講演情報
[A-8-04]咀嚼音の時間スケーリング特性による咀嚼時間予測 ── 高齢有歯顎群および総義歯装着群における予測誤差収束の階層ベイズモデリング ──
〇杉本 俊二1、三浦 俊和2、大川 孝博2、樽川 禅2、古賀 麻奈花2、鈴木 亜沙子2、堀畑 聡2、伊藤 誠康2、河相 安彦2 (1. 豊橋技科大、2. 日大)
キーワード:
咀嚼音、時間スケーリング、フラクタル、予測誤差最小化、階層ベイズモデル
咀嚼運動は,口腔内の感覚フィードバックにより食塊を嚥下可能な状態へ収束させる感覚運動統合過程と捉えられる.本研究では,咀嚼音の時間スケーリング特性(αPSD)に着目し,有歯顎群(D)および総義歯装着群(CD)における咀嚼時間の予測性を階層ベイズモデルにより検討した.予測誤差最小化の枠組みに基づき,αPSDと予測誤差収束速度を関連づけるモデルを定式化し,個人間・個人内変動を分離した線形予測子を構築した.分析の結果,個人間レベルではαPSDの個人平均が大きいほど咀嚼時間が長く,その傾向はCD群で顕著であった.一方,αPSDの個人内(試行間)変動と咀嚼時間の関係は不明瞭であった.個人間・個人内変動を分離したことにより,αPSDと咀嚼時間の関係が主として個人間差により規定されることが示された.CD群でより大きな傾きが認められたことから,口腔内感覚フィードバックの制限により,咀嚼音の時間相関構造と嚥下判断タイミングの関連が増幅されることが示唆された.
