講演情報

[23-P-P2Q-03]外国人介護人材の育成を支える教育体制の構築

*中川 史織、髙橋 真理、三浦 仁 (秋田県 介護老人保健施設ニコニコ苑)
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【はじめに】介護分野では慢性的な人材不足が続いており、その対応策の一つとして外国人介護人材の受入れが進められている。一方で、受け入れ後の人材育成や資格取得に向けた支援は重要な課題であり、介護福祉士国家試験受験要件となる実務者研修を受講しやすい環境づくりが求められている。
当法人では、法人全体の人材育成を担う研修・地域交流課を設置し、職員研修の企画・運営や資格取得に向けた支援を行っている。所属長と連携しながら、職員一人ひとりの状況に応じた支援を継続できる体制づくりに取り組んでいる。令和5年8月には、株式会社推進協が運営する「介護大学校」の分校開校決定通知を受け、法人内で実務者研修を受講できる環境を整備した。
本発表では、外国人介護人材の育成を支える教育体制の構築を通して、人材確保と資格取得に向けた取り組みについて報告する。

【取り組み】設置した分校において、実務者研修を実施している。講師は、実務者研修教員資格および医療的ケア教員資格を有する自施設職員が担当し、受講者の勤務状況に配慮しながら学習を進められる体制を整えた。
受講者は日本人職員および外国人職員であり、外国人職員は主に特定技能として勤務している。外国人職員の中には、日本語での会話は可能であっても、教科書に用いられる漢字や専門用語の理解には個人差があった。そのため、内容に応じて分かりやすい言葉に言い換えるなど、理解度に合わせた説明を行った。
また、日頃から関わりのある自施設職員が講師を担当することで、受講者が疑問や不安を相談しやすい環境づくりに努めた。研修・地域交流課では、受講に関する手続きや学習面での相談対応など、資格取得に向けた支援を行った。

【結果】分校開校後、日本人職員および外国人職員が実務者研修を受講し、令和6年には初めての修了者を輩出した。以降、受講者全員が研修を修了し、途中離脱者は認められなかった。また、介護福祉士国家試験合格者を輩出するとともに、外国人職員についても受験資格を満たした職員から順次受験を予定しており、継続した資格取得に向けた支援につながっている。

【考察】法人内で実務者研修を受講できる環境を整備したことは、職員が勤務を継続しながら資格取得を目指せる環境づくりにつながった。また、自施設職員が講師を担うことで、受講者の理解度や状況に応じた支援を行うことができ、学習を継続しやすい環境につながったと考える。
特に外国人職員に対しては、日本語や専門用語の理解度に応じて説明方法を工夫することで、不安を軽減しながら研修修了へつなげることができた。さらに、研修・地域交流課が職員の資格取得に向けた支援を継続して担うことで、受講前から修了後まで一貫した関わりを持つことができたことも、本取り組みの特徴である。
分校を設置することだけでなく、受講者に寄り添いながら学習を支える仕組みを整えたことが、途中離脱者なく研修修了につながった要因の一つと考える。今回の取り組みは、外国人介護人材の育成だけでなく、人材確保や人材育成を支える教育体制の一つの実践例となった。今後も、一人ひとりに寄り添った支援を継続し、人材定着と資格取得支援につながる教育体制の充実を図っていきたい。