講演情報

[23-P-P201-02]大人の発達障害を知っていますか?利用者さまも職員も個々の尊厳と個性特性を活かす

*石川 玄子、信野 典子、野口 真由美、石崎 久美子 (栃木県 介護老人保健施設陽南)
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【はじめに】介護施設において、人材育成、確保は喫緊の課題である。離職の理由で職場の人間現関係の問題は1位で24.7%であり(令和6年介護労働実態調査)、 また、ストレスによるメンタルヘルスの問題も増加している。統一したケアの質の向上、スキルアップのためのラダー教育、キャリアパス制度の導入は必須であるが、個々の特性、資質を考慮したシステムまでには対応ができていないのが現状である。安全配慮義務(労働契約法)も含め、職員の認知理解を把握し、職場の環境づくりにつなげる。
【目的】老健においては、多職種の人材が協働しているが、個々の職員の個性特性などを学ぶ機会は少ない。A施設では、アンガーマネージメントゲーム等も利用して、相互理解に努めている。さらに「大人の発達障害」など、知識不足が個人の理解とチームワークを難しくしている可能性もあるのではないかと考え、職員に学ぶ意義を問いかけ、考える機会を作り、人材育成につなげる。
【方法】職員全員に、「大人の発達障害」についてのアンケートをSNSを使って、匿名で行う。無記名での返信を持って、研究参加の意思確認とした。
【結果】職員60名中56人回答率93%(男11人 女44人 無1人)看護職34% 介護職36%その他 Q1.発達障害を知っているか?100% Q2.どこで聞いたか?TV等64% インターネット50% 本41% Q3.身近にいる27% Q4. 聞いた事がある障害名:発達障害93% 自閉症スペクトラム82% 注意欠陥多動性障害80% Q5.障害の特性を知っているか?ASDこだわりが強い77% ADHD忘れ物が多い71% SLD 読み書きが苦手38% わからない5% Q6.知る機会は良かった91% Q7.もっと知りたい79% Q8.学ぶ必要がある84% Q9.心理的安全性のために知ったほうが良い88% Q10.メンタルヘルスに取り組んで欲しい75% Q11. ストレス相談先があるとよい80% Q12.学ぶ機会があるとよいと思う82% Q16.発達障害セルフチェック実施率75% Q.17~22 ADHDの特性を持っている可能性は低い。
【考察】発達障害に対しては、2016年に比べ(発達障害に対する成人の認知及び情報源に関する現状(2019年日本公衆衛生誌荒木田由美子ら)A施設では認識は高く、約10年で問題の広がりと同時に認知度も上がったものと考えられる。今回、職場で学ぶ機会があったことを9割の職員がプラスに捉えた。職場環境として、心理的安全性にも必要と約9割が考えており、メンタルヘルス、ストレス対策にももっと、取り組んで欲しいという希望も8割にみられた。しかし、実際に学生、同僚に対して安全配慮義務などまで含めて、法的な対応が必要な点までの理解は少ない。聞いた事はあっても、実際に老健で、同僚に対しての配慮、発達障害の理解、対応の方法など基礎的な知識を得る機会は職場からは23%で、TVなどが64%の結果から、正しい知識の提供と法的根拠などの知識が必要と示唆された。
【終わりに】老健施設では、幅広い年代、専門職、多国籍の多様性があるが、協働、多職種連携が重要である。利用者のみならず、職員も個々の特性、個別性の尊重と個人の尊厳は守られるべきである。と同時に、介護施設としてのケアの質の向上と統一化の両立のバランスをいかにとっていくか?職場の環境、心理的安全性として、今までにはない切り口の重要性が開示された結果となった。A施設では、心理的安全性、コミュニケーションの促進のため、笑いヨガや、アンガーマネージメント(特にゲーム)、ボランティア活動などを推進している。その意義、目的を職員にさらに伝え、繰り返し、多様性、個々の尊重と調和、利用者第一という目的をブレずに持つこと、皆で学ぶの機会を今後も増やしていく必要がある。