講演情報
[28-O-T002-02]全自動歯ブラシ導入によるケア向上と波及効果の検証
千葉県 ○田中 啓之, 大浦 祐介 (はさま徳洲苑)
【背景・目的】
研究発表者は、介護現場で高齢者全体の機能レベル低下や今後訪れる人手不足に備え、「いかに食事介助にかかるコストや労力を予防的に引き下げられるか」という課題に常に向き合ってきた。そんな中、あるニュース番組で最新の介護テクノロジーとして全自動歯ブラシ“ge.N”の存在を知り、「これは新しい時代の介護支援ツールになるのでは」と直感。高齢者施設の現場におけるデジタル活用の有効性を、自身の目で確かめたいと考え導入に至った。施設現場では従来、口腔ケアの質や標準化、職員の負担、ケア困難者への取り残しといった課題への対応が難しい状況だった。本研究は、「ge.N」のマッサージ機能による食事前口腔刺激を1ヶ月間、6項目で評価。その上で、職員の意識変化・誤嚥予防効果・職員負担・現場DX/ICT推進によるサステナビリティへの提案も検証するものである。
【方法】
対象は当施設入所高齢者5名(平均92,6歳・女性2名)。2025年6月13日~7月13日、毎食前に「g.eN」のマッサージ機能を約30秒、合計で約90回実施。観察指標は下記の通り。
1.開口量(4段階)
2.食事量(摂取割合で5段階)
3.むせ込み有無・程度(4段階)
4.自力摂取意欲(4段階)
5.食事中覚醒状態(4段階)
6.口腔ケア自立度(4段階)
さらに、今後実施予定の職員アンケートでケア効率化・負担感・自立支援意識・DX/ICT連携効果の期待も調査する。
【結果】
1ヶ月間の定量変化は限定的だったが、1名で開口量・覚醒の改善を観察し継続調査中。口腔体操模倣が困難な利用者にも受動的刺激で誤嚥予防効果の可能性を確認。ケア新規追加による職員負担増が課題だが、変化著しい症例ではQOLや自立への期待値が高まった。なお今回はマッサージ機能のみ使用だが、ブラッシング機能には歯周病予防・疾病リスク低減という大きな可能性があり今後の導入推進を計画している。
【考察】
職員負担増への対応としては、「ge.N」に代表される介護テックの単独導入では限界があり、他業務のDX/ICT化(記録自動化・介護記録連携アプリ・インカムから各居室に音声を届けられるツール・見守りセンサーなど)と連携した包括的デジタル転換が不可欠。加えて、食事介助が必要な利用者を予防すれば、大きな労力がかかる食事介助業務自体を先制的に抑制でき、施設・社会全体に長期的な利益をもたらす予防モデルの普及にもつながると考えられる。
【結論】
全自動歯ブラシ「g.eN」は、短期的な定量改善以上に、誤嚥予防効果や職員意欲向上といった質的成果を示した。持続的運用にはDX/ICT化連携が必須と言えるが、長期運用による利用者のQOLの維持と向上、食事介助負荷軽減による長期的利益も期待できる。今後は職員アンケート結果の収集、長期・多施設研究が可能なら連携し、実践モデルの最適化と普及を図りたい。
研究発表者は、介護現場で高齢者全体の機能レベル低下や今後訪れる人手不足に備え、「いかに食事介助にかかるコストや労力を予防的に引き下げられるか」という課題に常に向き合ってきた。そんな中、あるニュース番組で最新の介護テクノロジーとして全自動歯ブラシ“ge.N”の存在を知り、「これは新しい時代の介護支援ツールになるのでは」と直感。高齢者施設の現場におけるデジタル活用の有効性を、自身の目で確かめたいと考え導入に至った。施設現場では従来、口腔ケアの質や標準化、職員の負担、ケア困難者への取り残しといった課題への対応が難しい状況だった。本研究は、「ge.N」のマッサージ機能による食事前口腔刺激を1ヶ月間、6項目で評価。その上で、職員の意識変化・誤嚥予防効果・職員負担・現場DX/ICT推進によるサステナビリティへの提案も検証するものである。
【方法】
対象は当施設入所高齢者5名(平均92,6歳・女性2名)。2025年6月13日~7月13日、毎食前に「g.eN」のマッサージ機能を約30秒、合計で約90回実施。観察指標は下記の通り。
1.開口量(4段階)
2.食事量(摂取割合で5段階)
3.むせ込み有無・程度(4段階)
4.自力摂取意欲(4段階)
5.食事中覚醒状態(4段階)
6.口腔ケア自立度(4段階)
さらに、今後実施予定の職員アンケートでケア効率化・負担感・自立支援意識・DX/ICT連携効果の期待も調査する。
【結果】
1ヶ月間の定量変化は限定的だったが、1名で開口量・覚醒の改善を観察し継続調査中。口腔体操模倣が困難な利用者にも受動的刺激で誤嚥予防効果の可能性を確認。ケア新規追加による職員負担増が課題だが、変化著しい症例ではQOLや自立への期待値が高まった。なお今回はマッサージ機能のみ使用だが、ブラッシング機能には歯周病予防・疾病リスク低減という大きな可能性があり今後の導入推進を計画している。
【考察】
職員負担増への対応としては、「ge.N」に代表される介護テックの単独導入では限界があり、他業務のDX/ICT化(記録自動化・介護記録連携アプリ・インカムから各居室に音声を届けられるツール・見守りセンサーなど)と連携した包括的デジタル転換が不可欠。加えて、食事介助が必要な利用者を予防すれば、大きな労力がかかる食事介助業務自体を先制的に抑制でき、施設・社会全体に長期的な利益をもたらす予防モデルの普及にもつながると考えられる。
【結論】
全自動歯ブラシ「g.eN」は、短期的な定量改善以上に、誤嚥予防効果や職員意欲向上といった質的成果を示した。持続的運用にはDX/ICT化連携が必須と言えるが、長期運用による利用者のQOLの維持と向上、食事介助負荷軽減による長期的利益も期待できる。今後は職員アンケート結果の収集、長期・多施設研究が可能なら連携し、実践モデルの最適化と普及を図りたい。
