講演情報

[23-P-CMO-05]介護施設の転倒・転落リスク評価表見直しに関する研究

*藤井 まみ子、三輪 晃裕、清水 円、壷内 貴代 (三重県 四日市羽津医療センター附属介護老人保健施設)
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【はじめに】介護老人保健施設(以下老健)における転倒・転落は、利用者のQOLの低下や身体機能の悪化、在宅復帰への影響を及ぼす重大な事故である。老健は「生活の場」であり、日常生活動作や移乗など生活行動に伴う転倒リスクが高い特性を有する。31項目からなる転倒・転落リスク評価表(以下評価表とする)を使用しているが、危険度Ⅲに分類される利用者が多く、評価結果が具体的な予防ケアに結びついていない現状があった。【方法】入所後3ケ月以上経過した利用者71名を対象に、転倒・転落リスク評価表の各項目および合計スコアと転倒回数との関連を後方視的に分析した。分析方法は、記述統計および相関分析・t検定を実施、有意水準は5%とした。【結果】データ数71(男性14名女性57名)、平均年齢87.14(±6.64)歳、平均転倒回数2.52(±3.52)であった。評価表合計スコア(r=.29、p<.05))は転倒回数と有意な相関を示した。転倒ありと転倒なしのt検定においては認識面(記憶欠落あり:3.34,なし:1.58,p=.034)状況理解低下あり:3.21,なし:1.09,p=.017、心身の不調あり:3.88,なし:1.27,p=.001)転倒歴あり:3.34,なし:0.57,p=.002、ふらつきあり:3.18,なし:1.05,p=.017、尿・便失禁あり:2.98,なし:0.8,p=.032といった生活行動に直結する項目において有意差があった。【考察】現行の評価表は転倒回数と関連があったことより有効な指標となっていると考える。中でも、認識面、転倒歴、ふらつき、尿・便失禁といった項目は、老健における生活行動と密接に関連しており、転倒リスクを反映しやすい項目であると考えられる。老健は医療の場ではなく「生活の場」であり、移動や排泄、夜間行動など日常生活の中で転倒が発生しやすい特徴を有する。今後は合計点数の高値だけでなく、認識面をはじめとする生活行動にチェックが入った利用者を中心に積極的な介入を進めていく必要がある。また今回関連がなかった項目も精査し個別性や複合的リスクを考慮すると一概に削除すべきではなく、慎重な検討をしていく必要である。【まとめ】老健における転倒・転落予防には、生活行動に焦点をあてた評価項目の精選と合計スコアを活用したリスク把握が重要であり、本研究は施設特性を反映した評価表見直しの基礎資料となる。