講演情報
[22-O-L001-02]老健施設における下肢ROM・移乗FIMの関連
*堤 聖、中尾 留民、福嶋 真純、溝口 貴之 (福岡県 介護老人保健施設 水郷苑)
【はじめに】老健入所者の下肢筋力低下や関節可動域(ROM)制限はADL低下の要因となる。本研究はFrail CS-10および下肢ROMと移乗FIMの関連を検討し、移乗能力に影響する因子を解明することを目的とした。
【方法】対象は当施設入所者76名。評価項目はFrail CS-10、移乗FIM、下肢ROM(股・膝・足関節)、下腿周径、年齢、介護度とした。なお、CS-10は実施可能な19名を対象とした。統計解析はCS-10と移乗FIMの相関(Spearman)、CS-10中央値による2群比較(t検定)、ROMおよび下腿周径と移乗FIMの相関(Spearman)、移動能力に基づく3群間比較(Kruskal-Wallis検定)、移乗FIMを目的変数とした重回帰分析を実施した。有意水準は5%とした。本研究はヘルシンキ宣言に基づき施設内倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】CS-10と移乗FIMの間に有意相関は認めなかったが正の関係を示した(ρ=0.322、p=0.178)。ROMでは複数関節項目で移乗FIMと有意な正相関を認め、特に股関節屈曲ROM(左)が最も高い相関を示した(ρ=0.531、p<0.001)。下腿周径も中等度の相関を認めた(ρ=0.506)。歩行可能群は他群と比較して移乗FIMが有意に高値であった(p<0.001)。重回帰分析では介護度(標準化β=-0.458、p<0.001)および股関節屈曲ROM(標準化β=0.227、p=0.049)が独立した関連因子として抽出され、調整済みR2=0.489であった。
【考察】股関節屈曲ROMは立ち上がりや着座など移乗動作の基盤となる運動であり、その制限がADL低下に直結することが示唆された。下腿周径との関連は傾向を認めたが有意水準に達しなかった(p=0.052)。Frail CS-10は有意な関連を示さなかったが、これはn=19という少数例による検出力不足および選択バイアスの影響と考えられる。老健入所者では筋力のみならず関節拘縮の影響が大きく、ROMの重要性が相対的に高まったと考えられる。下肢ROMの維持・改善を目的とした介入、特に股関節屈曲ROMの維持を優先した運動療法・ポジショニング介入が移乗自立度向上につながると考える。
【方法】対象は当施設入所者76名。評価項目はFrail CS-10、移乗FIM、下肢ROM(股・膝・足関節)、下腿周径、年齢、介護度とした。なお、CS-10は実施可能な19名を対象とした。統計解析はCS-10と移乗FIMの相関(Spearman)、CS-10中央値による2群比較(t検定)、ROMおよび下腿周径と移乗FIMの相関(Spearman)、移動能力に基づく3群間比較(Kruskal-Wallis検定)、移乗FIMを目的変数とした重回帰分析を実施した。有意水準は5%とした。本研究はヘルシンキ宣言に基づき施設内倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】CS-10と移乗FIMの間に有意相関は認めなかったが正の関係を示した(ρ=0.322、p=0.178)。ROMでは複数関節項目で移乗FIMと有意な正相関を認め、特に股関節屈曲ROM(左)が最も高い相関を示した(ρ=0.531、p<0.001)。下腿周径も中等度の相関を認めた(ρ=0.506)。歩行可能群は他群と比較して移乗FIMが有意に高値であった(p<0.001)。重回帰分析では介護度(標準化β=-0.458、p<0.001)および股関節屈曲ROM(標準化β=0.227、p=0.049)が独立した関連因子として抽出され、調整済みR2=0.489であった。
【考察】股関節屈曲ROMは立ち上がりや着座など移乗動作の基盤となる運動であり、その制限がADL低下に直結することが示唆された。下腿周径との関連は傾向を認めたが有意水準に達しなかった(p=0.052)。Frail CS-10は有意な関連を示さなかったが、これはn=19という少数例による検出力不足および選択バイアスの影響と考えられる。老健入所者では筋力のみならず関節拘縮の影響が大きく、ROMの重要性が相対的に高まったと考えられる。下肢ROMの維持・改善を目的とした介入、特に股関節屈曲ROMの維持を優先した運動療法・ポジショニング介入が移乗自立度向上につながると考える。
