講演情報
[22-P-L002-02]座談会活動による利用者主体性と相互支援の形成デイケア座談会「明日をつくろう会」の実践
*遠藤 ゆかり、三浦 直子、斎藤 竜司、谷 愛、山田 里美 (埼玉県 AMG介護老人保健施設三郷ケアセンター)
【背景】当事業所デイケアでは、利用者の社会的孤立感や自己効力感の低さが課題となっていた。身体機能や認知機能の重症度に関わらず、「人と関わる自信がない」「自分には役割がない」といった思いを抱える利用者が多くみられた。また、他者との交流を望みながらも、自ら会話に入ることが難しい利用者も少なくなかった。そのため、利用者同士が安心して自己表現できる場を設け、相互交流を促進する必要があると考えた。
【目的】日常の感情や体験を共有する機会を設けることで、コミュニケーション能力の向上、社会的つながりの強化、自己受容および自己効力感の向上を図り、自立支援につなげることを目的とした。
【方法】座談会活動を実施し、活動継続の中で利用者から提案のあった「明日をつくろう会」という名称を用いた。活動は週5日、1回30分実施し、参加者は1回6~12名とした。参加者を2グループに分け、各グループにスタッフ1名を配置した。テーマは「ありがとうと感じたこと」「自分を褒めてみよう!」「くすっと笑えた話」など日常生活に関連した内容とし、利用者が自身の経験や感情を自然に話せるよう支援した。
発言量の多い利用者だけでなく、発言が少ない利用者にも配慮し、スタッフが適宜声掛けを行った。また、認知機能低下や難聴を有する利用者に対しては、参加者同士の組み合わせや座席配置の調整、聞き取りやすい声量や話す速度への配慮、集音機やマイクの利用など環境調整を行った。
当初は自由参加形式としていたが、参加頻度に偏りがみられたため、メンバー選定方式へ変更し、参加機会の均等化と継続参加の促進を図った。その後、継続参加利用者が新規利用者へ声掛けや配慮を行う場面が増え、参加しやすい雰囲気が形成されたため、再び自由参加形式へ移行した。
また、毎回、会終了時に次回のテーマを提示し、日常のエピソードを整理して参加するよう促した。活動後にはアンケートを実施し、「人と話すのが楽しくなった」「他の利用者と話す機会が増えた」「仲間ができたと感じる」「自分の考えを話せるようになった」「自分にもできることがあると思える」について5段階評価を行い、「この会は楽しいか」「また参加したいか」についても回答を得た。
【結果】アンケートでは概ね良好な回答が得られ、「人と話すのが楽しくなった」「他の利用者と話す機会が増えた」「また参加したい」などの肯定的反応が多くみられた。活動中には、「顔見知りから仲間になった」「話を聞いてもらえてうれしい」「自分にもできることがあると思えた」といった発言がみられ、社会的つながりの強化や自己肯定感の向上が示唆された。
さらに、発言が少ない利用者においても、うなずきや笑顔など非言語的反応がみられ、感情共有を通じた関係性の深化が認められた。加えて、毎回次回テーマを提示したことにより、「宿題を出されたようだ」との発言や、話題をメモするなど事前に内容を整理して参加する利用者もみられた。このような行動は、座談会が単なる当日の交流にとどまらず、日常生活における振り返りや記憶の外在化を促す契機となっていたと考えられた。
また、活動の継続に伴い、比較的活動性の高い利用者が他者への声掛けやテーマ提案を行うようになり、運営に主体的に関与する変化がみられた。加えて、継続参加利用者が新規利用者へ配慮し、参加を促す場面もみられ、利用者同士による相互支援的な関係が形成された。これらの過程で、利用者から会の名称として「明日をつくろう会」が提案されるなど、活動への主体性の高まりも認められた。一方で、参加意欲や発言量には個人差があり、環境設定や進行方法の工夫が必要であることも明らかとなった。
【考察】本活動は、利用者同士が経験や感情を共有することで孤立感の軽減や相互理解の促進につながり、自立支援に寄与した可能性が示唆された。特に、話を聞いてもらう経験や役割獲得の実感は、自己効力感および自己有用感の向上に影響したと考えられる。
また、身体機能や認知機能の重症度に関わらず心理社会的課題が存在していたことから、通所リハビリテーションにおいては身体面のみならず心理的側面への支援の重要性が示された。さらに、利用者が主体的に活動へ関与し、他者支援へと役割が拡張したことは、社会参加支援としての意義が大きいと考えられる。加えて、事前準備行動(メモ作成や話題整理)の出現は、活動が日常生活の認知的関与を高める可能性を示唆しており、単なる交流活動を超えた生活機能への波及効果が考えられた。さらに、利用者同士による新規参加者への配慮や声掛けは、「支援される側」から「支える側」への役割変化を示していた。この役割変化は、主体的な行動や他者への働きかけといった行動変容を促し、相互支援関係の形成につながったと考えられた。
【結論】「明日をつくろう会」は、利用者のコミュニケーション促進、社会的つながりの強化、自己効力感向上に有効であり、自立支援につながる取り組みであった。また、利用者主体の活動へと発展し、相互支援的な関係性が形成されたことは本活動の大きな成果である。今後は、こうした相互作用および生活への波及効果を維持・発展させる運営方法や評価方法の検討が課題である。
【目的】日常の感情や体験を共有する機会を設けることで、コミュニケーション能力の向上、社会的つながりの強化、自己受容および自己効力感の向上を図り、自立支援につなげることを目的とした。
【方法】座談会活動を実施し、活動継続の中で利用者から提案のあった「明日をつくろう会」という名称を用いた。活動は週5日、1回30分実施し、参加者は1回6~12名とした。参加者を2グループに分け、各グループにスタッフ1名を配置した。テーマは「ありがとうと感じたこと」「自分を褒めてみよう!」「くすっと笑えた話」など日常生活に関連した内容とし、利用者が自身の経験や感情を自然に話せるよう支援した。
発言量の多い利用者だけでなく、発言が少ない利用者にも配慮し、スタッフが適宜声掛けを行った。また、認知機能低下や難聴を有する利用者に対しては、参加者同士の組み合わせや座席配置の調整、聞き取りやすい声量や話す速度への配慮、集音機やマイクの利用など環境調整を行った。
当初は自由参加形式としていたが、参加頻度に偏りがみられたため、メンバー選定方式へ変更し、参加機会の均等化と継続参加の促進を図った。その後、継続参加利用者が新規利用者へ声掛けや配慮を行う場面が増え、参加しやすい雰囲気が形成されたため、再び自由参加形式へ移行した。
また、毎回、会終了時に次回のテーマを提示し、日常のエピソードを整理して参加するよう促した。活動後にはアンケートを実施し、「人と話すのが楽しくなった」「他の利用者と話す機会が増えた」「仲間ができたと感じる」「自分の考えを話せるようになった」「自分にもできることがあると思える」について5段階評価を行い、「この会は楽しいか」「また参加したいか」についても回答を得た。
【結果】アンケートでは概ね良好な回答が得られ、「人と話すのが楽しくなった」「他の利用者と話す機会が増えた」「また参加したい」などの肯定的反応が多くみられた。活動中には、「顔見知りから仲間になった」「話を聞いてもらえてうれしい」「自分にもできることがあると思えた」といった発言がみられ、社会的つながりの強化や自己肯定感の向上が示唆された。
さらに、発言が少ない利用者においても、うなずきや笑顔など非言語的反応がみられ、感情共有を通じた関係性の深化が認められた。加えて、毎回次回テーマを提示したことにより、「宿題を出されたようだ」との発言や、話題をメモするなど事前に内容を整理して参加する利用者もみられた。このような行動は、座談会が単なる当日の交流にとどまらず、日常生活における振り返りや記憶の外在化を促す契機となっていたと考えられた。
また、活動の継続に伴い、比較的活動性の高い利用者が他者への声掛けやテーマ提案を行うようになり、運営に主体的に関与する変化がみられた。加えて、継続参加利用者が新規利用者へ配慮し、参加を促す場面もみられ、利用者同士による相互支援的な関係が形成された。これらの過程で、利用者から会の名称として「明日をつくろう会」が提案されるなど、活動への主体性の高まりも認められた。一方で、参加意欲や発言量には個人差があり、環境設定や進行方法の工夫が必要であることも明らかとなった。
【考察】本活動は、利用者同士が経験や感情を共有することで孤立感の軽減や相互理解の促進につながり、自立支援に寄与した可能性が示唆された。特に、話を聞いてもらう経験や役割獲得の実感は、自己効力感および自己有用感の向上に影響したと考えられる。
また、身体機能や認知機能の重症度に関わらず心理社会的課題が存在していたことから、通所リハビリテーションにおいては身体面のみならず心理的側面への支援の重要性が示された。さらに、利用者が主体的に活動へ関与し、他者支援へと役割が拡張したことは、社会参加支援としての意義が大きいと考えられる。加えて、事前準備行動(メモ作成や話題整理)の出現は、活動が日常生活の認知的関与を高める可能性を示唆しており、単なる交流活動を超えた生活機能への波及効果が考えられた。さらに、利用者同士による新規参加者への配慮や声掛けは、「支援される側」から「支える側」への役割変化を示していた。この役割変化は、主体的な行動や他者への働きかけといった行動変容を促し、相互支援関係の形成につながったと考えられた。
【結論】「明日をつくろう会」は、利用者のコミュニケーション促進、社会的つながりの強化、自己効力感向上に有効であり、自立支援につながる取り組みであった。また、利用者主体の活動へと発展し、相互支援的な関係性が形成されたことは本活動の大きな成果である。今後は、こうした相互作用および生活への波及効果を維持・発展させる運営方法や評価方法の検討が課題である。
