講演情報
[22-P-D001-01]温熱療法により認知症利用者の易怒性が軽減した一症例「仙骨を温めるケア」が情緒安定に寄与した可能性
*小林 秀太 (秋田県 介護老人保健施設 田沢の郷)
【目的】認知症利用者にみられる易怒性や不穏などのBPSDは、本人のQOL低下および介護負担増大につながる。本症例では、薬物療法に依存しない非薬物的介入として、仙骨部および背部への温熱療法を実施し、易怒性を含む情緒面の変化に及ぼす影響を検討した。
【方法】対象は、ケア介入時に拒否や怒声がみられ、下肢の冷感および身体的緊張を認めた認知症利用者1名とした。不穏時またはリハビリ介入前に、仙骨部および背部へ約40℃の温熱パックを15分間実施した。観察は理学療法士が行い、不安・興奮・拒否・表情の変化を0~3段階尺度で記録した。0~3段階尺度は、現場で継続して評価しやすく、介入前後の変化を簡便に可視化することを目的として設定した。温熱療法後に実施する触れるケア、ストレッチやマッサージ等は、毎回ほぼ同じ内容・順序で行った。実施頻度は週2回、計8回とした。
【結果】温熱療法実施後、介入直後より不安・興奮の軽減、拒否反応の減少、表情の軟化が認められた。また、温熱療法後は触れるケアに対する受け入れが良好となり、非言語的コミュニケーションが取りやすくなる傾向が観察された。さらに、介入後30分程度は落ち着いた状態が持続する場面もみられた。
【考察】本症例では、仙骨部および背部への温熱刺激により、末梢循環の改善および身体的緊張の緩和が生じ、身体的不快感の軽減を介して情緒面の不穏が緩和された可能性がある。さらに、温感による安心感およびリラクゼーション反応により、交感神経優位になりやすい状態が抑制された可能性も考えられる。加えて、温熱療法後に触れるケアへの受け入れが高まったことは、温熱によって得られた安心感が非言語的コミュニケーションを促進した可能性を示している。本研究は一症例であり、温熱療法単独の効果や因果関係を断定することはできない。今後は症例数の拡大に加え、改善の持続時間を実測し、介入条件と評価指標の客観性、評価者間一致などを検討する必要がある。
【方法】対象は、ケア介入時に拒否や怒声がみられ、下肢の冷感および身体的緊張を認めた認知症利用者1名とした。不穏時またはリハビリ介入前に、仙骨部および背部へ約40℃の温熱パックを15分間実施した。観察は理学療法士が行い、不安・興奮・拒否・表情の変化を0~3段階尺度で記録した。0~3段階尺度は、現場で継続して評価しやすく、介入前後の変化を簡便に可視化することを目的として設定した。温熱療法後に実施する触れるケア、ストレッチやマッサージ等は、毎回ほぼ同じ内容・順序で行った。実施頻度は週2回、計8回とした。
【結果】温熱療法実施後、介入直後より不安・興奮の軽減、拒否反応の減少、表情の軟化が認められた。また、温熱療法後は触れるケアに対する受け入れが良好となり、非言語的コミュニケーションが取りやすくなる傾向が観察された。さらに、介入後30分程度は落ち着いた状態が持続する場面もみられた。
【考察】本症例では、仙骨部および背部への温熱刺激により、末梢循環の改善および身体的緊張の緩和が生じ、身体的不快感の軽減を介して情緒面の不穏が緩和された可能性がある。さらに、温感による安心感およびリラクゼーション反応により、交感神経優位になりやすい状態が抑制された可能性も考えられる。加えて、温熱療法後に触れるケアへの受け入れが高まったことは、温熱によって得られた安心感が非言語的コミュニケーションを促進した可能性を示している。本研究は一症例であり、温熱療法単独の効果や因果関係を断定することはできない。今後は症例数の拡大に加え、改善の持続時間を実測し、介入条件と評価指標の客観性、評価者間一致などを検討する必要がある。
