講演情報
[22-P-L001-05]園芸療法による身体機能維持向上、認知機能の活性化活き活き。ぐんぐん。生きる!
*藤井 瞳 (群馬県 藤岡みどりの園)
当施設は、群馬県の藤岡市にあります。藤岡市は緑と清流に恵まれ、農作物を育てるのに律した場所であり、入所者様のバックグラウンドには農作業に携わっていた方々が多くおります。当施設では、認知症の方が多く入所されています。入所者様にリハビリの時間に加えて、園芸や調理などの活動に時間が取れる時には、取り組んでいただいています。園芸作業においては意欲的な反応を示す方々が多くいらっしゃいます。園芸療法は植物の育成や自然とのふれあいを通じて心身の機能回復やストレス軽減を図る療法とうたわれています。心身機能の維持・向上、認知機能の活性化、精神安定、そして他者とのコミュニケーション促進という効果があるとも言われています。 当施設には、畑等の土地はなく、主にプランターでの栽培となっております。狭い空間でもプランター同士を組み合わせてミニトマトの栽培を行ったり、すだれを敷いてその上に小玉スイカをはわせて栽培していたりします。畑などの土地がなくても、狭い空間で工夫しながら行っています。普段、ユニットにいるときはあまり言葉を発さない方でも、水やりの際に「水はこれくらいやらないとダメなんだよ」など、発語が表出されたり、普段居室にこもっていたり、「帰りたい」と廊下を徘徊している方も、植物が植えてある場所に行くと、自ら動き、しゃがんで熱心に草むしりしたりとその場に何分も落ち着いていられたりします。実際に水やりや草むしり、間引きなどについて、入所者様からアドバイスをいただいたりもしています。皆様、園芸活動中は笑顔も多く、活き活きとされます。職員にとっても、植物がぐんぐん育つごとに、関わってくださっている入所者様との信頼関係もぐんぐん育っていくのを感じます。 さらに、収穫したもので調理作業につなげることもあります。冬場に、カボチャが収穫されたときに、カボチャ餅を作成して、参加者みんなで昔のことを回想しながら味わったりする機会を作ったりもしています。実際の調理において、切ったり混ぜたりなどの作業を一人一人に行っていただき、役割を持っていただくことで、普段よりも手指の動きが良くなったりもします。 また、入所者様だけでなく、園芸や調理の作業活動を通じて、「こんなことができたよ」「表情が良くて言葉が出たよ」とユニットの介護・看護職員へフィードバックすることで、ユニットでの話題が持てたり、できることがあるという認識が持てたりと、職員の関わり方を見直すきっかけにもなっていると思います。 機能訓練も行っていますが、PT・OT・STに分かれてのリハビリではなく、合同で内容等を話し合い、現在の機能において安全かつ楽しみとなり認知刺激につながるとして、参加を促しています。機能訓練場面のみでは見られない、入所者様の表情や言葉などが伺え、BPSDの軽減にも一時的ではありますが、効果があると思います。
