講演情報

[A-15-08]GLCMとテクスチャ特徴を用いたブロック分割手法に関する研究

◎△稲沢 維斗1、岩崎 裕江2、江川 隆輔3 (1. 東京電機大学大学院、2. 東京農工大学、3. 東京電機大学)

キーワード:

映像符号化技術、VVC(Versatile Video Coding)、GLCM(Gray Level Co-occurrence Matrix)

近年,映像コンテンツの伝送量増加に伴い,通信トラフィックの負荷が拡大していることから,映像符号化技術の重要性が高まっている.2020年に標準化された最新方式であるH.266/VVCは,前規格HEVCと同等の画質を約2倍の圧縮率で実現するが,符号化処理に要する計算負荷は大きく増大している.特にブロック分割処理での負荷が大きく,VVCの普及を妨げる要因の一つとなっている.そこで本論文では,GLCM(グレーレベル共起行列)から抽出可能なテクスチャ特徴である角二次モーメント(ASM)および逆差分モーメント(IDM)を用いたブロック分割判定手法を提案する.これらを用いてテクスチャの方向性の強度を解析することでBT/TT分割判定の精度向上を図る.提案手法をVVC参照ソフトウェアVTM 19.2に実装し,絶対平均偏差(MAD)を用いた既存手法と比較した結果,全評価映像においてBD-rateを改善しつつ,エンコード時間削減率を同程度に維持できることを確認した.平均BD-rateは既存手法の1.71%に対し提案手法では1.51%に改善し,平均エンコード時間削減率の低下は1%程度に留まった.一方,本手法はQT分割寄りに判定する傾向があり,BT/TT分割が最適なブロックを多く含む映像では効果が小さい点が課題として残されている.今後はこの偏りを抑える改良を進める予定である.