講演情報

[ABT-1-02]高次元ベイズ最適化による無線基地局の自動設計

〇佐藤 光哉1 (1. 電気通信大学)

キーワード:

ベイズ最適化、基地局設計、レイトレーシング、電波伝搬

高速・高信頼な無線通信の品質を確保するためには,広域にわたる複数基地局の配置,送信電力などのパラメータの入念な事前設計が重要である.しかし,システム運用開始前の段階で通信品質に関する目的関数を,複雑な電波伝搬特性を考慮した上で閉形式で定式化することは困難であり,電波伝搬シミュレーションを繰り返し用いた発見的なパラメータ探索が必要となる.一方で,レイトレーシングに代表される高精度なシミュレーションは計算コストが高く,限られた評価回数で有効な設計パラメータを探索する手法が求められる.本講演では,このような問題に対するブラックボックス最適化手法として,ベイズ最適化(BO: Bayesian Optimization)とその無線基地局設計への応用について述べる.BOは,限られた評価回数の下で最適な入力を効率的に探索することを目的とした手法である.複数回の実験またはシミュレーションの結果に基づき,入力パラメータと目的関数の関係をガウス過程回帰(GPR: Gaussian Process Regression)などによりモデル化し,目的関数値の改善が期待されるパラメータを逐次的に選択する. 電波伝搬損失は空間軸上のガウス過程としてモデル化できるため,基地局設計問題においても,例えばスループットの面平均最大化を目的とする場合には,目的関数をGPRによりモデル化できる.これにより,BOを用いた効率的な基地局設計が可能となる.一方で,一般にBOでは,入力次元の増加に伴って探索効率が低下することが課題となる.したがって,BOはブラックボックス目的関数を対象とする手法であるものの,基地局設計に適用する際には,問題の性質を考慮した目的関数の設計や入力次元の削減が重要である.本講演ではまず,BOの基本的な考え方を概説する.その後,BOの無線基地局設計問題への応用例について紹介する.