講演情報

[A-18-05]高齢化が進む校区自治協議会のWebサイト運営の課題と改善

〇末吉 智奈佐1、内林 俊洋2、稲永 健太郎1 (1. 九州産業大学、2. 九州大学)

キーワード:

校区自治協議会、Webサイト運用、高齢化、ICT活用、知識継承

少子高齢化の進行に伴い,地域コミュニティの中核を担う自治協議会では,役員の担い手不足や活動のデジタル化の遅れが深刻な課題となっている.こうした組織は防犯・防災・福祉・環境美化など多岐にわたる地域活動を担いながらも,活動内容やイベントを地域内外へ継続的に発信する手段は限られており,Webサイト等を通じたICT活用が強く求められている.本稿では,大学研究室の技術協力のもと,福岡市内の校区自治協議会のWebサイトを約8年間にわたって月次更新・運用してきた経験に基づき,運用上の課題を整理・分析し,改善に向けた方策を提案する.対象のWebサイトはWordPressで構築されており,自治協議会担当者が作成した紙またはPDFの原稿をWeb担当者が手作業で転記・公開する体制で運営されている.長期運用を通じて明らかとなった主な課題は,更新手順や運用ノウハウの体系的な文書化・共有が不十分であることに起因する知識継承の欠如,高齢構成員のデジタルツールへの不慣れさに起因する紙・PDF原稿の手作業転記という作業負担と入力誤りのリスク,アナログ手段への依存による地域内外への情報発信力の不足の3点である.これらに対し,本稿では,運用手順書・チェックリストの整備による知識継承の円滑化,定型テンプレートと半自動取り込みを活用した転記作業の省力化,公式LINEとの連携強化による発信チャネルの多様化という3つの改善策を提案する.また,大学研究室が地域組織へ継続的に技術協力する枠組みが,担い手不足を補完しつつ運用を持続させる有効なモデルとなりうることを示す.今後は提案手法を実際の運用へ導入し,効果を検証するとともに,他の地域組織への展開可能性を検討する.