講演情報

[22-O-L002-03]通所利用者主体のリハビリテーションマネジメント

*正木 一麻、鍋多 将徳、松野 克宏、井上 皓太、中村 春彦、渡辺 ひとみ (北海道 介護老人保健施設アメニティ西岡)
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【はじめに】
リハビリテーションマネジメントとは、継続的な評価と改善を繰り返し心身機能、活動、社会参加へバランス良くアプローチしながら、質の高いサービスを提供することを目的としている。当施設では現在、リハビリテーションマネジメント加算「ロ」を算定し、多職種連携による生活期の支援を行っている。加算の算定に必要なリハビリテーション会議(以下、リハビリ会議)は、利用者に関わる全ての職種がその課題と目標を共有できる場となっており、構成員は、利用者、家族、当施設の各担当職員、担当介護支援専門員、利用しているサービス事業所職員となっている。利用者の日常生活上の生活行為への働きかけである介護サービスは、リハビリテーション(以下、リハビリ)の視点から提供されるべきものであり、介護支援専門員及び他事業所との連携が重要となっている。
【目的】
現状の課題として、当施設では利用者の利用日に合わせ施設でのリハビリ会議を開催している。参加する家族には実際のリハビリ場面を見学しながら、その場で介助指導等を行っている。しかし利用者の日々の生活状況の変化を家族と共有する中で、通所リハビリでのリハビリ場面では行えている動作が自宅では家族が介助していることがわかった。家族への口頭での聴取や書面のやり取りでは情報の取得が不十分なこともある。またバリアフリーである施設環境内でリハビリを実施するだけでは、利用者の日常生活やケアに反映しきれていない状況が明らかとなり、職員によっては「出来る能力」を活かせずに一部過介助と言わざるを得なく、利用者の「活動と参加」へのアプローチが十分に行えていない場面があった。施設内の支援だけでは、利用者の自宅等の環境や生活場面の把握に届かず、身体状況の変化に伴う生活課題の変化にも気づけずにリハビリ計画に挙げる目標との乖離も避けられない。そこで日々変化する利用者や家族の生活状況を適時把握し、現時点の生活課題を通所リハビリ職員のみならず、他事業所を含めた関係者全員が共通認識できるように、自宅等の生活の場でリハビリ会議を開催する頻度を増やす取り組みを行った。
【方法】
日々の利用状況や新たな課題を支援相談員から介護支援専門員へ報告し、課題の内容により自宅等生活の場での開催を調整した。介護支援専門員が開催するサービス担当者会議や定期訪問、訪問リハビリ事業所との同時開催、福祉用具の選定や環境の見直しに合わせた開催、骨折等による自宅療養中の方へ自宅訪問し生活上の注意点や動作の指導と家族への介助指導や助言を行った。
【結果】
自宅でリハビリ会議を開催した際に実際の生活場面における動作を確認し、「できるADL」と「しているADL」の共有と確認を行った。利用者や家族へ動作方法と介助方法の指導を行った。福祉用具専門相談員が手すりや車椅子のクッション等の福祉用具の選定や自室環境の整備を行った。家族からは「こんなに自分で動くことが出来るのですね」「このように介助すると楽に起こせたり、寝せたりすることができるのですね。以前に比べ楽に介護が出来そうです。」との感想が聞かれた。自宅の環境、動作実施状況を当施設でのリハビリ内容に反映することができ、当施設職員に訪問時の様子と指導した介助方法について詳しく共有することができた。
自宅等でリハビリ会議を開催するメリットとして、実際の生活環境内の段差や移動の動線、手すりの位置などをリハビリ専門職が直接確認することにより、実際の生活上に必要な動作指導に繋げることができ、構成員の意見を踏まえて福祉用具の選定や住宅改修の必要性についてもその場で検討することができる。適宜生活の場で開催することで、これまでのリハビリの成果や日々移り変わる介護生活状況の変化を構成員たちのそれぞれの目で見て確認することで、自立支援の方向性を見直す機会となることを感じた。
【考察】
生活の場でのリハビリ会議の開催頻度を増やすことで、より利用者の生活状況を把握し、利用者や家族と直接コミュニケーションをとりながら現状の把握を行うことできた。職員が当施設利用中以外の自宅等での生活を意識するようになった。リハビリ職員がリハビリプログラムに個別性のある実際の生活行為に関係するリハビリを位置付けることが自然になってきた。家族との情報交換が増えたことにより、家族と「信頼関係」の構築ができることを学んだ。
取り組みを継続することで、小さな「達成」を構成員で共有し、利用者の生活の質の向上に結びつけていきたいと考える。