講演情報

[A-10-23]雲形・雲状態分類と時系列処理のマルチモーダル学習による季節に応じた局地降水予測

◎西山 叶都1、尾崎 敦夫1 (1. 阪工大)

キーワード:

ナウキャスト、マルチモーダル、画像処理、雲形・雲状態、時系列処理、気象予測、深層学習

本研究は、深刻な被害をもたらすゲリラ豪雨等への対策として、低コストかつ高精度な局所的降水予測システムを開発することを目的とする。従来の大規模モデルとは異なり、Raspberry Pi等で構築可能な本手法は、地上観測型雲画像と数値気象データを組み合わせ、さらに定性的な気象知識として雲形・雲状態を統合したマルチモーダル深層学習アプローチを提案している。システムでは、まず事前に学習させた雲形・雲状態分類モデルを作成し、それを用いて地上観測型雲画像に世界気象機関の定義に基づく雲形・雲状態ラベルを付与して気象知識として構造化する。そこに、ResNetを用いた画像処理による空の輝度や色調の特徴、および数値気象データを統合し、TransformerとLSTMを用いて時系列処理を行うことで、最終的にLightGBMから降水確率を出力する。本手法では、日本特有の気象特性に応じてデータを四季に分割して評価している。大阪工業大学で収集された約1年間の実データを用いて検証を行った結果、提案手法は季節特有の雲の特徴を捉えることで、30〜60分先の予測において高い性能を示した。特に「雨の降り始め」の検知において全季節で従来手法を一貫して圧倒し、中でも秋の60分先予測ではF1値が+0.228という大幅な精度向上を記録した。これにより、雲形・雲状態という気象学的知見が、数値データだけでは捉えきれない気象変化を補完するために有効である可能性が示された。今後はパラメータの最適化や全天球カメラの導入によるさらなる精度向上を目指す。