講演情報
[22-O-D005-04]通所リハビリにおける認知機能トレーニングの効果ブレインリハビリの有用性
*小宮 悠一郎 (三重県 介護老人保健施設つつじの里)
【はじめに】通所リハビリテーションでは、身体機能訓練だけでなく、在宅生活の継続に向けた生活支援、家族支援、多職種連携、余暇活動の提案など、利用者の暮らしを支える幅広い関わりが求められる。特に、通所利用中の余暇時間をどのように過ごすかは、利用者の活動性や生活の充実感に関わる重要な課題である。当施設では、タッチパネル式のパソコンを用いた認知機能トレーニングであるブレインリハビリを、リハビリテーション場面や余暇時間に活用している。ブレインリハビリは、注意機能、記憶、判断力などに働きかける課題で構成されており、利用者の能力に応じて課題の難易度を設定できる特徴がある。また、回答後に結果が即座に提示されるため、利用者が自身の達成状況を確認しやすく、継続的に取り組むうえでの動機づけにもつながると考えられる。認知機能の維持・向上は、在宅生活の継続や認知症予防の観点からも重要であり、早期の認知機能低下を把握し、継続的に支援することが求められる。
【目的】本報告では、通所リハビリテーション利用者に対してブレインリハビリを継続的に実施し、認知機能および生活機能に変化がみられるかを明らかにすることで、ブレインリハビリの余暇活動としての有用性を検討することを目的とした。
【方法】対象は、当施設を含むデイケア4事業所の利用者のうち、研究内容を説明し同意が得られた男女57名とした。早期の認知機能低下を発見し、維持・向上させる.という観点から、Mini-Mental State Examination(MMSE)が25点以上の者を対象とした。対象者をブレインリハビリ実施群と非実施群に分け、1回目をベースライン、2回目を3か月後、3回目を6か月後として、3か月に1回の定期評価を行った。評価項目は、認知機能評価としてMMSEおよびSimple Cognitive Test(SC-test)、生活機能評価として老研式活動能力指標およびLawtonのIADL尺度を用いた。SC-testは、認知症発症前の早期の認知機能低下を把握することを目的に開発された評価であり、先行研究においてMMSEおよびFrontal Assessment Battery(FAB)との有意な相関が示されている。さらに、MMSEよりもFABとの相関が強いことから、特に前頭葉機能の低下を鋭敏に捉える評価であると考えられている。分析は、継続して評価可能であった3時点のデータを対象とし、Friedman検定および多重比較を用いて経時的変化を検討した。
【結果】実施群では、MMSE、老研式活動能力指標、LawtonのIADL尺度に有意な変化は認められなかった。一方、SC-testでは3時点間で有意差を認め、多重比較の結果、1回目と3回目の間に有意差が認められた。これにより、継続的なブレインリハビリの実施により、認知機能、特に注意機能に関する改善が示唆された。非実施群では、MMSEにおいて3時点間の有意差が認められたが、多重比較では調整後の有意差は明確ではなかった。また、SC-test、老研式活動能力指標、LawtonのIADL尺度には有意な変化は認められなかった。
【考察】本結果では、実施群においてMMSEや生活機能評価では有意な変化がみられなかった一方で、SC-testに有意な改善が認められた。対象者はMMSE25点以上であり、もともと認知機能が比較的保たれていたため、6か月間の介入ではMMSEや生活機能に明確な変化が現れにくかった可能性がある。その中でSC-testに変化がみられたことは、通常の認知機能評価では捉えにくい前頭葉機能や注意機能などの変化を把握できた可能性を示している。ブレインリハビリは、余暇時間を単に過ごすための活動ではなく、認知機能への働きかけを含む活動として活用できる可能性がある。
【今後の課題】本報告の限界として、実施群と非実施群の背景因子や利用状況を十分に統制できていない点が挙げられる。また、利用者の入れ替わりにより、3時点すべての評価が可能であった対象者に限って分析を行っているため、結果の一般化には慎重さが必要である。さらに、ブレインリハビリの実施頻度や実施内容、利用者の取り組み状況にばらつきがある可能性があり、効果を厳密に判断するには限界がある。今後は、対象者数の確保、実施頻度や介入期間の統一、実施群と非実施群の背景因子の比較を行い、効果をより詳細に検討していく必要がある。また、利用者が活動の必要性や効果を理解したうえで、自ら選択し、主体的に取り組める余暇活動としてブレインリハビリを提供していくことが重要である。
【目的】本報告では、通所リハビリテーション利用者に対してブレインリハビリを継続的に実施し、認知機能および生活機能に変化がみられるかを明らかにすることで、ブレインリハビリの余暇活動としての有用性を検討することを目的とした。
【方法】対象は、当施設を含むデイケア4事業所の利用者のうち、研究内容を説明し同意が得られた男女57名とした。早期の認知機能低下を発見し、維持・向上させる.という観点から、Mini-Mental State Examination(MMSE)が25点以上の者を対象とした。対象者をブレインリハビリ実施群と非実施群に分け、1回目をベースライン、2回目を3か月後、3回目を6か月後として、3か月に1回の定期評価を行った。評価項目は、認知機能評価としてMMSEおよびSimple Cognitive Test(SC-test)、生活機能評価として老研式活動能力指標およびLawtonのIADL尺度を用いた。SC-testは、認知症発症前の早期の認知機能低下を把握することを目的に開発された評価であり、先行研究においてMMSEおよびFrontal Assessment Battery(FAB)との有意な相関が示されている。さらに、MMSEよりもFABとの相関が強いことから、特に前頭葉機能の低下を鋭敏に捉える評価であると考えられている。分析は、継続して評価可能であった3時点のデータを対象とし、Friedman検定および多重比較を用いて経時的変化を検討した。
【結果】実施群では、MMSE、老研式活動能力指標、LawtonのIADL尺度に有意な変化は認められなかった。一方、SC-testでは3時点間で有意差を認め、多重比較の結果、1回目と3回目の間に有意差が認められた。これにより、継続的なブレインリハビリの実施により、認知機能、特に注意機能に関する改善が示唆された。非実施群では、MMSEにおいて3時点間の有意差が認められたが、多重比較では調整後の有意差は明確ではなかった。また、SC-test、老研式活動能力指標、LawtonのIADL尺度には有意な変化は認められなかった。
【考察】本結果では、実施群においてMMSEや生活機能評価では有意な変化がみられなかった一方で、SC-testに有意な改善が認められた。対象者はMMSE25点以上であり、もともと認知機能が比較的保たれていたため、6か月間の介入ではMMSEや生活機能に明確な変化が現れにくかった可能性がある。その中でSC-testに変化がみられたことは、通常の認知機能評価では捉えにくい前頭葉機能や注意機能などの変化を把握できた可能性を示している。ブレインリハビリは、余暇時間を単に過ごすための活動ではなく、認知機能への働きかけを含む活動として活用できる可能性がある。
【今後の課題】本報告の限界として、実施群と非実施群の背景因子や利用状況を十分に統制できていない点が挙げられる。また、利用者の入れ替わりにより、3時点すべての評価が可能であった対象者に限って分析を行っているため、結果の一般化には慎重さが必要である。さらに、ブレインリハビリの実施頻度や実施内容、利用者の取り組み状況にばらつきがある可能性があり、効果を厳密に判断するには限界がある。今後は、対象者数の確保、実施頻度や介入期間の統一、実施群と非実施群の背景因子の比較を行い、効果をより詳細に検討していく必要がある。また、利用者が活動の必要性や効果を理解したうえで、自ら選択し、主体的に取り組める余暇活動としてブレインリハビリを提供していくことが重要である。
