講演情報
[22-O-L010-01]生活意欲と日常生活動作能力の関連性入所時と3か月後の比較
*児玉 由香、佐藤 真美、遠藤 春佳、西谷 鮎美、沼澤 徳和、鈴木 裕美 (山形県 山形県済生会介護老人保健施設フローラさいせい)
【目的】
当施設では、令和7年の1年間に133件の新規入所があった。入所後の経過は様々であり、在宅復帰に繋がる方、入所が長期化する方、日常生活動作(以下ADL)能力が維持または低下する方、などの例が挙げられる。リハビリ職員としては、ADL能力の改善や在宅復帰を目標に介入を行っているが、思うようにリハビリが進まず対応に苦慮することも多い。身体機能的にはADLができる状態にも関わらず、本人の意欲低下により実際の生活場面でのADLに結びつかないケースも経験する。経過に影響を及ぼす要因については、身体面や認知面の基礎疾患、精神心理的な因子、環境因子などが複雑に絡み合っていると思われるが、特に「意欲低下」や「拒否」がリハビリの阻害要因の一つとして大きな問題になっているように思われる。これを受けて、生活意欲とADL能力の間に関連性があるのかどうかを、当施設の入所者を対象に調査研究してみることにした。
【方法】
対象は、令和6年1月から令和7年12月の期間に、当施設に3か月間以上入所していた要介護高齢者とした。3か月未満の早期退所、緊急入院、死亡された方は除外した。この中から無作為に50名を抽出し、入所時と3か月後それぞれの生活意欲とADL能力の相関関係を検証した。生活意欲はVitality Index(以下VI)を用いて、ADL能力はBarthel Index(以下BI)を用いて評価した。VIとBIの相関関係は、ピアソンの積率相関係数を用いて評価した。またVIとBIの、入所時と3か月後の指標の推移を比較検討した。
【結果】
VIとBIの相関係数は、入所時が0.49(p<0.001)、3か月後が0.66(p<0.001)であった。入所時と3か月後のどちらにも「正の相関」が認められた。3か月後の方がより強い相関関係があった。
入所時のVIは平均値7.2±1.8、3か月後のVIは平均値8.1±1.8であった。入所時のBIは平均値57.0±23.0、3か月後のBIは平均値66.1±20.5であった。入所時と3か月後の変化を、対応のあるt検定を行った結果、VI(p<0.001)とBI(p<0.001)どちらも入所時と比較して3か月後の数値で有意な向上が認められた。
【考察】
結果から、VIとBIに「正の相関」が認められ、生活意欲とADL能力は互いに関連性がある関係であることがわかった。また、入所時と3か月後で比較すると、生活意欲とADL能力の双方に有意な改善がみられた。要因について考察すると、時間の経過と共に施設生活が安定したこと、職員や周囲の利用者との信頼関係が構築されたこと、身体機能や認知機能に対してのリハビリの効果などが影響し、生活意欲とADL能力の改善に繋がったと考える。3か月後の方が生活意欲とADL能力の結びつきが強くなったことに関しては、身体能力と活動性の整合性がとれてきた可能性が考えられる。
【まとめ】
今回の研究では、生活意欲とADL能力の間に「正の相関」が認められ、更に両指標において入所時と3か月後で有意な改善を示した。身体機能への直接的な介入に留まらず、心理面にも配慮したアプローチを行うことは、在宅復帰やADL能力の向上を目標とする上で、極めて重要であるということがわかった。
当施設では、令和7年の1年間に133件の新規入所があった。入所後の経過は様々であり、在宅復帰に繋がる方、入所が長期化する方、日常生活動作(以下ADL)能力が維持または低下する方、などの例が挙げられる。リハビリ職員としては、ADL能力の改善や在宅復帰を目標に介入を行っているが、思うようにリハビリが進まず対応に苦慮することも多い。身体機能的にはADLができる状態にも関わらず、本人の意欲低下により実際の生活場面でのADLに結びつかないケースも経験する。経過に影響を及ぼす要因については、身体面や認知面の基礎疾患、精神心理的な因子、環境因子などが複雑に絡み合っていると思われるが、特に「意欲低下」や「拒否」がリハビリの阻害要因の一つとして大きな問題になっているように思われる。これを受けて、生活意欲とADL能力の間に関連性があるのかどうかを、当施設の入所者を対象に調査研究してみることにした。
【方法】
対象は、令和6年1月から令和7年12月の期間に、当施設に3か月間以上入所していた要介護高齢者とした。3か月未満の早期退所、緊急入院、死亡された方は除外した。この中から無作為に50名を抽出し、入所時と3か月後それぞれの生活意欲とADL能力の相関関係を検証した。生活意欲はVitality Index(以下VI)を用いて、ADL能力はBarthel Index(以下BI)を用いて評価した。VIとBIの相関関係は、ピアソンの積率相関係数を用いて評価した。またVIとBIの、入所時と3か月後の指標の推移を比較検討した。
【結果】
VIとBIの相関係数は、入所時が0.49(p<0.001)、3か月後が0.66(p<0.001)であった。入所時と3か月後のどちらにも「正の相関」が認められた。3か月後の方がより強い相関関係があった。
入所時のVIは平均値7.2±1.8、3か月後のVIは平均値8.1±1.8であった。入所時のBIは平均値57.0±23.0、3か月後のBIは平均値66.1±20.5であった。入所時と3か月後の変化を、対応のあるt検定を行った結果、VI(p<0.001)とBI(p<0.001)どちらも入所時と比較して3か月後の数値で有意な向上が認められた。
【考察】
結果から、VIとBIに「正の相関」が認められ、生活意欲とADL能力は互いに関連性がある関係であることがわかった。また、入所時と3か月後で比較すると、生活意欲とADL能力の双方に有意な改善がみられた。要因について考察すると、時間の経過と共に施設生活が安定したこと、職員や周囲の利用者との信頼関係が構築されたこと、身体機能や認知機能に対してのリハビリの効果などが影響し、生活意欲とADL能力の改善に繋がったと考える。3か月後の方が生活意欲とADL能力の結びつきが強くなったことに関しては、身体能力と活動性の整合性がとれてきた可能性が考えられる。
【まとめ】
今回の研究では、生活意欲とADL能力の間に「正の相関」が認められ、更に両指標において入所時と3か月後で有意な改善を示した。身体機能への直接的な介入に留まらず、心理面にも配慮したアプローチを行うことは、在宅復帰やADL能力の向上を目標とする上で、極めて重要であるということがわかった。
