講演情報
[A-2-11]QuStitch : 格子手術量子計算のための多階層可視化システム
◎坪井 星汰1、伊藤 麗生1、笠村 卓矢1、門本 淳一郎1 (1. 東京大学)
キーワード:
量子情報理論、量子誤り訂正符号、表面符号、格子手術
誤り耐性量子計算では,量子回路は物理デバイス上で直接実行されるのではなく,論理量子ビットの符号化や論理演算への分解を経て実行される.特に,表面符号に基づく格子手術では,論理量子ビットを二次元格子上のパッチとして表現し,論理演算をパッチの結合・分離,拡張・収縮,境界変形などの時空間的操作として実現する.しかし,通常の量子回路図のみから,各ゲートがどのようなパッチ操作や低レベル命令へ変換されるかを把握することは難しく,格子手術の理解や変換結果の検証を妨げる要因となっている.本稿では,格子手術量子計算の実行過程を複数の抽象度から同期的に可視化するウェブブラウザベースのシステム QuStitch を提案する.QuStitch は,入力回路,格子手術向けに変換された回路,二次元格子上のパッチ操作,スタビライザ配置,および量子命令セットアーキテクチャ(QISA)の命令列を,共通の実行イベントに対応付けて表示する.バックエンドでは,回路変換,パッチ状態遷移,命令列を時間情報付きの統一イベントデータとして生成し,フロントエンドでは各ビューを同一時刻・同一イベントに基づいて更新する.これにより,利用者は回路レベルの演算と,対応するパッチ操作,スタビライザ変化,低レベル命令との関係を段階的に追跡できる.本システムは,格子手術の学習支援に加え,回路変換や命令生成結果の対応関係を確認するためのデバッグ支援にも有用である.
