講演情報
[22-P-L001-01]METsを使用し活動・参加を目指した関わりで見えたもの地域包括ケアシステムでのリハビリ専門職の役割
*宍戸 忍 (栃木県 介護老人保健施設 空の舎)
[はじめに]
現在日本では、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう地域包括ケアシステムの構築が課題となっている。 地域包括ケアシステムにおけるリハビリテーション専門職(以下リハビリ専門職)の役割として心身機能の回復、ADL・IADL動作の維持・向上支援だけではなく、活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進が求められている。当施設での要支援者への関わりとして、リハビリ専門職による定期的な身体機能評価や毎月の運動指導を実施している。また、介護福祉士と連携し、経時的変化を追うことで、生活の自立や社会参加機会の向上を目指している。
そこで、当施設の取り組みとして身体機能評価の際、身体活動・運動に関する指標として、厚生労働省が策定した、「健康づくりのための身体活動ガイド2023」(以下身体活動ガイド2023)内で提示しているMETsを用いて、通所リハビリテーション利用時と在宅生活での身体活動・運動を可視化し、要支援者に提示することで個々の身体活動・運動に対する意識づけを行っている。身体活動や運動に対する意識づけができることで活動の場が広がり、自信や自己効力感の向上、社会参加のきっかけになるではないかと考える。
[目的]
当施設利用の要支援者の週単位での身体活動・運動をMETsを用いて数値化し、経時的変化から傾向を検討・考察した為、報告する。
[方法]
対象は、当施設通所リハビリテーション(以下通所リハビリ)を利用している利用開始時および利用開始3か月後の評価データが得られた要支援者41例とした。内訳として、要支援1:26名、要支援2:15名、男性:16名、女性:25名、平均年齢77.2±8.1歳(54-90歳)。
方法として利用開始時の身体機能評価にて在宅での活動・運動の聞き取りと利用開始3か月後の身体機能評価にて通所リハビリ利用時と在宅各々の活動・運動の聞き取りを行い、身体活動ガイド2023内に記載されているMETs表を基にMETs・時/週を算出した。利用開始時と3か月後のMETs・時/週の前後比較にはWilcoxon符号付順位検定を用い、対象者全体のMETsの傾向と経時的変化を追った。
[結果]
通所リハビリ利用開始時と利用開始3か月後のMETsの週合計を比較した結果、22.68±17.61から32.23±18.17へ有意に増加した(p<0.001)。利用開始時と3か月後の在宅でのMETsの週合計を比較してみると41例中17例に増加がみられた。
[考察]
当施設通所リハビリを利用開始して週合計におけるMETs数が増えているだけでなく、約40%の方が在宅でのMETs数が増加している要因として、リハビリ専門職による毎月の個別的な関わりの中で利用者本人の課題・目標を明確・具体化し、それに即した活動・運動の指導が行えることで、利用者本人の活動・運動に対するモチベーションを引き出すことに関与したのではないかと考える。当施設通所リハビリ利用の要支援者においては買い物に行ける回数が増えた、趣味である卓球のサーブが強くなったと言われたなどできることへの喜びが増えたといった意見が聞かれた。つまり自身の経験による内向的動機付けや家族・友人など身近な人からの称賛・評価による外向的動機付けも活動・運動に対するモチベーションの向上や社会参加への動機づけになっているのではないかと考えられる。
一方、通所リハビリを利用開始して早期においてはリハビリ専門職による個別的な関わりだけでは活動場面への参加や運動の習慣化が図れない方がいることも少なくはない。そのような方においてはリハビリ専門職と介護福祉士が連携し、運動の提供を介護福祉士が個別・集団での関わりの中で行っている。個別での関わりとして運動の注意点や利用者本人の目標・課題を共有した上で介護福祉士による介護リハビリを実施している。例えば、運動意欲はあるものの身体機能的な理由で機械のセッティングが難しい方や運動意欲が低く運動を行うきっかけを見いだせていない方、認知機能の低下により運動のスケジューリングが難しい方に対して1対1で運動の場を提供したり、声掛けを行い集団活動への参加を促している。集団での関わりでは小集団でのマシントレーニングや起立・着座を中心とした独自の体操を介護福祉士支援の下提供を行っている。運動の提供を担うだけでなく、介護福祉士が活動に参加できているか、適切な運動負荷量で行えているか等の実施状況をリハビリ専門職にフィードバックを行うことで課題・目標に即した活動・運動の更新がリアルタイムで行うことができている。こうした多職種連携の中でまずは通所リハビリでの活動・運動の向上やそこから習慣化を図ることにより、在宅での活動・運動の動機付けに関与し、活動の広がりが生まれるのではないかと考える。
METsは活動時間と活動と運動強度が表記されているMETs表があればその人自身が行っている身体活動・運動を簡単に可視化できるツールである。リハビリ専門職以外でも評価指標として使用が可能なことがメリットであり、地域包括ケアシステム内のどの場面においても使用が可能と考えられる。今後METsを地域包括ケシステムにおける共通ツールとして広げていきたい。
現在日本では、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう地域包括ケアシステムの構築が課題となっている。 地域包括ケアシステムにおけるリハビリテーション専門職(以下リハビリ専門職)の役割として心身機能の回復、ADL・IADL動作の維持・向上支援だけではなく、活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションの推進が求められている。当施設での要支援者への関わりとして、リハビリ専門職による定期的な身体機能評価や毎月の運動指導を実施している。また、介護福祉士と連携し、経時的変化を追うことで、生活の自立や社会参加機会の向上を目指している。
そこで、当施設の取り組みとして身体機能評価の際、身体活動・運動に関する指標として、厚生労働省が策定した、「健康づくりのための身体活動ガイド2023」(以下身体活動ガイド2023)内で提示しているMETsを用いて、通所リハビリテーション利用時と在宅生活での身体活動・運動を可視化し、要支援者に提示することで個々の身体活動・運動に対する意識づけを行っている。身体活動や運動に対する意識づけができることで活動の場が広がり、自信や自己効力感の向上、社会参加のきっかけになるではないかと考える。
[目的]
当施設利用の要支援者の週単位での身体活動・運動をMETsを用いて数値化し、経時的変化から傾向を検討・考察した為、報告する。
[方法]
対象は、当施設通所リハビリテーション(以下通所リハビリ)を利用している利用開始時および利用開始3か月後の評価データが得られた要支援者41例とした。内訳として、要支援1:26名、要支援2:15名、男性:16名、女性:25名、平均年齢77.2±8.1歳(54-90歳)。
方法として利用開始時の身体機能評価にて在宅での活動・運動の聞き取りと利用開始3か月後の身体機能評価にて通所リハビリ利用時と在宅各々の活動・運動の聞き取りを行い、身体活動ガイド2023内に記載されているMETs表を基にMETs・時/週を算出した。利用開始時と3か月後のMETs・時/週の前後比較にはWilcoxon符号付順位検定を用い、対象者全体のMETsの傾向と経時的変化を追った。
[結果]
通所リハビリ利用開始時と利用開始3か月後のMETsの週合計を比較した結果、22.68±17.61から32.23±18.17へ有意に増加した(p<0.001)。利用開始時と3か月後の在宅でのMETsの週合計を比較してみると41例中17例に増加がみられた。
[考察]
当施設通所リハビリを利用開始して週合計におけるMETs数が増えているだけでなく、約40%の方が在宅でのMETs数が増加している要因として、リハビリ専門職による毎月の個別的な関わりの中で利用者本人の課題・目標を明確・具体化し、それに即した活動・運動の指導が行えることで、利用者本人の活動・運動に対するモチベーションを引き出すことに関与したのではないかと考える。当施設通所リハビリ利用の要支援者においては買い物に行ける回数が増えた、趣味である卓球のサーブが強くなったと言われたなどできることへの喜びが増えたといった意見が聞かれた。つまり自身の経験による内向的動機付けや家族・友人など身近な人からの称賛・評価による外向的動機付けも活動・運動に対するモチベーションの向上や社会参加への動機づけになっているのではないかと考えられる。
一方、通所リハビリを利用開始して早期においてはリハビリ専門職による個別的な関わりだけでは活動場面への参加や運動の習慣化が図れない方がいることも少なくはない。そのような方においてはリハビリ専門職と介護福祉士が連携し、運動の提供を介護福祉士が個別・集団での関わりの中で行っている。個別での関わりとして運動の注意点や利用者本人の目標・課題を共有した上で介護福祉士による介護リハビリを実施している。例えば、運動意欲はあるものの身体機能的な理由で機械のセッティングが難しい方や運動意欲が低く運動を行うきっかけを見いだせていない方、認知機能の低下により運動のスケジューリングが難しい方に対して1対1で運動の場を提供したり、声掛けを行い集団活動への参加を促している。集団での関わりでは小集団でのマシントレーニングや起立・着座を中心とした独自の体操を介護福祉士支援の下提供を行っている。運動の提供を担うだけでなく、介護福祉士が活動に参加できているか、適切な運動負荷量で行えているか等の実施状況をリハビリ専門職にフィードバックを行うことで課題・目標に即した活動・運動の更新がリアルタイムで行うことができている。こうした多職種連携の中でまずは通所リハビリでの活動・運動の向上やそこから習慣化を図ることにより、在宅での活動・運動の動機付けに関与し、活動の広がりが生まれるのではないかと考える。
METsは活動時間と活動と運動強度が表記されているMETs表があればその人自身が行っている身体活動・運動を簡単に可視化できるツールである。リハビリ専門職以外でも評価指標として使用が可能なことがメリットであり、地域包括ケアシステム内のどの場面においても使用が可能と考えられる。今後METsを地域包括ケシステムにおける共通ツールとして広げていきたい。
