講演情報
[28-P-LGFEZ-07]老健における入院リスクを減らすための予備的研究
長野県 ○浦野 篤, 横沢 明美, 原 瑞恵 (介護老人保健施設ハーモニー)
【目的】
介護老人保健施設において入所者の体調悪化を予防することは、入所者やご家族の安心につながるだけでなく、在宅復帰率維持や所定疾患施設療養費の算定など介護施設としての経営基盤の維持にもつながる重要な取り組みである。しかし、入所されている方々は基本超高齢であり、生理的予備能も低下し、心不全増悪や誤嚥性肺炎、転倒による骨折など医療機関での治療が必要になりやすい状態でもある。先行研究では、栄養因子が入院リスク判定に有用であるという報告もあるが、経時的変化をみている報告は散見されない。
そこで今回、入院される方と入所継続できている方で、12か月前から基本情報や栄養因子などで変化をみることができないか調査した。
【方法】
対象は令和6年10月時点で本入所している利用者のうち、入所中に入院し入院時点から過去12か月入所歴がある者15名を入院群。入院せずに12か月入所歴がある者33名をコントロール群とした。採取データは、測定が簡便で日々の一連業務の中で評価している項目とした。要介護度、栄養アセスメント、食形態、Barthel Index(以下:BI)、体重、Body Mass Index(以下:BMI)とした。これらの項目を12か月分、各12個採取した。解析には、統計解析フリーソフトEZRを使用し、両群間での相関を算出するために線形混合モデルを用いた。被験者間の変動を考慮するため、利用者IDを切片のランダム効果としてモデルに含めた。モデルはREML法により適合され、固定効果の有意性検定にはSatterthwaiteの自由度推定法を用いた。
【倫理的配慮】
ヘルシンキ宣言の倫理原則に基づき実施された。参加者には匿名性が完全に保証され、データは個人が特定できない形で収集・分析された。得られたデータは研究目的以外には使用せず、厳重に管理された。
【結果】
線形混合モデルによる各群で時間経過が各項目に与える影響(相互作用効果の推定結果)を、推定値/標準偏差/t値/p値の順で以下に表す。
要介護度:0.021/0.008/2.57/0.01、栄養アセスメント:0.048/0.014/3.498/<0.001、食形態:0.0006/0.01/0.064/0.94、BI:0.296/0277/1.069/0.286、体重:0.048/0.014/3.498/0.001、BMI:0.048/0.014/3.498/0.001。時間経過に対し入院群と未入院群で有意差があったものは、要介護度、栄養アセスメント、体重、BMIであった。
【考察】
要介護度は、入院群と未入院群ともに時間経過とともに増加傾向にあるが、未入院群はそれが有意に緩やかであった。栄養アセスメントは、入院群では時間経過とともに悪化する傾向があるが、未入院群ではそれが改善する傾向があった。体重は、入院群は時間経過での変化は有意な変化が見られない一方で、未入院群ではそれが有意に低下する傾向があった。BMIは未入院群において時間経過とともにBMIが有意に減少する。
先行研究の同様に、栄養アセスメント・体重・BMIといった栄養因子の有意差が認められた。要介護度については増加の傾きが一つのリスク指標になることも示唆された。
今回は、各項目が入院群と未入院群で有意差があるかを検証したが、今後は時間経過の中でどの時点から両群に有意差が生まれるか、さらに項目も増やしながら入院を未然に防ぐ指標を作成していく。
介護老人保健施設において入所者の体調悪化を予防することは、入所者やご家族の安心につながるだけでなく、在宅復帰率維持や所定疾患施設療養費の算定など介護施設としての経営基盤の維持にもつながる重要な取り組みである。しかし、入所されている方々は基本超高齢であり、生理的予備能も低下し、心不全増悪や誤嚥性肺炎、転倒による骨折など医療機関での治療が必要になりやすい状態でもある。先行研究では、栄養因子が入院リスク判定に有用であるという報告もあるが、経時的変化をみている報告は散見されない。
そこで今回、入院される方と入所継続できている方で、12か月前から基本情報や栄養因子などで変化をみることができないか調査した。
【方法】
対象は令和6年10月時点で本入所している利用者のうち、入所中に入院し入院時点から過去12か月入所歴がある者15名を入院群。入院せずに12か月入所歴がある者33名をコントロール群とした。採取データは、測定が簡便で日々の一連業務の中で評価している項目とした。要介護度、栄養アセスメント、食形態、Barthel Index(以下:BI)、体重、Body Mass Index(以下:BMI)とした。これらの項目を12か月分、各12個採取した。解析には、統計解析フリーソフトEZRを使用し、両群間での相関を算出するために線形混合モデルを用いた。被験者間の変動を考慮するため、利用者IDを切片のランダム効果としてモデルに含めた。モデルはREML法により適合され、固定効果の有意性検定にはSatterthwaiteの自由度推定法を用いた。
【倫理的配慮】
ヘルシンキ宣言の倫理原則に基づき実施された。参加者には匿名性が完全に保証され、データは個人が特定できない形で収集・分析された。得られたデータは研究目的以外には使用せず、厳重に管理された。
【結果】
線形混合モデルによる各群で時間経過が各項目に与える影響(相互作用効果の推定結果)を、推定値/標準偏差/t値/p値の順で以下に表す。
要介護度:0.021/0.008/2.57/0.01、栄養アセスメント:0.048/0.014/3.498/<0.001、食形態:0.0006/0.01/0.064/0.94、BI:0.296/0277/1.069/0.286、体重:0.048/0.014/3.498/0.001、BMI:0.048/0.014/3.498/0.001。時間経過に対し入院群と未入院群で有意差があったものは、要介護度、栄養アセスメント、体重、BMIであった。
【考察】
要介護度は、入院群と未入院群ともに時間経過とともに増加傾向にあるが、未入院群はそれが有意に緩やかであった。栄養アセスメントは、入院群では時間経過とともに悪化する傾向があるが、未入院群ではそれが改善する傾向があった。体重は、入院群は時間経過での変化は有意な変化が見られない一方で、未入院群ではそれが有意に低下する傾向があった。BMIは未入院群において時間経過とともにBMIが有意に減少する。
先行研究の同様に、栄養アセスメント・体重・BMIといった栄養因子の有意差が認められた。要介護度については増加の傾きが一つのリスク指標になることも示唆された。
今回は、各項目が入院群と未入院群で有意差があるかを検証したが、今後は時間経過の中でどの時点から両群に有意差が生まれるか、さらに項目も増やしながら入院を未然に防ぐ指標を作成していく。
