講演情報

[22-P-P101-06]業務の標準化を目指す業務基準作成と役割の明確化

*土居 ゆかり (高知県 いの町立介護老人保健施設仁淀清流苑)
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【はじめに】
当苑は町内で唯一の通所リハビリであり、看護師2名、介護員3名を配置し、勤務体制は1日4名の職員に加えリハビリ職員1名が勤務している。営業日は月曜日から土曜日で定員27名に対し、1日の平均利用者数は17.1名で利用者の平均介護度は2.38となっている。
リーダー業務の属人化が課題となっていたことから今回、新たに看護師2名がリーダー業務を担当することになったが、既存の業務基準は入所棟を基準とした内容であり、通所リハビリの実際の業務に即した内容ではなかった。また、これまでリーダー業務は主任業務と兼任しており、その業務内容や責任範囲が明確ではなかった。そこで、業務基準の見直しおよび作成に取り組んだ結果について報告する。
【目的】
通所リハビリにおける業務基準の作成と役割の明確化
【方法】
(1)行っていた業務を見直し、リーダー業務・主任業務・看護師業務・日課業務へ振り分け、責任を明確にした。
(2)リーダー業務・日課業務の具体的な業務内容をマスターライン(工程表・チェックリスト等)として作成した。
(3)作成後は、月1回の相談会を開催し意見交換を実施し、職員アンケートを11月と2月に実施した。
【結果】
業務内容の洗い出しを行い、重複している不要な業務、職員ごとの業務負担の偏りや、簡略化が可能な業務を見直した。
これまで主に主任介護員が担っていたリーダー業務および主任業務について、主任業務、看護師業務、日課業務、受け持ち業務へ整理・分担した。また、通所リハビリに適した「主任業務基準」および「看護師業務基準」を新たに作成し、それぞれの役割と責任範囲を明確化したことで、各担当者が実施すべき業務内容を把握することが可能となった。
日課業務については、業務内容に応じて「1番業務」「2番業務」「3番業務」の3つに分類した。その上で、リーダー業務や日課業務を誰でも同じ手順で実施できるよう、具体的な業務内容をマスターライン(工程表・チェックリスト等)として作成した。このマスターラインには、実施状況をその場で確認・共有できるチェック欄を設けて一元化し業務を行える環境を整えた。
マスターラインおよび業務基準の作成・導入後は、これらを活用しながら実際に業務を実施し、月1回の相談会で意見交換の場を持ち、また必要に応じて早期に話し合いの場を設け業務上の課題や改善点を検討し共有することで業務改善につなげた。また職員アンケートを11月と2月に実施し、「業務の見える化が進み、自身の役割の理解や他者の負担の気づきに繋がった」「役割分担が明確となり他人任せにせず責任もって行動する意識が高まった」「職員間の認識のずれが解消され、全体の業務の流れが円滑になった」といった意見が聞かれた。
【考察】
今回、具体的な業務内容をマスターライン化したことが業務の標準化や役割の明確化に繋がった。マスターラインを活用すると業務の偏りや「ムリ・ムダ・ムラ」に気づけ、職員間での共通認識が生まれ、新人の教育や業務の引継ぎがしやすくなる。また各業務の終了時間を明確化し、業務の円滑化や効率化を促すことができる有効な方法であるといわれている。マスターラインを活用することで業務の抜かりがなくなり、進捗状況や未実施業務の確認が行えるようになった。また、業務の見通しが立ち他職員によるフォローや引き続ぎも行いやすくなったことで業務への理解が深まり、職員一人ひとりが責任を持って主体的に行動できるようになったと考える。
業務内容を整理し役割分担を見直したことが、これまで特定の職員に集中していた業務の属人化軽減につながった。また、通所リハビリの現場に即した主任業務基準・看護師業務基準を作成し、具体的な手順や確認事項を明文化したこと、マスターラインを作成したことで業務の「見える化」が図られ、職員間で役割や責任範囲を共有できるようになり、結果として生産性向上および業務遂行の安定につながったといえる。
【今後の課題】
今後は、業務基準やマスターラインを継続的に活用しながら、定期的な見直しを行う体制を維持していく必要がある。誰もが同じ水準で業務を遂行できる体制づくりをさらに進めていきたいと考える。