講演情報
[22-P-R001-01]在宅復帰の取り組みを振り返っての現状と課題
*筑坂 陽平 (山口県 老人保健施設ふれんず)
〈目的〉
老人保健施設ふれんずは山口県岩国市にある定員50名の診療所併設型老健で、令和8年6月現在の在宅復帰指標は強化型となっている。円滑な施設運営の継続に向けて、退所者の傾向と今後の課題を把握するべく、過去2年間の退所者のデータ分析を行った。
〈方法〉
当施設における令和6年4月~令和8年5月までの退所者167名の、「入所前の居所」、「入所時目標」、「要介護度」、「同居の有無」、「入所日数」、「退所先」、「再利用の有無」に関するデータを集計し、在宅復帰者にどのような傾向がみられるかを考察してみた。
〈結果〉
まず「入所前の居所」に関しては、病院が107名で64%、自宅が51名で31%、その他が9名で5%だった。病院から入所された107名の内、在宅復帰された方は52名で、割合は48%だった。自宅から入所された51名の内、在宅復帰された方は42名で、割合は82%だった。
次に「入所時目標」に関しては、自宅目標の方が81名で49%、施設目標の方が66名で40%、決めていない方が20名で12%だった。自宅目標の方の退所先内訳は、自宅が57名、在宅系の施設が7名、施設が8名、入院が9名だった。施設目標の方の退所先内訳は、自宅が1名、在宅系施設が25名、施設が21名、入院が18名、看取りが1名だった。目標が決まっていなかった20名の退所先内訳は、自宅が5名、在宅系施設が4名、施設が4名、入院が7名だった。
次に「要介護度」に関しては、入所時の要介護1が36名で22%、要介護2が46名で28%、要介護3が40名で24%、要介護4が35名で21%、要介護5が10名で6%だった。要介護1の退所先は、自宅18名、在宅系施設13名、施設3名、入院2名だった。要介護2の退所先は、自宅22名、在宅系施設10名、施設4名、入院9名、看取りが1名だった。要介護3の退所先は、自宅12名、在宅系施設11名、施設7名、入院10名だった。要介護4の退所先は、自宅9名、在宅系施設2名、施設15名、入院9名だった。要介護5の退所先は、自宅2名、施設4名、入院4名だった。
次に「同居の有無」に関しては、退所者167名の内、同居ありが93名、同居なしが74名となっており、自宅復帰者は同居ありが41名で44%、同居なしが22名で30%だった。
次に「入所日数」に関しては、90日以内の入所日数での退所者69名の内訳が、自宅復帰者は37名で54%、在宅系施設への退所は7名で10%、在宅復帰以外は25名で36%となった。入所日数180日以内の退所者となると、119名の内、自宅復帰者が56名で47%、在宅系施設が22名で18%、在宅復帰以外が41名で34%だった。入所日数が180日以上の退所者48名の内訳は、自宅復帰者は7名で15%、在宅系施設は14名で29%、在宅復帰以外は27名で56%だった。入所日数が1年以上となると、退所者22名の内、自宅復帰者は3名で14%、在宅系施設が5名で23%、在宅復帰以外は14名で64%となっている。
最後に「再利用の有無」については、一度自宅復帰された後、再入所やショートステイで再度当施設を利用された方の割合を調べた。自宅復帰者63名の内、再利用していただけた方は26名で、自宅復帰者の41%という結果となった。
〈考察〉
自宅から入所された方の在宅復帰率が80%以上あるため、在宅復帰率の向上に向けて、今後も自宅からの入所者数を確保するべく、居宅のケアマネから選ばれる営業を行っていく必要がある。入所時の目標が自宅である方に対しては、3ヶ月での自宅復帰に向けて概ねスムーズな支援が行えているが、入所時の目標が施設である方に対しては、入所日数が長期化して入院する割合が高くなる傾向がある。要介護3・4で特養施設への空き待ちで利用されている方に多い傾向があるため、早めに今後の方向性を検討して施設紹介を行うなどの対策が必要となる。又、当施設は定員数が50名と全国平均と比べて少なく、退所による在宅復帰率の変動が大きくなりやすいため、施設待ちの利用者を何名まで受け入れても良いかは施設運営に大きくかかわってくると感じた。入所時の目標が決まっていない方の入院率が35%と高いため、入所時の目標設定は今後明確にしていきたい。要介護4・5の利用者の在宅系施設への退所がほとんどいないことが今回の調査で分かったため、どの程度ADLが回復すれば移ることが可能なのか、在宅系施設との連携強化や、ご家族・ご本人への意向の確認が必要になると感じた。今回のデータでは同居の有無で自宅復帰率に大幅な差はみられず、独居だから自宅が難しいという根拠にはならなかった。入所日数に関しては、180日以内と180日以上で在宅復帰率に大きな差がみられた。入所日数が半年を超えないように退所支援を行うことが、在宅復帰率に大きく関係することが把握できた。自宅復帰者の当施設の再利用率は40%を超えており、今後も退所後の定期的な状態確認を行うことで、リピーターを増やしていくことが可能だと思われる。今回の退所者調査で、老健として求められている役割を再度認識することができ、利用者の「自立支援」と「在宅復帰」に向けて、多職種協働で今後もより良いケアを提供して行くことが適切な施設運営につながると実感することができた。
老人保健施設ふれんずは山口県岩国市にある定員50名の診療所併設型老健で、令和8年6月現在の在宅復帰指標は強化型となっている。円滑な施設運営の継続に向けて、退所者の傾向と今後の課題を把握するべく、過去2年間の退所者のデータ分析を行った。
〈方法〉
当施設における令和6年4月~令和8年5月までの退所者167名の、「入所前の居所」、「入所時目標」、「要介護度」、「同居の有無」、「入所日数」、「退所先」、「再利用の有無」に関するデータを集計し、在宅復帰者にどのような傾向がみられるかを考察してみた。
〈結果〉
まず「入所前の居所」に関しては、病院が107名で64%、自宅が51名で31%、その他が9名で5%だった。病院から入所された107名の内、在宅復帰された方は52名で、割合は48%だった。自宅から入所された51名の内、在宅復帰された方は42名で、割合は82%だった。
次に「入所時目標」に関しては、自宅目標の方が81名で49%、施設目標の方が66名で40%、決めていない方が20名で12%だった。自宅目標の方の退所先内訳は、自宅が57名、在宅系の施設が7名、施設が8名、入院が9名だった。施設目標の方の退所先内訳は、自宅が1名、在宅系施設が25名、施設が21名、入院が18名、看取りが1名だった。目標が決まっていなかった20名の退所先内訳は、自宅が5名、在宅系施設が4名、施設が4名、入院が7名だった。
次に「要介護度」に関しては、入所時の要介護1が36名で22%、要介護2が46名で28%、要介護3が40名で24%、要介護4が35名で21%、要介護5が10名で6%だった。要介護1の退所先は、自宅18名、在宅系施設13名、施設3名、入院2名だった。要介護2の退所先は、自宅22名、在宅系施設10名、施設4名、入院9名、看取りが1名だった。要介護3の退所先は、自宅12名、在宅系施設11名、施設7名、入院10名だった。要介護4の退所先は、自宅9名、在宅系施設2名、施設15名、入院9名だった。要介護5の退所先は、自宅2名、施設4名、入院4名だった。
次に「同居の有無」に関しては、退所者167名の内、同居ありが93名、同居なしが74名となっており、自宅復帰者は同居ありが41名で44%、同居なしが22名で30%だった。
次に「入所日数」に関しては、90日以内の入所日数での退所者69名の内訳が、自宅復帰者は37名で54%、在宅系施設への退所は7名で10%、在宅復帰以外は25名で36%となった。入所日数180日以内の退所者となると、119名の内、自宅復帰者が56名で47%、在宅系施設が22名で18%、在宅復帰以外が41名で34%だった。入所日数が180日以上の退所者48名の内訳は、自宅復帰者は7名で15%、在宅系施設は14名で29%、在宅復帰以外は27名で56%だった。入所日数が1年以上となると、退所者22名の内、自宅復帰者は3名で14%、在宅系施設が5名で23%、在宅復帰以外は14名で64%となっている。
最後に「再利用の有無」については、一度自宅復帰された後、再入所やショートステイで再度当施設を利用された方の割合を調べた。自宅復帰者63名の内、再利用していただけた方は26名で、自宅復帰者の41%という結果となった。
〈考察〉
自宅から入所された方の在宅復帰率が80%以上あるため、在宅復帰率の向上に向けて、今後も自宅からの入所者数を確保するべく、居宅のケアマネから選ばれる営業を行っていく必要がある。入所時の目標が自宅である方に対しては、3ヶ月での自宅復帰に向けて概ねスムーズな支援が行えているが、入所時の目標が施設である方に対しては、入所日数が長期化して入院する割合が高くなる傾向がある。要介護3・4で特養施設への空き待ちで利用されている方に多い傾向があるため、早めに今後の方向性を検討して施設紹介を行うなどの対策が必要となる。又、当施設は定員数が50名と全国平均と比べて少なく、退所による在宅復帰率の変動が大きくなりやすいため、施設待ちの利用者を何名まで受け入れても良いかは施設運営に大きくかかわってくると感じた。入所時の目標が決まっていない方の入院率が35%と高いため、入所時の目標設定は今後明確にしていきたい。要介護4・5の利用者の在宅系施設への退所がほとんどいないことが今回の調査で分かったため、どの程度ADLが回復すれば移ることが可能なのか、在宅系施設との連携強化や、ご家族・ご本人への意向の確認が必要になると感じた。今回のデータでは同居の有無で自宅復帰率に大幅な差はみられず、独居だから自宅が難しいという根拠にはならなかった。入所日数に関しては、180日以内と180日以上で在宅復帰率に大きな差がみられた。入所日数が半年を超えないように退所支援を行うことが、在宅復帰率に大きく関係することが把握できた。自宅復帰者の当施設の再利用率は40%を超えており、今後も退所後の定期的な状態確認を行うことで、リピーターを増やしていくことが可能だと思われる。今回の退所者調査で、老健として求められている役割を再度認識することができ、利用者の「自立支援」と「在宅復帰」に向けて、多職種協働で今後もより良いケアを提供して行くことが適切な施設運営につながると実感することができた。
