講演情報

[B-15-46]導電性インク印刷による樹脂製ギヤの非接触センシング特性評価

◎八田 淳太郎1、島崎 仁司1、射場 大輔1 (1. 京都工芸繊維大学)

キーワード:

ループアンテナ、インターデジタルキャパシタ、非接触検出、誘電率変化、産業用IoT、導電性インク印刷

近年,機械部品の状態をリアルタイムで監視するスマートセンシング技術への関心が高まっており,樹脂製ギヤにおいても,表面に導体パターンが印刷された「スマートギヤ」が,物理的なき裂の検出を 目的として提案されている.著者らはこれまでに,インターデジタルキャパシタ(以下,「IDC」という)を含む導体パターンを樹脂製ギヤ上に形成し,誘電率変化、およびき裂の発生を非接触で検出する手法を提案した.前回は FR4 基板上に作製した試作機を用いて原理検証を行ったが,本研究では導電性インクを用いて実際に樹脂製ギヤ表面へ導体パターンを印刷し,その共振特性を評価した. 非接触センシングにあたっては,導体パターンと同軸上に配置したFR4プリント基板による励振用ループアンテナの反射係数を測定した.実験では,ギヤの温度を変化させることにより材料の誘電率を変化させ,共振特性への影響を調査した.その結果,温度変化に応じて共振周波数が変化することを確認し,導電性インクを用いて形成した導体パターンにおいても,誘電率変化を非接触で検出できることを確認した. また,FR4 基板上の試作機と比較した結果,低周波側の共振における落ち込みが小さくなり,高周波側の共振が相対的に顕著となることを確認した.そこで,導体部分の直流抵抗から導電率を算出し比較したところ,両者で大きく値が異なることが確認できたため,電磁界シミュレータを用いて導体の導電率を変化させながら解析を行った.その結果,導電率の低下に伴い実験結果と同様の傾向が得られ,観測された共振特性の変化が導電性インクによる導体パターンの低導電率に起因することを確認した.