講演情報
[28-P-LGFEZ-04]不調の原因ってなんじゃろ移乗の基本に戻ってみよう
岡山県 ○松本 真弓1, 榊原 恵理子1, 難波 淳子1, 中野 美代子1 (1.介護老人保健施設 倉敷あいあいえん, 2.介護老人保健施設 倉敷あいあいえん, 3.介護老人保健施設 倉敷あいあいえん)
不調の原因ってなんじゃろ
~移乗の基本に戻ってみよう~
【はじめに】
私達が働いている療養棟では要介護2~5までの入所者様が日々生活している。
職員が行う介護としては移乗介助が最も多く、職員の平均年齢も年々高くなり身体的不調を訴える者も増えてきた。それが職員のモチベーションの低下を招き、入所者様への介助の質にまで影響を及ぼしているのでは無いか?という声も聞こえるようになった。
まず始めに職員に対しアンケート調査を実施。その後身体的不調の痛みを軽減する為に当施設で行った取り組みを報告する。
【取り組み内容】
現在当施設職員は看護師11名、介護士26名、計37名の職員である。うち8名が20代(ベトナム技能実習生5名を含む)残りは30代~70代(ベトナム技能実習生1名を含む)で特に50代の職員が多い。
アンケート内容は痛みの有無や痛みを感じる部位、どのような場面で痛みを感じるのか、介護に対する疑問や意見がないか調査を行った。
【アンケート結果、問題点】
アンケート集計の結果
1)痛みを感じると答えた職員は8割程度いた。
2)痛みの部位は肩や腰と答えた職員は7割程度いた。
3)どのような場面では、移乗介助時や入浴介助という回答が多数あった。
4)介護に対する疑問や意見については
・移乗動作に不安がある。
・移乗介助などに使用する補助具を増やして欲しい。
・20代、30代の若い職員及びベトナム技能実習生もコルセットやサポーターを使用して業務に当たっている。
移乗介助時の動作に不安があると回答を受け、入所者様側から介助を受ける際に感じる職員に対しての思いを聞き取り調査した結果
・怖い ・落ちそうな
との回答があったので、アンケート内容の全てを理学療法士に報告した。
今回車椅子に乗車している入所者様の移乗介助に絞り相談を行った。
まず理学療法士からはボディーメカニクスを取り入れた動画を勧めてもらった。職員全員に視聴をしてもらい意識付けをして業務に当たった上で、身体の状態の変化や気づきがあるか再度アンケート調査を行った。
回答には
(1)移乗介助時に力任せになり無理な体勢で行っていたが、ボディーメカニクスを学んだことによりきちんとした移乗介助が出来るようになった。基本に返ることで痛みの軽減に繋がった。
(2)ベトナム技能実習生や介護経験が浅い職員には、理学療法士から基本を学んでもらう為に直接指導して頂き、ためになった。楽になったと回答があった。
(3)動画の内容をすでに実践出来ている人もいて、職員間のスキルの差を改めて実感することとなった。
(4)学んだ事を実践しようとしても下肢に力が入らない方、拘縮が強い方、指示が入りにくい方には介助が難しかった。
回答を受け理学療法士に報告し相談をした。
(4)については、動画を撮影しながら理学療法士にレクチャーを受けた。
職員全員に再び視聴してもらい周知することができた。
ポイントを掴めば、介助が難しいと感じていた方も無理なく移乗介助が出来るようになった。
職員間でのスキルの差も少しずつだが埋まってきた。
【考察まとめ】
身体的不調の原因としてわかった事は
〈1〉正しく移乗介助を行っていたつもりでいたが忙しさや慣れ、介助量の多さなどの勝手な理由で無意識に基本から外れた介助を行っていた事に気づいた。その状態が定着してしまった事で身体に負担を掛け、痛みを引き起こす原因になってしまった。
〈2〉声掛けが不十分だった為に入所者様への不快な思いや怪我のリスクになってしまった。コミュニケーションが足りておらず声掛けの大切さを痛感した。
〈3〉本来移乗介助時に身体を近づけ適切な距離で介助していたが、ここ数年の感染症の増加により距離を取る介助になっていたことに気付かされた。
〈4〉ベトナム技能実習生には、これまで自分達のしやすい移乗方法を教えた事で痛みの原因を作ってしまったのではないかと反省させられた。
今回理学療法士からの指導により、介助者の身体的疲労の軽減に繋がる重心の置き方や効果的に使うべき筋肉の部位など新たな視点も得られた。
ベトナム技能実習生の不調部位が改善されることも期待したい。
この度の取り組みにより改めて何事も基本が重要であることを全員で意識周知することができた。
職員の身体的負担を最小限に抑えられただけでなく、お互いにとって優しい介助を行えるように変わったと実感している。
今後も継続的な取り組みを通じて基本に戻り、身体的不調の緩和と入所者様への安心安全な介護提供を第一に目指し、介助の質の向上に努めていきたいと思う。
~移乗の基本に戻ってみよう~
【はじめに】
私達が働いている療養棟では要介護2~5までの入所者様が日々生活している。
職員が行う介護としては移乗介助が最も多く、職員の平均年齢も年々高くなり身体的不調を訴える者も増えてきた。それが職員のモチベーションの低下を招き、入所者様への介助の質にまで影響を及ぼしているのでは無いか?という声も聞こえるようになった。
まず始めに職員に対しアンケート調査を実施。その後身体的不調の痛みを軽減する為に当施設で行った取り組みを報告する。
【取り組み内容】
現在当施設職員は看護師11名、介護士26名、計37名の職員である。うち8名が20代(ベトナム技能実習生5名を含む)残りは30代~70代(ベトナム技能実習生1名を含む)で特に50代の職員が多い。
アンケート内容は痛みの有無や痛みを感じる部位、どのような場面で痛みを感じるのか、介護に対する疑問や意見がないか調査を行った。
【アンケート結果、問題点】
アンケート集計の結果
1)痛みを感じると答えた職員は8割程度いた。
2)痛みの部位は肩や腰と答えた職員は7割程度いた。
3)どのような場面では、移乗介助時や入浴介助という回答が多数あった。
4)介護に対する疑問や意見については
・移乗動作に不安がある。
・移乗介助などに使用する補助具を増やして欲しい。
・20代、30代の若い職員及びベトナム技能実習生もコルセットやサポーターを使用して業務に当たっている。
移乗介助時の動作に不安があると回答を受け、入所者様側から介助を受ける際に感じる職員に対しての思いを聞き取り調査した結果
・怖い ・落ちそうな
との回答があったので、アンケート内容の全てを理学療法士に報告した。
今回車椅子に乗車している入所者様の移乗介助に絞り相談を行った。
まず理学療法士からはボディーメカニクスを取り入れた動画を勧めてもらった。職員全員に視聴をしてもらい意識付けをして業務に当たった上で、身体の状態の変化や気づきがあるか再度アンケート調査を行った。
回答には
(1)移乗介助時に力任せになり無理な体勢で行っていたが、ボディーメカニクスを学んだことによりきちんとした移乗介助が出来るようになった。基本に返ることで痛みの軽減に繋がった。
(2)ベトナム技能実習生や介護経験が浅い職員には、理学療法士から基本を学んでもらう為に直接指導して頂き、ためになった。楽になったと回答があった。
(3)動画の内容をすでに実践出来ている人もいて、職員間のスキルの差を改めて実感することとなった。
(4)学んだ事を実践しようとしても下肢に力が入らない方、拘縮が強い方、指示が入りにくい方には介助が難しかった。
回答を受け理学療法士に報告し相談をした。
(4)については、動画を撮影しながら理学療法士にレクチャーを受けた。
職員全員に再び視聴してもらい周知することができた。
ポイントを掴めば、介助が難しいと感じていた方も無理なく移乗介助が出来るようになった。
職員間でのスキルの差も少しずつだが埋まってきた。
【考察まとめ】
身体的不調の原因としてわかった事は
〈1〉正しく移乗介助を行っていたつもりでいたが忙しさや慣れ、介助量の多さなどの勝手な理由で無意識に基本から外れた介助を行っていた事に気づいた。その状態が定着してしまった事で身体に負担を掛け、痛みを引き起こす原因になってしまった。
〈2〉声掛けが不十分だった為に入所者様への不快な思いや怪我のリスクになってしまった。コミュニケーションが足りておらず声掛けの大切さを痛感した。
〈3〉本来移乗介助時に身体を近づけ適切な距離で介助していたが、ここ数年の感染症の増加により距離を取る介助になっていたことに気付かされた。
〈4〉ベトナム技能実習生には、これまで自分達のしやすい移乗方法を教えた事で痛みの原因を作ってしまったのではないかと反省させられた。
今回理学療法士からの指導により、介助者の身体的疲労の軽減に繋がる重心の置き方や効果的に使うべき筋肉の部位など新たな視点も得られた。
ベトナム技能実習生の不調部位が改善されることも期待したい。
この度の取り組みにより改めて何事も基本が重要であることを全員で意識周知することができた。
職員の身体的負担を最小限に抑えられただけでなく、お互いにとって優しい介助を行えるように変わったと実感している。
今後も継続的な取り組みを通じて基本に戻り、身体的不調の緩和と入所者様への安心安全な介護提供を第一に目指し、介助の質の向上に努めていきたいと思う。
