講演情報

[A-11-12]LoRA Rank Growing における既存Rank 固定の妥当性分析

◎△金谷 一輝1、近藤 大輔2、小板 隆浩2、小比賀 亮仁1 (1. 同志社大、2. 同志社大学大学院)

キーワード:

深層学習、ファインチューニング、LoRA、Rank Growing

LoRAは,モデルに低ランク行列で表される少数のパラメータを追加し,そのパラメータのみを学習するparameter-efficient fine-tuning手法である.LoRAのrankは表現力を左右する重要な要素であり,学習途中でrankを段階的に追加するrank growing型の手法が提案されている.一方で,既存rankを固定し,追加rankのみを学習する設計では,追加rankの更新が既存rankの勾配に影響を与える場合,既存rank固定の妥当性が明らかでない.本研究では,rankを1つ追加して学習する区間をstageとし,追加rankの更新が既存rankの勾配に与える一次近似的な影響をHVP interaction,stage前後における既存rankの勾配変化をgradient driftと定義する.SST-2を用いた分類実験では,RoBERTaに対してrankを1から5まで段階的に増加させ,固定型と再調整型を比較した.その結果,固定型ではHVP interactionとgradient driftの間に正の相関が見られ,追加rankの学習が固定された既存rankの勾配に影響を与えることが示唆された.一方,再調整型では明確な相関は見られず,既存rankの再調整により勾配変化が吸収された可能性がある.また,最終stage後のTest Accは固定型で93.6±0.4%,再調整型で94.0±0.4%となり,再調整型が小さいながら高い平均性能を示した.以上より,rank growingではrank間の相互作用を考慮した学習設計が重要であると考えられる.