講演情報

[B-5A-55]変調次数変換によるニューラル受信機の教師データ生成に関する検討

◎△佐藤 龍吾1、堤 羅馬1、森川 博之1、成末 義哲1 (1. 東大)

キーワード:

ニューラル受信機、ファインチューニング

ニューラル受信機は,復調処理をニューラルネットワークにより実現するデータ駆動型受信機であり,従来のモデルベース受信機を上回る復調性能を達成し得る.ただしその性能は教師データの分布に強く依存し,学習時に想定していないチャネル条件では性能劣化が生じるため,運用中に収集したデータを用いてファインチューニング(FT)を行う手法が提案されている.
しかし,適応変調符号化の下では,性能劣化が顕在化する高次変調ほどFTが困難となる.未学習のチャネル条件では高次変調におけるブロック誤り率(BLER)が増大し,よりロバストな低次変調の変調符号化方式(MCS)が選択されるため,高次変調向けニューラル受信機のFTに用いる教師データが十分に集まらない.
本稿では,変調次数によらず伝搬チャネルは共通であることに着目し,運用中に得られる低次変調ブロックの受信信号からチャネル特性を抽出して高次変調の教師データを合成する変調次数変換を導入する.最小二乗(LS)推定を用いて抽出したチャネル応答をランダムに生成した高次変調のビット系列に適用することで,高次変調向けニューラル受信機のFTに用いる教師データを合成する.
リンクレベルシミュレーションを用いた評価により,未学習の高速移動環境において,16QAMのブロックから合成した64QAMのブロックを教師データにしてニューラル受信機をFTすることで,MCS 17においてBLER 10 %の達成に要するシンボルエネルギー対雑音電力密度比を4.9 dB低減できることを確認した.また,符号化率が高くFTなしではBLER 10 %を達成できなかったMCS 19,MCS 21においてもBLER 10 %を達成した.