講演情報

[A-8-17]一次元NMR信号に対するCRoSSを用いたデータハイディング手法の提案

◎坂田 裕希1、雨車 和憲1 (1. 工学院大学大学院)

キーワード:

NMR、データハイディング

NMR(Nuclear Magnetic Resonance) 分光法は,分子構造を解析するための手法として利用されている.近年,小型NMR 測定装置の実現や深層学習と融合した技術開発の進展により,NMR 信号データの利用範囲が拡大し,そのデータ自体の価値が高まっている.このような背景から,データ流通時における所有権証明や改ざん防止,機密性の確保といった観点より,その情報を保護する技術が求められている.先行研究では,複素グラフフーリエ変換を用いた一次元MNR 信号に対するデータハイディング手法が提案されており,シミュレーション実験により一定の精度を実現している.他方,文献[2] では拡散モデルを用いた画像に対するデータハイディングを行うCRoSS(Controllable, Robust and Secure Image Steganography) が提案されている.CRoSSは,拡散モデルの条件付き生成過程を利用して隠したい情報をノイズ表現へ変換し,そこから指定されたテキストに従って公開データを生成する手法である.この手法は,公開データに隠した情報を特定できる痕跡が残存しにくく,高い秘匿性を有する.本研究ではCRoSS を応用し,NMR 信号に対する拡散モデルを用いたデータハイディング手法を提案する.この手法は,公開データから隠したNMR 信号の存在を推定されにくい,高い秘匿性を持つデータハイディングの実現が期待される.数値実験によって提案手法の有効性を示す.