講演情報
[22-O-L003-01]老健からの訪問リハビリ運営に向けての取り組み~訪問を行う有用性、安定した提供に向けて~
*中山 亮介、目黒 祐人 (茨城県 介護老人保健施設セントラル土浦)
「はじめに」
老健では、在宅復帰を支援する為、リハビリを通し入所前後や在宅復帰後の支援を行い、在宅生活の継続を支える施設として地域包括ケアシステムとして中心的な役割を担っている。当施設では、2021年より訪問リハビリ専従スタッフ1名にて訪問リハビリ業務を実施していたが、2023年法人内新規施設開設に伴い、専従スタッフが人事異動となった。老健リハビリスタッフは訪問リハビリ未経験者が多く、専従を置くことが困難であり、訪問リハビリを一時中断していた。
しかし、地域ニーズや施設退所の支援継続の重要性、訪問リハビリ業務実施に伴うスタッフのスキルの向上、施設稼働変動時に伴うスタッフの生産性向上等、訪問リハビリ実施による有用性を考慮し、老健スタッフ全体で協力し、訪問リハビリの運営を再開するにはどうすればよいか、課題抽出と取り組みを行った結果、訪問リハビリの運営が可能となったため、報告する。
「課題」
老健から訪問リハビリを行う有用性として、リハビリテーションマネジメントの視点より利用者、リハビリスタッフへの効果として下記の内容が挙げられた。
1,施設退所後の不安定な生活の支援による再入所のリスクの軽減
2,入所から在宅復帰後まで包括的な支援
3,リハスタッフのスキル向上
4,施設稼働率低下時の生産性向上
上記の目的達成を目指し、訪問リハビリの実施に向け取り組みを開始した。
「取り組み内容」
療法士の視点より下記4つの取り組みが重要と考え実施した。
(1)システムの構築実施基準の構築
対象とする利用者の基準として、在宅復帰直後でアフターフォローが必要な方を中心に、独居等で家事動作等の遂行に課題がある方、介護不安がある利用者または家族に対し動作指導や介護指導の必要性が高い方、環境調整の必要性が高い方を対象とした。その他、業務効率考慮し訪問距離を片道20分圏内とし、目標を明確化するため目標達成期間を3ヶ月間の実施を基本とした。
(2)複数担当制を導入
複数の視点により評価、介入を行い、経験者が未経験者を教育フォローできる体制を構築、急なスケジュール変更時等柔軟に対応可能としたと共に、提供サービスの質の確保を図った。
(3)管理スタッフによる週間スケジュールの調整
日々変動する各スタッフのスケジュールを適宜確認、予定の増減に応じて業務量を平均化し、スタッフの負担軽減を行った。
(4)OJT教育によるスタッフの育成強化
OJT教育を中心に同行訪問を行い、見学、模倣、実施の流れにて、プログラムの実施、実動作や家族指導等を共に行い、利用者や家族対応が円滑に実施できるように教育を行った。訪問時間以外では居宅ケアマネとのスムーズな連携、介護保険システムの理解の向上、訪問リハビリ提供の流れ、加算の種類、書類作成等の指導を行った。また、緊急時の行動手順を示したフローチャートによる見える化を行い、対応力の迅速化やスタッフの不安軽減に繋げた。
「結果」
取り組み開始時からの月平均の比較では2023年度2.6件/15.6回、対応可能スタッフ10名中4名であったが、2025年度では4.6件/33.7回と着実に増加していき訪問対応可能スタッフ10名中8名と増え、安定した訪問リハビリの提供が可能となった。
利用者に関しては、入所時から退所後まで一貫して同じセラピストが介入することにより、安心してリハビリが受けられる事や、継続的な支援が受けられる事が在宅復帰を決める要因の一つともなった。訪問リハビリを実施したことで、ADL、IADL能力が向上し、退所後の生活が安定し活動性向上が見られた。
リハビリスタッフにおいては退所後の生活に触れる事で、入所中のリハビリプログラムのフィードバックが得られ予後予測能力が向上し、プログラムの質の向上が見られた。また、介護保険制度の理解も深まる事で、リハビリテーションマネジメント能力も身に付き在宅復帰能力向上へと繋がった。また、利用者の成功体験がモチベーション向上に繋がり、老健リハビリスタッフとしてのやりがいや意欲が向上した。
収益の面では、年間継続で1,500,000円程の収益化が見込まれるまでとなった。
「考察」
今回の取り組みを実施したことで、業務の能率化が図れ、老健業務との兼務が可能となった。それにより、リハビリ実績数の拡大となり、リハビリスタッフの生産性が向上したと考える。
利用者に関しては、QOLの向上、再入所のリスクの軽減となり、状態が変化した際には、再入所やショートステイ等の利用など、サービス調整や環境調整が迅速に受けられる点など利用者視点でのメリットが多い事も、訪問リハビリ利用の増加に繋がったと考える。
利用者本人や家族が安心して在宅生活が送れること、包括的な支援を行う事で、地域からの信頼が上がり、入所サービスや訪問リハビリの新規相談の増加に繋がっていると考える。
今回の取り組みを通して、限られた人員の中で訪問運営が再開できるようになった。リハビリスタッフのスキルやリハビリテーションマネジメント能力の向上、利用者や家族との信頼関係の構築、居宅ケアマネージャーとの関係性構築が得られたと考える。入所から退所後の生活まで継続した支援が可能となったことにより、在宅復帰率の向上、利用者の在宅生活継続が可能となった。また施設収益増加にもつなげる事も出来き、利用者、職員、法人それぞれに有益となったと考える。
今後も在宅復帰を理念とする老健として取り組みを継続していき老健の役割の果たし地域貢献を行っていきたいと思います。
老健では、在宅復帰を支援する為、リハビリを通し入所前後や在宅復帰後の支援を行い、在宅生活の継続を支える施設として地域包括ケアシステムとして中心的な役割を担っている。当施設では、2021年より訪問リハビリ専従スタッフ1名にて訪問リハビリ業務を実施していたが、2023年法人内新規施設開設に伴い、専従スタッフが人事異動となった。老健リハビリスタッフは訪問リハビリ未経験者が多く、専従を置くことが困難であり、訪問リハビリを一時中断していた。
しかし、地域ニーズや施設退所の支援継続の重要性、訪問リハビリ業務実施に伴うスタッフのスキルの向上、施設稼働変動時に伴うスタッフの生産性向上等、訪問リハビリ実施による有用性を考慮し、老健スタッフ全体で協力し、訪問リハビリの運営を再開するにはどうすればよいか、課題抽出と取り組みを行った結果、訪問リハビリの運営が可能となったため、報告する。
「課題」
老健から訪問リハビリを行う有用性として、リハビリテーションマネジメントの視点より利用者、リハビリスタッフへの効果として下記の内容が挙げられた。
1,施設退所後の不安定な生活の支援による再入所のリスクの軽減
2,入所から在宅復帰後まで包括的な支援
3,リハスタッフのスキル向上
4,施設稼働率低下時の生産性向上
上記の目的達成を目指し、訪問リハビリの実施に向け取り組みを開始した。
「取り組み内容」
療法士の視点より下記4つの取り組みが重要と考え実施した。
(1)システムの構築実施基準の構築
対象とする利用者の基準として、在宅復帰直後でアフターフォローが必要な方を中心に、独居等で家事動作等の遂行に課題がある方、介護不安がある利用者または家族に対し動作指導や介護指導の必要性が高い方、環境調整の必要性が高い方を対象とした。その他、業務効率考慮し訪問距離を片道20分圏内とし、目標を明確化するため目標達成期間を3ヶ月間の実施を基本とした。
(2)複数担当制を導入
複数の視点により評価、介入を行い、経験者が未経験者を教育フォローできる体制を構築、急なスケジュール変更時等柔軟に対応可能としたと共に、提供サービスの質の確保を図った。
(3)管理スタッフによる週間スケジュールの調整
日々変動する各スタッフのスケジュールを適宜確認、予定の増減に応じて業務量を平均化し、スタッフの負担軽減を行った。
(4)OJT教育によるスタッフの育成強化
OJT教育を中心に同行訪問を行い、見学、模倣、実施の流れにて、プログラムの実施、実動作や家族指導等を共に行い、利用者や家族対応が円滑に実施できるように教育を行った。訪問時間以外では居宅ケアマネとのスムーズな連携、介護保険システムの理解の向上、訪問リハビリ提供の流れ、加算の種類、書類作成等の指導を行った。また、緊急時の行動手順を示したフローチャートによる見える化を行い、対応力の迅速化やスタッフの不安軽減に繋げた。
「結果」
取り組み開始時からの月平均の比較では2023年度2.6件/15.6回、対応可能スタッフ10名中4名であったが、2025年度では4.6件/33.7回と着実に増加していき訪問対応可能スタッフ10名中8名と増え、安定した訪問リハビリの提供が可能となった。
利用者に関しては、入所時から退所後まで一貫して同じセラピストが介入することにより、安心してリハビリが受けられる事や、継続的な支援が受けられる事が在宅復帰を決める要因の一つともなった。訪問リハビリを実施したことで、ADL、IADL能力が向上し、退所後の生活が安定し活動性向上が見られた。
リハビリスタッフにおいては退所後の生活に触れる事で、入所中のリハビリプログラムのフィードバックが得られ予後予測能力が向上し、プログラムの質の向上が見られた。また、介護保険制度の理解も深まる事で、リハビリテーションマネジメント能力も身に付き在宅復帰能力向上へと繋がった。また、利用者の成功体験がモチベーション向上に繋がり、老健リハビリスタッフとしてのやりがいや意欲が向上した。
収益の面では、年間継続で1,500,000円程の収益化が見込まれるまでとなった。
「考察」
今回の取り組みを実施したことで、業務の能率化が図れ、老健業務との兼務が可能となった。それにより、リハビリ実績数の拡大となり、リハビリスタッフの生産性が向上したと考える。
利用者に関しては、QOLの向上、再入所のリスクの軽減となり、状態が変化した際には、再入所やショートステイ等の利用など、サービス調整や環境調整が迅速に受けられる点など利用者視点でのメリットが多い事も、訪問リハビリ利用の増加に繋がったと考える。
利用者本人や家族が安心して在宅生活が送れること、包括的な支援を行う事で、地域からの信頼が上がり、入所サービスや訪問リハビリの新規相談の増加に繋がっていると考える。
今回の取り組みを通して、限られた人員の中で訪問運営が再開できるようになった。リハビリスタッフのスキルやリハビリテーションマネジメント能力の向上、利用者や家族との信頼関係の構築、居宅ケアマネージャーとの関係性構築が得られたと考える。入所から退所後の生活まで継続した支援が可能となったことにより、在宅復帰率の向上、利用者の在宅生活継続が可能となった。また施設収益増加にもつなげる事も出来き、利用者、職員、法人それぞれに有益となったと考える。
今後も在宅復帰を理念とする老健として取り組みを継続していき老健の役割の果たし地域貢献を行っていきたいと思います。
