講演情報

[A-1-09]量子化学計算に向けた固有値問題の FPGA 高速化の初期評価

◎長澤 駿1、右田 怜2、望月 一弥1、松永 望1、佐藤 真平2 (1. アイベックステクノロジー、2. 信州大)

キーワード:

FPGA、量子化学計算、固有値計算

量子化学計算の密度汎関数法では,行列の固有値問題の繰り返し計算がボトルネックとなる.先行研究の修正グラムシュミットQR分解を用いたFPGAアーキテクチャでは,内積計算のレイテンシが全体性能に影響する課題があった.本研究では,実行時間削減を目的に内積計算器を二重化するアーキテクチャを提案する.二重化に伴い,行列を偶数・奇数列に分割してオンチップメモリに格納するメモリブロックの最適化と,高位合成での合成エラーを回避しつつパイプラインの高速化を維持するためにダミー信号を用いて常に2個のデータを転送する端数処理の制御構造を導入した.高位合成(Intel oneAPI DPC++)を用いてAgilex 7搭載のIPAC-1000に実装し,実機性能を比較した結果,提案手法はCPU(EPYC 7742)や一部のGPU(P100)を上回る演算性能を達成し,その有効性を明らかにした.