講演情報

[22-O-L008-03]通所型サービスC アクティビティの取り組みについて

*飯田 笑夢 (茨城県 介護老人保健施設 セントラルゆうあい)
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【はじめに、目的】
高齢化の進展により認知症高齢者の増加が予想され、その予防が喫緊の課題となっている。また、手は「第二の脳」といわれ、指先を動かすと、脳の血流量が上がり、認知症予防や物忘れなどに効果があるとされている。今回、当施設のある茨城県牛久市の介護予防・生活支援サービス事業として、当施設が実施した体力UP教室にて、認知機能の低下予防・支援への取り組みとして手工芸を実施した。その結果について報告する。
【方法】
体力UP教室に参加された総合事業対象者と要支援者の8名(79.0 ± 5.01 歳、男性3名・女性5名)を対象とした。介入は2025年10月10日~2025年12月26日までの(週1回、金曜日)全12回実施した。実施時間は午後の14時00分から16時00分、おおよそ2時間とし、内容は体力測定(握力、Functional Reach Test、Timed up and go test、開眼片脚立位、長座体前屈)、ストレッチをはじめとした体操、筋力強化運動。その他、各専門職種からの転倒予防や腰痛・膝痛について、食事や栄養、口腔ケア、血圧等の身近な健康管理に関する講話。基本チェックリストや生活動作、手工芸に関するアンケート調査。そして、認知機能面や上肢手指機能、巧緻動作向上にアプローチした手工芸を行った。手工芸の内容としては、⓵紙粘土を形付けて絵の具で塗り、レジン液でコーティングをして磁石や保存クリップにボンドで貼る作品、⓶容器に保冷剤、ドライフラワー、アクリルストーンを入れ、アロマオイルを垂らした芳香剤、⓷アイロンビーズのコースター、⓸ペットボトルキャップを布で包み、クリスマスツリー型のタペストリーになるように貼り付けるクリスマス飾り⓹干支である馬のホースシューの形をした厚紙に毛糸を巻き付ける干支ストラップ、⓺既存の写真立てにタイルにてデコレーションを行う写真立て作成の6種類を実施。1名が体調不良のため途中終了となってしまったため、参加者数7名(男性2名、女性5名)にアンケートを実施した。
【結果】
作品制作で楽しかったもの(複数回答可)への回答として、「アイロンビーズ」が4件、「紙粘土」「クリスマス飾り」「写真立て」が3件、「干支ストラップ」が1件、「芳香剤」が0件となった。自宅でも作成してみたいと思ったものはあったか(複数回答可)への回答として、「アイロンビーズ」「クリスマス飾り」が3件、「紙粘土」「芳香剤」が2件、「干支ストラップ」「写真立て」が1件となった。実際に自宅で作成したものはあるか、への回答として2名の方が作成したと回答され、「紙粘土」「芳香剤」「アイロンビーズ」が1件ずつ上がっていた。難易度を5段階で示してもらった問いでは、利用者様ごとに難易度の差が見られる結果となった。自由回答の欄では、「色々な作品が作れて楽しかった」「手工芸が楽しかった」と、手工芸の実施に関する前向きな回答が多く見られた。
【考察】
今回の手工芸のアンケート結果より、参加者された全員の方が手工芸が楽しかったと回答されており、体力UP教室全体に関するアンケートにも「手工芸が楽しかった」との意見が聞かれていた。全12回の体力UP教室を途中終了なく継続して参加できた要因として、手工芸の影響も大きかったのではないかと考える。しかし、自宅でも手工芸を実施してみたいという希望は多く聞かれていたが、実際の遂行に至る方は半数に及ばなかったことが分かった。高齢期の認知機能低下を予防するためには、運動習慣や知的活動を積極的に取り入れた活動的な生活習慣の獲得が重要となり、最終的には認知症の発症を遅延できるように継続的な取組として自己管理していく必要があると言われている。百円均一など安価で購入できる物品を使用した手工芸の内容を提供していたが、どの自宅にもあるような身近な物品を選択するなど、自宅での遂行に関するハードルを下げるような作品の内容も検討していきたい。また、認知症予防として継続的な取組が重要となることから、芳香剤のような消耗品など、繰り返し作成しても手持ち無沙汰にならないような作品を検討しても良いと考える。