講演情報

[28-O-R007-06]Instagramを活用した情報発信の取り組み写真と動画で伝える老健の日常

愛知県 内山 可南子, 米津 ゆう子 (介護老人保健施設さくらの里)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【はじめに】
当施設では、これまで広報誌やホームページ等を通じて情報発信を行ってきたが、発信頻度や内容の制限から、施設の雰囲気や日常の様子を十分に伝えることが難しかった。また、施設に対して「閉鎖的」「どのような場所かわかりづらい」といった印象を持たれることも少なくなかった。そこで、利用者やご家族、地域住民、ケアマネジャー、就職希望者など多様な対象に向けて、施設の雰囲気や日常の様子を効果的に伝えるため、Instagramを活用した情報発信を開始した。

【取り組みの概要】
2023年2月にInstagram運用ガイドラインを定め、投稿ルールや使用機器、個人情報の取り扱いについて書面にまとめ、広報活動を安心して行うことができる体制を整えた。
個人情報取扱い同意書を見直し、写真や実名入りの作品をインターネット上に掲載する可能性があることを追記し、再度同意の確認を行った。
Instagramの投稿内容は、行事食、レクリエーション、利用者作品、屋上菜園、専門講師による活動など、施設の雰囲気や日常の様子が伝わる内容を選び、印象的な写真や動画を1枚目にして、楽しく明るい雰囲気を伝えるよう工夫した。また、投稿内容が特定の部署に偏らないよう調整し、施設全体の活動をバランスよく紹介することとした。
Instagramアカウントの周知には、QRコード付きのチラシや広報誌、月間予定表などを活用し、多くの方に見てもらえるようにした。

【成果と反響】
運用開始後、利用者や家族、ケアマネジャーなど多くの肯定的な反応がみられた。
利用者からは、運動会の投稿を見て「私の足があんなに早く動いているなんて驚いた!」と笑顔で話されるなど、思いがけない自分の一面に喜ばれていた。県外に住む娘さんから「インスタを見たよ」と連絡があったことを嬉しそうに職員に話された方もいる。更新を毎日楽しみにして、自らInstagramのアカウントを作った方や、「遠くの家族に見せたい」と作品を持ってきて投稿を希望される方もいた。
家族からは、「元気な姿が見られて安心した」「更新を楽しみにしている」「遠方の家族にも紹介した」といった声があった。「いつ、うちのおじいちゃんがインスタに載るか家族で楽しみにしていました。載せてくださってありがとうございます」と声をかけてくださる方もいた。
ケアマネジャーとの情報共有にも有効で、サービス担当者会議の中でInstagramの投稿を紹介した際には「施設での自然な様子が伝わって安心できた」「家族への説明資料としても役立つ」との評価が得られた。「Instagramを見てとても楽しそうな施設だと思った。自分の担当利用者に紹介したい」と新規利用の問い合わせもあった。
就職希望者からは「施設のインスタを見て、雰囲気や取り組みに共感し、見学を希望した」との声もあり、採用活動の面でも一定の成果が得られた。
職員の意識にも変化が表れ、「良い表情が撮れたのでぜひ投稿してほしい」「次は別の部署の様子も紹介したい」といった投稿への協力がみられるようになった。

【考察】
Instagramを活用することで、施設の雰囲気や利用者の様子、職員の働く姿などを視覚的に伝えられるようになった。
個人情報取扱い同意書の見直しにより、モザイク加工をせずに利用者の表情を写した投稿が可能となり、表情豊かな日常や多様な活動の臨場感をより明確に届けることができた。
利用者は、自身の姿や作品が紹介されることに喜びを感じ、家族との交流のきっかけにもつながっている。家族にとっては、施設での様子を知ることができる安心感や信頼感につながっていると考えられる。
今後も内容や更新の工夫を重ねながら、より多くの人に施設の魅力が伝わる発信を目指していきたい。