講演情報

[B-20-11]電界結合型非接触スリップリングの小型化・安定化に関する検討

◎小林 誠元1、高橋 芳浩1 (1. 日本大学)

キーワード:

無線電力伝送、電界結合、非接触スリップリング、LCR直列共振回路

風力発電機、レーダーアンテナ、ロボットアームなどの同軸回転体間の電力伝送には、金属リングとブラシとの接触を利用したスリップリングが広く用いられている.しかし,摺動に伴う摩擦による摩耗や破損や発生した摩耗粉による接触不良といった問題が存在し, 定期的な保守・交換が必要となるため非接触化が求められる。これまでに我々は、回転部の内外導体間の空隙をコンデンサとして利用した、電界結合型非接触電力伝送について検討してきた。これまでに伝送周波数1MHzでの試作により100kHz時と比べて4分の1の小型化が確認されていたが、様々なシステムへの適用や回転に伴う容量変動に対応するためには、さらなる小型化が求められる。そこで本研究では、伝送周波数を3MHzへと引き上げることで、より一層の小型化と100W以上の電力伝送を両立させるシステムを検討・評価した 。回転による容量変動を考慮してQ=3でシステム設計を行った結果、必要となる非接触スリップリングの総容量値は350pFとなり、従来の1MHz伝送時に比べて3分の1への小型化が可能となる見通しを得た 。この設計に基づき、極板間隔1.5mmの多層フィン型コンデンサを実際に試作したところ、平均容量値348pFを達成し、課題であった回転に伴う容量変動を5%以内に抑えることに成功した 。さらに、この試作コンデンサにリッツ線で作製した8.1µHのインダクタンスを組み合わせたLC直列回路の周波数特性を測定した結果、共振周波数が2.9MHz、等価直列抵抗が2.6Ωであることを確認した 。この試作システムに50Ωの無誘導巻メタルクラッド抵抗を負荷抵抗として接続し、電力伝送特性の評価実験を行ったところ、入力電力167Wに対して伝送効率76%を記録し、目標としていた100Wを大きく上回る高効率な電力伝送を達成した 。以上の結果から、伝送周波数を3MHzへと高周波化するアプローチにより、スリップリングの大幅な小型化と高い安定性、そして優れた効率での大電力伝送を同時に実現できる有用性が実証された。