講演情報
[B-15-42]DR-IoTのためのVHF帯マルチパス伝搬遅延特性の推定
〇加藤 隆大1、池ノ谷 銀二1、平川 洸基1、井家上 哲史1、石原 進2、小川 将克3、加藤 新良太4、高井 峰生5 (1. 明治大、2. 静岡大、3. 上智大、4. スペースタイムエンジニアリング、5. 大阪大)
キーワード:
マルチパス伝搬、DR-IoT(Diversified-Range IoT)、電力遅延プロファイル、VHF帯
災害対応などを目的とした220MHz VHF帯を用いるDR-IoT(Diversified-Range IoT)システムでは、320kbpsという比較的高ビットレートの伝送において、マルチパスの影響と考えられるパケットエラーの発生が確認されている。従来、マルチパスの伝搬遅延プロファイルを取得するためには、PN系列のPSK信号やOFDM信号といった広帯域信号を用いるのが一般的であった。しかし、DR-IoTの試験ではこれらの広帯域信号の使用が困難である。 そこで本研究では、無変調キャリア信号の周波数を切り替えながら送信し、受信電力の周波数特性データから電力遅延プロファイルを推定する手法を検証した。具体的には、受信した周波数特性データに対し、逆フーリエ変換(IFFT)、ピーク抽出、およびガウシアン再構成を組み合わせることで遅延プロファイルを推定した。この手法を用いて宮崎県えびの市の加久藤盆地において測定実験を行った。送信点(Tx)を標高の高い位置に固定し、送信電力5W、216MHzから222MHzまでの274点の周波数掃引信号を送信した。受信には測定車に搭載したスペクトラムアナライザを使用し、見通し内(LoS)であるRX1とRX2、見通し外(NLoS)であるRX3の計3地点で停車状態にて測定を実施した。 推定された電力遅延プロファイルの結果、見通し内環境のRX1およびRX2では、先頭波の近傍に遅延波が観測されたものの、後続の遅延波は主波に対して相対電力が-20dB以下に収まる傾向が確認された。一方、丘陵に遮蔽される見通し外環境のRX3では、先頭波の後5μsにわたり相対電力-20dB以上の反射波群が継続して到来し、それ以降も比較的強い反射波が到達していることが判明した。本手法により周波数特性データからの遅延プロファイル推定が可能であることが示され、今後は推定精度の評価を進め、伝送試験評価に役立てる予定である。
