講演情報

[28-O-Z001-04]選ばれる施設へ!戦略的なブランディング活動に挑戦

大阪府 福井 真紀1, 金田 ゆき1, 山住 恵1, 布澤 良太1, 中本 幸美1, 岩佐 郁紀子2 (1.松下介護老人保健施設はーとぴあ, 2.指定居宅介護支援事業所はーとぴあ)
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【はじめに】
法人全体のブランド価値向上の取り組みを起点として、施設内でブランディングプロジェクトを立ち上げ広報の強化を図ることになった。以前より広報活動は行っていたが、自分たちの取り組みや特徴がご利用者・ご家族をはじめ地域の方や事業所等に十分伝わっていないこと、広報業務も長年見直しされていないという課題があった。そこで、新たなブランディングの取り組みでは、当施設の使命や築いてきたブランド価値を分かりやすく伝え、施設のファンを増やしご利用者の拡大を図るとともに、広報業務の仕組み作りやペーパーレス化等の業務改善にも繋げることができたので報告する。
【取組み内容】
A: コンテンツ作成
■ホームページの刷新
・事前にホームページで良く閲覧されている内容を調査し、刷新時の参考にした。
・職員から公募した施設のキャッチコピー、「リハビリ、介護、医療が一つになり、笑顔・HAPPYな毎日を」を行動指針として明確化した。
・施設の想いや強みを整理し「お伝えしたい7つの特徴」にまとめて分かりやすくTOPページで紹介した。
・パソコン以外から情報を見るニーズが増えておりスマートフォンを考慮し、必要以上にスクロールを繰り返さないようページの構成を工夫した。
・画面デザインは業者まかせではなく、自然豊かな環境を表現した温かみのある色味や文字、クリックボタン等のデザイン細部に至るまですべて職員で考えた。
・パンフレットや利用に関する書類をホームページから閲覧・ダウンロードができるようにし、ご利用者の利便性向上と職員の対応時間や郵送・FAX費用の削減に繋げた。
・登場人物は施設の職員やご利用者の同意を取り参加していただいた。
■施設が分かる動画の作成
・施設を分かりやすく紹介するため、各サービス内容や実績、職員紹介など13本の動画を職員で作成した。
・サービスを検討されている方やケアマネジャー等に広く伝えるため、ホームページや併設病院で動画を放映した。また、施設受付にデジタルサイネージ(大型モニター)を新設し、来客された方の待ち時間に見ていただけるようにした。
■電子パンフレットの作成
・広報の横展開として、ホームページで使用した素材を、持ち出し用のタブレットやスマートフォンに取り込み、訪問先などでも視覚的に分かりやすく施設を説明できるようにした。
■施設公式キャラクター「はーとぴー」の制作
・施設内で公募し、職員がオリジナルキャラクターのデザインとネーミングを考案し、商標登録した。
・ホームページや広報物等だけでなく、職員にも自由に使えるように素材を提供し、社内資料や社外資料などあらゆる場面で使用をして目に触れる機会を増やし、キャラクターイコール「老健はーとぴあ」と認知していただけるよう工夫した。
B: 広報の体制作り
■広報に係る業務の洗い出しと改善・業務内容が重複していた社内の「ブランディング・地域・広報」の役割を整理し、無駄を削減した。
・活動内容の発信方法を整理し、地域活動前に「ホームページのお知らせページへ掲載」、開催後「ブログページへ掲載」する流れを作り、社外や社内に広く活動内容が分かるようにした。
■地域活動・広報に関わる活動を併設病院の広報と連携し体制を強化
・併設病院は認知度が高いため、病院主催の市民公開講座やイベント等の広報の際「いざという時に連携できる施設」としてアピールする仕組みを整えた。
・併設病院のイベントでは、施設の強みである「認知症ケア」をテーマにしたコーナを設置し、施設を知っていただく機会を増やした。
■法人全体の情報を集約した広報誌に刷新
・施設単独の広報誌から併設病院の広報誌へ統合させ地域の病院等、広報先を拡大させた。
【結果】
・広報先の増加や広報元になるコンテンツが充実し、広報の幅が広がった。
・ホームページの閲覧数が刷新前と比較して2.18倍になった。
・ホームページは、スマートフォン対応することで見やすくなり、営業ツールとして活用できるようになった。
・ホームページの刷新をきっかけに、改めてケアマネジャーへ「ホームページの案内」を基にした営業活動にて施設の特徴をアピールができた。「見やすく(分かり易く)、暖かい雰囲気でかわいい」と良い評判も得られた
・資料や動画も職員が作成しているため、メンテナンスが簡単で速やかに実施できる。・問い合わせ件数が活動前の2021年に比べ2024年度は20%増加した。
・新たに作成したコンテンツは、タブレットやスマートフォンにも横展開し営業ツールとして活用することで口頭で説明をする時間を、動画や写真で伝えることができ説明の時間短縮で年間50時間削減となり業務改善に繋がった。
【考察】
・ホームページの閲覧数が上がった要因は、スマートフォン対応をしたことや検索エンジンで上位に表示されるようホームページの原稿作成時にSEO対策を行ったことが有用であったと考えられた。
・企画・デザイン・掲載内容等、職員が裁量を任せられたことで、自分たちの思いを形にでき、施設の強みとして伝えたいことを魅力的に発信することができたと考えられた。
・施設を知ってもらう機会が増えたのは、老健単体ではなく併設病院と連携して地域活動をしたことで宣伝対象者が増えたためと考えられた。また部門を越えて活動することで法人全体のブランド価値を向上させることが重要であると考えられた。
・持ち出し用のタブレット・スマートフォンやサイネージにも横展開ができ広報のツールが増え、広報の体制づくりが強化されたと考えられた。
・口頭による説明を動画に変更した結果、ペーパーレス化や時間短縮の業務改善に繋げることができたと考えられた。
【結語】広報活動では自分達らしいブランド価値を効果的に伝え施設のファンを増やすことが重要である。今後は外部だけでなく職員への発信にも力を入れ、職員一人ひとりが自施設のファンになる取り組みも強化したい。