講演情報
[22-O-L003-03]魅力ある事業所を目指そう‼~選ばれる訪問リハビリ事業所とは~
*遠藤 慎一、新和 晶子、永見 志津子、末吉 良啓、渡部 拓磨、佐々 智彦 (鳥取県 介護老人保健施設さかい幸朋苑)
【はじめに】
当施設では、令和3年4月に訪問リハビリテーション事業所を開設し、以降、介護保険給付における訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)業務を担ってきた。近年、他法人による訪問リハ事業所の新規参入や、近隣地域からの事業所進出が相次いでおり、利用者確保に向けた積極的な取り組みが求められる状況となっている。
このような背景を踏まえ、当事業所が地域において「選ばれる事業所」となるために必要な要素を明らかにすることを目的として、境港市およびその周辺地域の介護支援専門員(以下、ケアマネ)を対象にアンケート調査を実施した。本報告では、その調査結果を基に、「魅力ある事業所」となるための現状の課題および今後実践可能な取り組みについて検討した内容を報告する。
【方法】
対象:境港市地域包括支援センターならびに市内および周辺地域の居宅介護支援事業所、計18事業所に在籍するケアマネ68名とした。
調査方法:令和7年10月23日から同年11月10日までの期間に、訪問リハに関する意識調査アンケートを実施した。
調査内容:訪問リハサービス導入経験の有無、訪問リハサービスに求める要素、訪問リハ事業所を選択する際の重視点とした。加えて自由記載項目として、新規に訪問リハサービスを導入する場合に第一選択とする事業所およびその理由についても調査を行った。
【結果】
1.アンケートの有効回答数
18事業所中17事業所
68名中62名(回収率91.2%)
経験年数内訳:1~2年 16%、
3~10年未満 34%、10年以上 50%
2. アンケート調査結果
訪問リハの使用状況は9割8分のケアマネが訪問リハの導入経験あり。そのうち約9割が現在も使用しており、その中で約6割が当事業所も使用している。
訪問リハを選ぶ理由は、主治医の指示、ご利用者・ご家族の希望、在宅で出来ることを増やしたい、QOLを高めて欲しいという意見が多くみられた。
訪問リハ事業所を選ぶポイントは、「ご利用者・ご家族の希望」(67%)、「希望職種の配置」(67%)、「ご家族の不安や疑問に寄り添う姿勢」(51%)が上位であった。「訪問枠の空き」「QOL向上の実感」は各30%、「多職種連携のしやすさ」は25%であった。経験年数の長いケアマネほど「QOL向上の実感」を重視する傾向が認められた。
新規に訪問リハサービスを導入する場合に、第一にどの事業所を選択するのかとの質問に関する回答では、特定の事業所や抽象的な表現の回答が種々みられたが、その理由に関しての自由記載では以下の意見がみられた。情報共有や連携・相談のしやすさ、セラピストからの専門的な提案がある、ご利用者・ご家族に寄り添った支援をしてくれた実績がある、ご利用者・ご家族の意向に沿った目標に対して支援をしてもらえる、希望職種(特に言語聴覚士)の在籍などが挙げられた。
【考察】
ケアマネが訪問リハ事業所を選択する際に重要視するポイントは「ご利用者・ご家族の希望」(67%)であった。この背景には、ご利用者が既に同法人の介護保険サービスを利用していることや、法人としてのブランド力が影響している等の可能性が考えられる。
ご利用者・ご家族に希望してもらうためには、まず事業所の存在や特色を認知してもらうことが必要となる。ただ現状では、当事業所の訪問リハサービス内容について地域住民や利用者層への情報発信が十分とは言えず、広報活動の強化が課題であると考えられる。具体的には、公民館など公共施設でのパンフレット設置、地域の交流行事への参加等を通じた継続的な情報発信が有効であるのではないかと考える。
「希望職種の配置」(67%)も重要視するポイントであった。当事業所は境港市内で唯一訪問言語聴覚士が在籍している点も大きな強みである。「訪問枠が空いている」(30%)の項目にも関係してくるが、理学療法士・作業療法士に比べ言語聴覚士の配置人員が少なく、訪問依頼に対する受け入れ体制の確保が課題となってくる。今後は需要に応じた人員体制の整備や、効率的な訪問スケジュール調整など、受け入れ体制の強化が求められる。
さらに、ケアマネの経験年数によって重視する項目に差がみられ、とくに中堅以上では「ご利用者のQOL向上が実感できる」が上位に挙がった。このことから、経験年数の長いケアマネほど、サービスの体制や形式よりも、実際の効果・成果を重視する傾向があると考えられる。今後は、機能改善や生活動作の拡大といった成果を具体的に示し、QOL向上の可視化を図る取り組みが重要である。
自由記載では、半数以上が事業所の対応に関する内容であり、報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションの質や、連携のスムーズさが信頼構築に直結していることが示唆された。すなわち、専門性のみならず、日常的な情報共有の積み重ねが事業所選択の重要な基盤となっていると考えられる。
以上より、訪問リハ事業所の選択には、ご利用者・ご家族からの認知と信頼、専門職配置という機能的強み、受け入れ体制の確保、QOL向上の成果提示、円滑な連携体制の構築が相互に関連して影響していることが示唆された。今後はこれらを戦略的に強化していくことが、地域における選ばれる事業所づくりにつながると考えられる。
【まとめ】
訪問リハ導入時にケアマネから選んでもらえるような事業所・取り組みとは何かを明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した。調査により、ケアマネが重視している点と、当事業所が現状できていない課題に対しての実践可能な取り組みが示唆された。
当施設では、令和3年4月に訪問リハビリテーション事業所を開設し、以降、介護保険給付における訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)業務を担ってきた。近年、他法人による訪問リハ事業所の新規参入や、近隣地域からの事業所進出が相次いでおり、利用者確保に向けた積極的な取り組みが求められる状況となっている。
このような背景を踏まえ、当事業所が地域において「選ばれる事業所」となるために必要な要素を明らかにすることを目的として、境港市およびその周辺地域の介護支援専門員(以下、ケアマネ)を対象にアンケート調査を実施した。本報告では、その調査結果を基に、「魅力ある事業所」となるための現状の課題および今後実践可能な取り組みについて検討した内容を報告する。
【方法】
対象:境港市地域包括支援センターならびに市内および周辺地域の居宅介護支援事業所、計18事業所に在籍するケアマネ68名とした。
調査方法:令和7年10月23日から同年11月10日までの期間に、訪問リハに関する意識調査アンケートを実施した。
調査内容:訪問リハサービス導入経験の有無、訪問リハサービスに求める要素、訪問リハ事業所を選択する際の重視点とした。加えて自由記載項目として、新規に訪問リハサービスを導入する場合に第一選択とする事業所およびその理由についても調査を行った。
【結果】
1.アンケートの有効回答数
18事業所中17事業所
68名中62名(回収率91.2%)
経験年数内訳:1~2年 16%、
3~10年未満 34%、10年以上 50%
2. アンケート調査結果
訪問リハの使用状況は9割8分のケアマネが訪問リハの導入経験あり。そのうち約9割が現在も使用しており、その中で約6割が当事業所も使用している。
訪問リハを選ぶ理由は、主治医の指示、ご利用者・ご家族の希望、在宅で出来ることを増やしたい、QOLを高めて欲しいという意見が多くみられた。
訪問リハ事業所を選ぶポイントは、「ご利用者・ご家族の希望」(67%)、「希望職種の配置」(67%)、「ご家族の不安や疑問に寄り添う姿勢」(51%)が上位であった。「訪問枠の空き」「QOL向上の実感」は各30%、「多職種連携のしやすさ」は25%であった。経験年数の長いケアマネほど「QOL向上の実感」を重視する傾向が認められた。
新規に訪問リハサービスを導入する場合に、第一にどの事業所を選択するのかとの質問に関する回答では、特定の事業所や抽象的な表現の回答が種々みられたが、その理由に関しての自由記載では以下の意見がみられた。情報共有や連携・相談のしやすさ、セラピストからの専門的な提案がある、ご利用者・ご家族に寄り添った支援をしてくれた実績がある、ご利用者・ご家族の意向に沿った目標に対して支援をしてもらえる、希望職種(特に言語聴覚士)の在籍などが挙げられた。
【考察】
ケアマネが訪問リハ事業所を選択する際に重要視するポイントは「ご利用者・ご家族の希望」(67%)であった。この背景には、ご利用者が既に同法人の介護保険サービスを利用していることや、法人としてのブランド力が影響している等の可能性が考えられる。
ご利用者・ご家族に希望してもらうためには、まず事業所の存在や特色を認知してもらうことが必要となる。ただ現状では、当事業所の訪問リハサービス内容について地域住民や利用者層への情報発信が十分とは言えず、広報活動の強化が課題であると考えられる。具体的には、公民館など公共施設でのパンフレット設置、地域の交流行事への参加等を通じた継続的な情報発信が有効であるのではないかと考える。
「希望職種の配置」(67%)も重要視するポイントであった。当事業所は境港市内で唯一訪問言語聴覚士が在籍している点も大きな強みである。「訪問枠が空いている」(30%)の項目にも関係してくるが、理学療法士・作業療法士に比べ言語聴覚士の配置人員が少なく、訪問依頼に対する受け入れ体制の確保が課題となってくる。今後は需要に応じた人員体制の整備や、効率的な訪問スケジュール調整など、受け入れ体制の強化が求められる。
さらに、ケアマネの経験年数によって重視する項目に差がみられ、とくに中堅以上では「ご利用者のQOL向上が実感できる」が上位に挙がった。このことから、経験年数の長いケアマネほど、サービスの体制や形式よりも、実際の効果・成果を重視する傾向があると考えられる。今後は、機能改善や生活動作の拡大といった成果を具体的に示し、QOL向上の可視化を図る取り組みが重要である。
自由記載では、半数以上が事業所の対応に関する内容であり、報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションの質や、連携のスムーズさが信頼構築に直結していることが示唆された。すなわち、専門性のみならず、日常的な情報共有の積み重ねが事業所選択の重要な基盤となっていると考えられる。
以上より、訪問リハ事業所の選択には、ご利用者・ご家族からの認知と信頼、専門職配置という機能的強み、受け入れ体制の確保、QOL向上の成果提示、円滑な連携体制の構築が相互に関連して影響していることが示唆された。今後はこれらを戦略的に強化していくことが、地域における選ばれる事業所づくりにつながると考えられる。
【まとめ】
訪問リハ導入時にケアマネから選んでもらえるような事業所・取り組みとは何かを明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した。調査により、ケアマネが重視している点と、当事業所が現状できていない課題に対しての実践可能な取り組みが示唆された。
