講演情報

[B-1A-28]メタマテリアル電波散乱シートの簡易シミュレーションモデルの検討

◎△雨宮 拓夢1、村上 靖宜1、チャカロタイ ジェドヴィスノプ2、藤井 勝巳2 (1. 電気通信大学、2. 情報通信研究機構)

キーワード:

電波伝搬、5G、ミリ波、メタマテリアル、シミュレーション

本研究では,メタマテリアル電波散乱シート(EMSS: Electromagnetic Scattering Sheet)の散乱特性を再現する簡易電波伝搬シミュレーションモデルを提案した.5Gで利用される28 GHz帯ミリ波は直進性が高く,見通し外環境において不感地帯が発生する.EMSSは散乱により通信品質の改善が期待されるが,その効果は設置位置や設置面積に大きく依存するため,最適な配置を検討するためのシミュレーションモデルが必要である.提案モデルでは,EMSSの散乱パターンを複数の仮想送信点から構成されるモデルとして表現した.EMSSに入射した電波は各仮想送信点から再放射されるものとし,各仮想送信点の送信電力は解析で求めたシート表面の受信信号強度に基づいて設定した.さらに,EMSSの散乱パターンを複数の主要散乱ビーム成分に分割し,各ビームを仮想送信点に対応するアンテナ放射パターンとしてモデル化した.仮想送信点数を変化させてシミュレーションを行い,実測結果との比較により提案モデルの再現精度を評価した.評価には,実測結果およびシミュレーション結果の受信信号強度分布から累積分布関数(CDF)を算出し,両者の最大差分を表すKolmogorov–Smirnov(KS)距離を用いた.その結果,仮想送信点数1の場合にKS距離が最小となり,受信信号強度分布の広がり,強度の増減傾向および受信信号強度レベルを最も良好に再現できることを確認した.以上より,提案モデルはEMSSの散乱特性を適切に再現できることを示した.