講演情報

[23-P-P201-04]見守りシステム活用促進への取り組み

*荒木 俊介 (鳥取県 鳥取県済生会介護老人保健施設はまかぜ)
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はじめに
令和6年度より、業務改善および利用者の安全性向上を目的として見守りシステム(眠りSCAN、インカム、ナースコール)を導入・更新した。眠りSCANは、マットレス下に設置した非接触型センサーにより利用者の睡眠・覚醒状態や離床状況を把握できる見守り支援システムであり、ナースコールは従来システムから見守りカメラ機能およびスマートフォン連携機能を備えたシステムへ更新した。これにより、利用者の状態確認の迅速化と見守り体制の強化が可能となった。しかし、導入1年が経過した時点でもインカム以外の機器の操作方法を十分に理解しきれていない職員がおり、見守りシステムを有効活用できていない現状があった。全職員が見守り機器の基本的な操作を習得することで、見守りシステムを十分に活用し、それにより業務改善および利用者の安全性向上につなげることができると考えた。そこで、令和7年度に全職員を対象とした勉強会を実施し、その効果をアンケート調査により評価したので報告する。

I.目的
全職員が見守り機器の基本的な操作方法を習得し、見守りシステムの活用による業務改善および利用者の安全性向上につなげる。

II.方法
期間:令和7年4月から令和8年1月まで
対象:入所全職員
方法:
1.取組前に、眠りSCANおよびナースコールの操作方法6項目の理解度についてアンケート調査を実施した。
2.アンケート結果をもとに操作方法の項目ごとに図解入りマニュアルを作成した。
3.各項目ごとに担当者を決め、操作方法の理解が不十分な職員を対象として勉強会を実施した。
各項目の担当者がマニュアルを用いて3名以下のグループで実技指導を行い、実際に機器を操作しながら学習できるようにした。また理解度一覧表を作成し、全項目を習得できるよう進捗管理を行った。
4.勉強会終了後に操作方法の理解度アンケート調査を実施し、結果を集計した。  

III.結果
勉強会を行った結果、操作方法6項目について「できる」と回答した職員の割合は以下の通り増加した。
(1)新規入所時、退所時における利用者名の登録操作30.4%→78.4%
(2)呼吸、心拍、離床状況の通知設定56.5%→82.6%
(3)見守りカメラ映像の表示・切り替え設定56.5%→82.6%
(4)見守りカメラを個別に参照する操作39.1%→82.6%
(5)ナースコールの回数確認39.1%→78.3%
(6)録画履歴の確認方法34.8%→91.3%
また、マニュアルを作成した結果、マニュアルを見ても操作ができないと答えた職員は0%だった。

IV.考察
勉強会の実施により、見守りシステムの基本操作を習得した職員が大幅に増加した。これにより、転倒リスクの高い利用者や睡眠状態の観察が必要な利用者に対して、その時々の状況に応じたモニター設定が可能となり、より適切な見守りにつながることが考えられた。また、看取り期の利用者や体調不良者に対して呼吸・心拍センサーを活用することで、状態変化の早期発見につながることが期待される。
さらに、図解入りマニュアルを整備したことで、操作に不安のある職員でもマニュアルを参照しながら対応できるようになった。これまで操作方法に詳しい職員に依存していた機器設定が職員全体で実施可能となり、特に夜勤帯など少人数で対応する時間帯においてもモニターやセンサー設定を翌日に持ち越すことなく迅速に変更できる体制づくりにつながったと考えられる。その結果、見守り体制の強化や業務の効率化につながることが期待される。
今後は定期的な操作の確認や、新人職員への研修を継続し、職員全体の操作技術を維持・向上させることで、見守りシステムをより効果的に活用できる体制を構築していきたい。

V.結論
勉強会およびマニュアル整備により、見守りシステムの基本操作を習得した職員が増加し、各項目で約8割以上の職員が操作可能となった。また、マニュアルを見ても操作できないと回答した職員はおらず、必要時に全職員が機器を活用できる体制を整えることができた。今後は見守りシステムのさらなる活用を進め、業務改善および利用者の安全性向上につなげていきたい。