講演情報
[B-1C-39]深層学習を用いたDOA推定における近接波環境対策への一検討
〇澤田 直樹1、安藤 ダニエル明1、真鍋 哲也1 (1. 三重大学大学院工学研究科情報工学専攻)
キーワード:
到来方向推定、アレーアンテナ、深層ニューラルネットワーク、主成分分析
アレーアンテナを用いた到来方向(DOA: Direction of Arrival)推定は,無線通信などで重要な技術である.我々は,深層ニューラルネットワーク(DNN: Deep Neural Network)を用いたオングリッドDOA推定法を提案しており,これまでに低SNR環境における推定精度向上を目的として,主成分分析(PCA: Principal Component Analysis)を適用したPCA付きDNNを提案した.PCA付きDNNの出力値は角度スペクトルとなるように設計する.具体的には,出力層の各ユニットを,角度ビンと呼ばれる角度領域を複数の微小な角度区間に分割したものに対応付ける .ここで,各角度ビンの値は,そのビンに信号が到来する確率を表す.一方,近接した到来波が存在する場合には,各到来波に対応するピークとなった角度ビンが重なることが原因で,ピークの分離が,特に受信電力差を有する環境では困難となる.
本検討では,受信電力差を有する近接波環境におけるDOA推定精度の向上を目的として,出力分離型DNNを提案する.従来法のPCA付きDNNでは一つの角度スペクトルを出力するのに対し,提案法では到来波ごとに独立した角度スペクトルを出力する.各出力に対応する教師ラベルを用いて学習を行うことで,各到来波のピークを明瞭化し,近接波の影響を受けにくい推定を実現する.
提案法の有効性を確認するため,アンテナ素子数10の等間隔リニアアレーを用い,到来波数2,受信電力差−6 dBの条件で計算機シミュレーションを実施した.PCA付きDNNおよび出力分離型DNNにおいてRMSEを指標として評価した.その結果,提案法では強電力波・弱電力波ともにRMSEが改善し,角度スペクトル上で各到来波のピークを明確に分離できた.
以上より,出力分離型DNNは受信電力差を有する近接波環境において有効であることを示した.一方,到来波数の増加に伴い出力層ユニット数も増加するという課題が予想できる.そこで,今後は計算量を考慮したネットワーク構成や中間層設計について検討する必要がある.
本検討では,受信電力差を有する近接波環境におけるDOA推定精度の向上を目的として,出力分離型DNNを提案する.従来法のPCA付きDNNでは一つの角度スペクトルを出力するのに対し,提案法では到来波ごとに独立した角度スペクトルを出力する.各出力に対応する教師ラベルを用いて学習を行うことで,各到来波のピークを明瞭化し,近接波の影響を受けにくい推定を実現する.
提案法の有効性を確認するため,アンテナ素子数10の等間隔リニアアレーを用い,到来波数2,受信電力差−6 dBの条件で計算機シミュレーションを実施した.PCA付きDNNおよび出力分離型DNNにおいてRMSEを指標として評価した.その結果,提案法では強電力波・弱電力波ともにRMSEが改善し,角度スペクトル上で各到来波のピークを明確に分離できた.
以上より,出力分離型DNNは受信電力差を有する近接波環境において有効であることを示した.一方,到来波数の増加に伴い出力層ユニット数も増加するという課題が予想できる.そこで,今後は計算量を考慮したネットワーク構成や中間層設計について検討する必要がある.
