となっている。
【考察】
以上の結果から、医療依存度の高い利用者を即日受け入れ、病院と顔の見える関係性を築いてきたこと、積極的な施設内治療やタイムリーな面談実施をしてきたことが、職員の医療介護ケアのスキルアップにつながり、受け入れの幅を広げ、所定疾患やターミナルケア件数増加につながったと考えられる。
2018年以降、重度者の受け入れ実績を積み、早期に面談を繰り返し実施してきたことで、利用者の生活の質を大事にして施設で何ができるかを提案する考え方が全職員に根付いてきた。当初は少しでも状態変化があれば、受診や救急搬送を望む職員が多かった。しかし、施設医師の治療で利用者が元気になっていく姿や、面談で「本人らしく過ごして欲しい」という家族の想いに触れ続けてきたことで、「自分達の安心」ではなく、「本人にとっての安心」を軸とした考え方が広まっていった。環境の変化が生む利用者への負担を考え、自宅に近い環境の老健だからこそできるケアがあると感じるようになった。その実感が職員の相手の立場にたった考え方を育み、結果的に医療介護ケアのスキルアップに繋がったと考える。
近隣の病院からは「エバーグリーンさんなら何とかしてくれるかと思って」と相談をいただくようになった。他では対応が難しいと言われた相談を受け続けてきたことが、当施設の受け入れの幅を徐々に広げていった。病院ではどのようなニーズがあるのかを把握し、当施設ではどのような医療対応やケアができるのかを知っていただけるよう、病院へ足を運び続けたことで、顔と名前が分かり合って相談し合える関係性を築くことができたと感じている。それが結果的に、地域の人々が住み慣れた場所で、生きがいや楽しみを持って生活できることに繋がっていくのではないかと考える。
今後も地域の病院と自宅を繋ぐ中間施設として、やりたくてもやれなかったことが叶えられる、住み慣れた場所でしたい生活が続けられる地域づくりに貢献できるよう、利用者の想いに寄り添った支援をしていきたい。
近隣病院へ毎月訪問し対話をしていく中で、リハビリを希望しているが医療行為がネックとなり、受け入れ可能な施設が限られ困っているという声が各々から聞かれた。その現状を踏まえ、老健だからこそできる生活リハビリと医療ケアこそが当施設の強みとなれば、地域の人々が住み慣れた場所での生活を続けることに貢献できるのではないかと考えた。
【目的】
2018年の介護報酬改定より、超強化型老健施設として在宅復帰・在宅療養支援等指標を維持してきた。現在、当施設には経鼻経管栄養や点滴、酸素投与が必要な方など、医療依存度の高い利用者が入所している。要介護4.5の重症度は毎月45~50%を維持しており、ターミナルケアを開始した利用者は10名前後で推移している。急変リスクが高い利用者が多く入所しているものの、毎月の転院件数は昨年度で平均2名であり、在宅復帰率60%を維持することができている。
本研究では、超強化型老健となった2018年と昨年度の所定疾患施設療養費(以下、所定疾患)算定件数や救急病院からの受け入れ件数、ターミナルケア件数を比較し、現在では当たり前に重度者を受け入れることができるようになったその取り組みを報告する。
【方法】
近年、救急病院では入院期間が短くなっており、スピーディーな退院調整が必要なため、早急に受け入れ可能な施設を探すことが増えている。当施設では医療依存度の高い方や、ターミナルに近い方を受け入れるために、即日の受け入れをしている。そのスピードに気持ちが追いつかない利用者・家族の想いを汲み取り、安心して入所していただけるよう、継続が必要な医療行為や病状の見通しと、家族への説明の内容を確認し、面談を実施している。経鼻経管栄養や酸素投与、点滴等の医療行為が必要な利用者を毎月受け入れ、施設医師が施設内で内服薬変更調整や必要な治療を行っている。
入所当日には面談を実施し、病院からどのような説明を受けているか、家族の受け取り方を確認した上で、施設で何ができるか、どのように対応していくかを一つひとつ説明する。その後1~2週間を目安に面談し、経過報告や老健施設で様々な医療ケアができること、それによって治療だけではない、自宅に近い環境だからこそ生活の質を維持できることを説明し、再度意向を確認する。急変リスクが高くなる前から、少しずつ心の準備ができるよう、今後の人生をどこでどのように過ごしたいか、細目に面談を実施し、タイムリーに施設内治療や早期のターミナルケアを開始する。
さらに、紹介元の病院へ受け入れ後の治療内容や状態、在宅復帰に繋がった事例などの経過報告を行い、施設でできることを知ってもらい、困った時に相談しやすい顔の見える関係性が築けるよう努めている。
【結果】
2018年度と昨年度の所定疾患・救急病院からの受け入れ・ターミナルケア件数をそれぞれ比較し、所定疾患の件数は2018年度7件、昨年度14件、救急病院からの受け入れ件数は2018年度33件、昨年度48件、ターミナルケア件数は2018年度10件、昨年度27件となっており、全項目において増加していることがわかった。特に、所定疾患とターミナルケア件数については、2倍以上の数値となっている。
【考察】
以上の結果から、医療依存度の高い利用者を即日受け入れ、病院と顔の見える関係性を築いてきたこと、積極的な施設内治療やタイムリーな面談実施をしてきたことが、職員の医療介護ケアのスキルアップにつながり、受け入れの幅を広げ、所定疾患やターミナルケア件数増加につながったと考えられる。
2018年以降、重度者の受け入れ実績を積み、早期に面談を繰り返し実施してきたことで、利用者の生活の質を大事にして施設で何ができるかを提案する考え方が全職員に根付いてきた。当初は少しでも状態変化があれば、受診や救急搬送を望む職員が多かった。しかし、施設医師の治療で利用者が元気になっていく姿や、面談で「本人らしく過ごして欲しい」という家族の想いに触れ続けてきたことで、「自分達の安心」ではなく、「本人にとっての安心」を軸とした考え方が広まっていった。環境の変化が生む利用者への負担を考え、自宅に近い環境の老健だからこそできるケアがあると感じるようになった。その実感が職員の相手の立場にたった考え方を育み、結果的に医療介護ケアのスキルアップに繋がったと考える。
近隣の病院からは「エバーグリーンさんなら何とかしてくれるかと思って」と相談をいただくようになった。他では対応が難しいと言われた相談を受け続けてきたことが、当施設の受け入れの幅を徐々に広げていった。病院ではどのようなニーズがあるのかを把握し、当施設ではどのような医療対応やケアができるのかを知っていただけるよう、病院へ足を運び続けたことで、顔と名前が分かり合って相談し合える関係性を築くことができたと感じている。それが結果的に、地域の人々が住み慣れた場所で、生きがいや楽しみを持って生活できることに繋がっていくのではないかと考える。
今後も地域の病院と自宅を繋ぐ中間施設として、やりたくてもやれなかったことが叶えられる、住み慣れた場所でしたい生活が続けられる地域づくりに貢献できるよう、利用者の想いに寄り添った支援をしていきたい。
